「少年探偵」から、少年ヒーローは生まれた？～その系譜を「奇巌城」から探る

Gryphon（INVISIBLE暫定的再起動　m-dojo） @gryphonjapan

シャーロック３放送記念（１）ことしはルブラン生誕150年。現在「奇巌城」編を連載中の森田氏に、その作品にも出てくる「少年探偵」の系譜を語ってもらったす。 / “「少年探偵」の元祖と系譜〜そして「少年ヒーロー」ものへ？「アバンチュリ…” htn.to/mpU6cw

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上のはなしに絡んで、語るのも読むのも好きな「ストーリーやキャラクターの元祖や歴史を考える」記事を、一覧で読めるようにしてみました（工事中）。 / “お約束やストーリーの元祖を考える記事を【創作系譜論】で検索できるようにしました。 …” htn.to/R5UfDF

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けっこう、考えてみると驚きの話ではありませんか？ / “歴史的には、ホームズなど推理小説の「科学捜査」は現実に先行し、警察のほうが小説を真似ていた…らしい（BBCドキュメンタリーから） - 見えない道場本舗” htn.to/yEAy5p

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シャーロキアン関係の著書もある人が書いてる有名ブログsanjuro.cocolog-nifty.com　の、最近の記事を紹介。 / “ホームズの仇敵・モリアーティ教授の組織は、アイルランド独立派と関係？（翻訳Blog） - 見えない道場…” htn.to/gbUqBb

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『隅の老人は結構、現場で捜査してるので「安楽椅子探偵」とは言えないかも』という、言ってはならん事が、せっかく発売された完全版で指摘されるという（笑）シャーロック放送記念 / “ホームズのライバル「隅の老人」、作品の完全翻訳が出版。…” htn.to/kXBFLo

芦辺　拓 @ashibetaku

鶴見俊輔氏の“少年探偵”についての文章① 収録本を根本尚氏に進呈したのでtwilogから発掘します。サヨク嫌いが何と言おうと、この内容は燦として輝く。「少年探偵漫画は、一九四五年の八月一五日の日本の敗戦をさかいに、がらりとかわった」

芦辺　拓 @ashibetaku

鶴見俊輔氏の“少年探偵”についての文章② 「ここにあつめたいくつかの少年探偵物には、いずれも、おとなをあまりあてにしないで少年が自分の考えで社会の問題にあたるという気ぐみがある」（このあと大人の戦争責任に触れて）

芦辺　拓 @ashibetaku

鶴見俊輔氏の“少年探偵”についての文章③ 「戦後の少年探偵の活躍の背景には、その作者たちと同世代の戦後少年兵士のもう大人たちをあてにするなという声がひびいている」――後から来る者のため少年探偵を描いた青年漫画家たちの思い。後日、収録本を再入手し、何かの機会に引用したいと思います。

芦辺　拓 @ashibetaku

先日お約束した鶴見俊輔氏の「少年探偵」に関する文章引用です。長文ご容赦。①探偵は、あやしげに見えるもののからくりを説明する。神のはたらきによってそうなったというような説明は、探偵物語ではとうらない。探偵物語は、知性による社会の仕組みの説明を軸として、くりひろげられる。

芦辺　拓 @ashibetaku

②日本に探偵小説が入ったのは明治時代のことで、黒岩涙香の「無惨」が最初の作品だと言われる。もともと涙香は、明治はじめの自由民権運動の少年弁士であり、少年の知性による日本社会の改造をめざした。その後、新聞の世界に入ってから、少年の日の理想を、探偵小説の創作と飜訳に向けたのである。…

芦辺　拓 @ashibetaku

③少年の知性で、社会問題のかくされたからくりをとらえるという試みは、昭和初期にもすでに江戸川乱歩の「少年探偵団」という小説によってなされたことがあるが、そこにあらわれる少年たちは名探偵明智小五郎という大人の助手にすぎない。

芦辺　拓 @ashibetaku

④ところが戦後の漫画の世界にあらわれた、うしおそうじの「朱房の小天狗」（一九五三～九年）では、少年が主役で、その父はわき役をつとめる。少年が智恵を提供し、父親が手足となって動くというところに、両社の共同事業が成立するのだ。……

芦辺　拓 @ashibetaku

⑤河島光広の「ビリー・パック」は（一九五四－六二年）は、少年の知性で社会をとらえる試みとしては、日本の漫画史上の新しい一ページである。／ここでは、戦争中の日本の社会が、そのみにくい面をふくめてはっきりととらえられている。……

芦辺　拓 @ashibetaku

⑥少年探偵漫画は、一九四五年の八月一五日の日本の敗戦をさかいに、がらりとかわった。／ここにあつめたいくつかの少年探偵物には、いずれも、おとなをあまりあてにしないで少年が自分の考えで社会の問題にあたるという気ぐみがある。

芦辺　拓 @ashibetaku

⑦敗戦までの日本では、「きけわだつみの声」という戦没学徒兵の手記に見られるように、少年たちは、おとなの命令を無条件でうけいれて戦争で死んだ。その子どもたちの父親、母親にあたる人びとは、大正期の民主主義と平和主義に育った人びとであり、そういう教育をうけてきた人だったはずだが、

芦辺　拓 @ashibetaku

⑧かれらには、こどもたちの前で満州事変開始以来の日本の軍国主義政策を批判しなかったし、自分にふりかかる災難をおそれてこどもたちをこの戦争からひきとめることをしようともなかった。

芦辺　拓 @ashibetaku

⑨戦後の少年探偵の活躍の背景には、その作者たちと同世代の戦後少年兵士のもう大人たちをあてにするなという声がひびいている。『少年漫画劇場７ 探偵推理』（筑摩書房）より「解説 少年の知性」by鶴見俊輔