惚れ薬を飲ませてみったー

Nicola @Nicola_nn

@sousakuTL ジュンコは避けられたことにチッと舌打ちをして、兄の胸ぐらを改めて掴んだ。「ジュンコ！？」「…」また妹の唇が迫ってきて、リュウは目を白黒させながら顔を横に向ける。頬に柔らかいものが触れてカーッと顔が熱くなる。一体何が起きているかも分からない。

Nicola @Nicola_nn

@sousakuTL 頬にキスをされながら、リュウはペットボトルの中身について思い出していた。友人が「惚れ薬だって」「俺らには必要ねえしやるよ」「あは、ジュンコちゃんに飲ませたら？」とふざけたことを言っていたが、まさか本当に惚れ薬なわけが、とあわあわしている間にジュンコが迫る。

Nicola @Nicola_nn

@sousakuTL 「ジュンコ！まて！ストップ！」「…なんで」半ば押し倒されそうになりながらリュウが腕を突っ張る。妹にあまり力任せにしたくはないが、これはこのままだとマズいぞと顔をしかめる。妹は無理やり引き剥がされて不服そうに自分を睨みつけている。

Nicola @Nicola_nn

@sousakuTL 「なんでって！お前ちょっと今おかしいから、な！？」「おかしくない…」ジュンコが何とか距離を詰めてこようとするので、リュウは焦りながら必死に腕を突っ張る。「駄目…？」ジュンコが小首を傾げるので、許してしまいそうになるがリュウはぶんぶんと頭を振る。

Nicola @Nicola_nn

@sousakuTL 「兄さん…」妹の声はこんなに色っぽかったか、と疑問になりながらリュウは「なんだよ」とちらりとだけ彼女を見る。小さな彼女の唇が薄く開くのが見えた。「私のこと…嫌い？」

Nicola @Nicola_nn

@sousakuTL 嫌いなわけないよむしろ、とまで思ってからため息を付く。どう答えるのがベターだ、と回らない頭で考える。「ジュンコ、今お前は通常の思考じゃない」「…」「だから、とりあえず落ち着け。あと、オレにベタベタするな…！」「…」ジュンコが不機嫌に顔を歪めるのが見えた。

Nicola @Nicola_nn

@sousakuTL 「兄さん、好き」きっぱりと言われた言葉にざわめく心臓をリュウは抑えようと必死に息を付く。「いや、まあ、オレもジュンコのことが好きだけどな？…待った！ちょっと待った！そういう意味じゃない！ジュンコ！押し倒そうとするな！！」なんでこいつはこんなに手が早いんだ。

Nicola @Nicola_nn

@sousakuTL リュウは「妹ととしてだからな！？ジュンコ、ちょ、お前そんなに力強かったか？！」ぐいぐいとジュンコが腕を捕まれたまま近づいてくる。あまり乱暴なことも出来ず、リュウが焦っているうちに、彼女が自分の膝にまたがった。これはいろんな意味でヤバい、リュウは唾を飲み込む。

Nicola @Nicola_nn

@sousakuTL 「ジュンコ、あんまりそういうことすると、どうされても知らないぞ」こうなったら脅しだ、とリュウが低く言うと、ジュンコは小さく頷いてしまった。そこは引けよ！と心の中で叫びながらも、リュウはジュンコの腕を放して顔へ手を伸ばす。こうなれば自棄である。

Nicola @Nicola_nn

@sousakuTL 普段ツンツンしてる妹がこんなにデレているのを無視するのも勿体ない気がして、リュウはジュンコの頬に触れる。「…お前、逃げないとこのまま…するぞ」と引き寄せるように力をこめると、ジュンコは何も言わずに目を閉じた。まじかよ、とリュウが唾をのむ。

Nicola @Nicola_nn

@sousakuTL ジュンコの細い指がリュウの服を握る。リュウは「おい、止めてくれよ…」と小声で呟きながらもそっと顔を近づけていく。引き返せなくなるぞ、と心臓を跳ねさせながら自分も目を閉じて覚悟を決めた。そのまま唇を押し付けーー

Nicola @Nicola_nn

@sousakuTL ーーようとした瞬間、バチーン！思い切り頬を叩かれた。はっとして目を開けると顔を真っ赤にした妹が拳を振りかぶったのが見えた。「うわっ！」リュウは間一髪で拳を手でうけとめる。「ジュンコ！？」ジュンコはばっと立ち上がり、右手をばばっと動かした。

Nicola @Nicola_nn

@sousakuTL 何しようとするんだよ馬鹿何やってんだよ、という意味の手話にリュウがきょとんとする。髪と同じように真っ赤になったジュンコが悪態を手話で突き続けている。「…ジュンコ、お前、ようやくまともにもどったのか」リュウがぼそりと言うとジュンコはギロリと彼を睨みつけた。

Nicola @Nicola_nn

@sousakuTL 「…忘れて」心底悔しそうな声にリュウは脱力しながら苦笑した。これでよかったのか、少し寂しいのか。「忘れろっつったってなあ…」リュウがガサガサと頭をかく。ジュンコは手話で荒っぽく部屋に戻って着替えることをつたえて、足音をたてて目の前から去っていった。

Nicola @Nicola_nn

@sousakuTL リュウは軽いため息をつきながら立ち上がり、ドクドクと脈打っていた心臓を落ち着かせるように深呼吸をした。そして、残っていた惚れ薬をシンクに流してから微笑した。ちょっと勿体なかったかな、とつぶやいてなら空のペットボトルをゴミ箱に放り投げた。

Nicola @Nicola_nn

@sousakuTL （終劇）ジュンコさんとリュウさんでーしたっ！結構楽しかったです(*´∀｀)

Nicola @Nicola_nn

初代はニココとどうやってもくっつけなくて、ぎゃー！！！って一人で喚いていればいいと思う。

つゆ。 @harapeccho

@Nicola_nn むしろセシ様に惚れてしまって戸惑う初代欲しいw

Nicola @Nicola_nn

@sousakuTL 【初代に惚れ薬を飲ませたいぜ】ニコセシの現パロです。ニコ→ニココで、初代をニコと表記してます。さあ初代よ惚れ薬を飲むがいい！！

Nicola @Nicola_nn

@sousakuTL ニコが帰ってくると、テーブルの上に一本のペットボトルが乗っていた。ピンク色であからさまに自然な色合いではない液体が入っていて、ニコは思わず眉間にしわを寄せた。こんな訳のわかないものを買ってくるのはニココに違いない。ニココのローファーも玄関にあったし。

Nicola @Nicola_nn

@sousakuTL 「ニココのやつ、ペットボトルは冷蔵庫に入れろと何度…」と呆れながらニコはペットボトルを手にとった。液体の残りは僅かだ。一口が二口で飲みきれる。 「もしかして、これ飲んだらニココとか、かか関節キスじゃ…！！！！」ニコの脳裏に良からぬ想いが浮かび上がる。

ホタテP@さんきゅー @darkmoon_souji

中学生かｗｗｗｗ

Nicola @Nicola_nn

@sousakuTL 冷蔵庫にしまわないのが悪いんだぞ、と心の中で繰り返し言い訳をしながらニコはペットボトルの封を開けた。 「それに、ほら、帰ってきたばっかりで喉も乾いてたし」 言い訳を口にも出してから、自分で何度も頷いてからペットボトルに口をつけた。一気に中身を飲み込む。