@saitom11さんと@django88628676 さんによる会話型RPGの語りや描写についてのお話

某氏に読んでもらうためにまとめました。 時間順なのでちと読みづらいかもです。
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django(中村俊也/RPGシティブックIII発売中!) @django88628676

アトゥがかざした両手はすんでのところで怪鳥の体躯を止めており、その左には弓、その右には短刀が握られている。黒い刃が猛禽の首筋に食い込んで、叫びの代わりに血が吹き出し、降り注いだ。アトゥの顔は血で染まった。自分と、猛禽の血で。空飛ぶ獣を、手で掲げるようにしたまま #TFotL

2014-07-15 03:40:49
django(中村俊也/RPGシティブックIII発売中!) @django88628676

四人のティリーミンは最初の闘いを生き延びた。勝った者もいれば、敗北し、手ひどい傷を負った者もいる。が、とにもかくにも生きている。最年少のアトゥは獣に勝利して、傷は浅い。耳飾りは失ったが。鳥をはね退けるようにしつつ、尻もちをつく。それに、とアトゥは黒い短刀を持ち直す #TFotL

2014-07-15 03:55:21
django(中村俊也/RPGシティブックIII発売中!) @django88628676

地べたに胡座をかき、荒い息をつく。血が目に入りそうで、瞬きできない。 それに――耳も。 取れかけた左耳を、アトゥは短刀で削ぎ落とした #TFotL

2014-07-15 03:59:53
django(中村俊也/RPGシティブックIII発売中!) @django88628676

アトゥの「殺傷力」と獣の「強さ」は同値。辛くも獣を倒したアトゥは《血》を6点得る。《栄光》は得られない。そしてこの闘いで、耳飾りと左耳を失ったことにした。彼は軽傷で、ルール上の「負傷」扱いではない。今日はここまで #TFotL

2014-07-15 04:12:40
django(中村俊也/RPGシティブックIII発売中!) @django88628676

おっと、《血》は勝利した時の「殺傷力」と同じだから、4点だな #TFotL

2014-07-15 04:22:27
django(中村俊也/RPGシティブックIII発売中!) @django88628676

片付けなどしつつ、まただらだらと #TFotL の続き。2戦目…今度は「美しさ」5、「殺傷力」5の均等配分。ダイスロールは…13。獣の「強さ」4、用いる語は「歪んだ顔」

2014-07-15 23:31:49
django(中村俊也/RPGシティブックIII発売中!) @django88628676

二体目は巨大な山猫――に見えた。銅鑼の残響の中、静かに歩み出る濃灰色の獣は、アトゥを細い目で睨んだまま、じわじわと近づいてくる。鳴かず、威嚇の姿勢も取らない。必要ないからだ。目の前のアゾネを殺しに来た。ただ、それだけだからだ #TFotL

2014-07-15 23:49:11
django(中村俊也/RPGシティブックIII発売中!) @django88628676

耳の怪我の保護も兼ねて被ったなめし革の頭巾の下で、髪がざわりと逆立ち、背筋に冷たいものが流れる。なんだろうこいつは! 冷たい眼光のみが光る、歪んだ顔。牙の覗く半開きになった口は、しっかりと噛み合わせることができるのか疑わしい。こんなものまでジャングルから現れるのか #TFotL

2014-07-16 00:04:11
django(中村俊也/RPGシティブックIII発売中!) @django88628676

もし二度目の闘いでなかったら、そして退路はないのだと、アトゥが体に染みて感じていなかったなら――この獣の全身から放たれる怖気に、若きアゾネは気圧されていただろう。スターラには二つしか道がない。生きて村に帰るか、地に倒れるか。怖れに報いるのは、ただ確実な死あるのみ #TFotL

2014-07-16 00:21:41
齋藤路恵 @saitom11

イイトコサガシでラビホやってて思ったんだけど、描写というのに慣れてない人は多い。 例えば「通路の先は丸い空間になっていた。壁はゴツゴツとした白っぽい岩が続いている。白い壁のせいか、部屋は明るく感じられる」じゃなくて「丸い部屋に着いたよ」になる。

2014-07-16 00:32:33
齋藤路恵 @saitom11

後者がいちがいに悪いわけではないのだけど、後者しかできないと、語り口が単調になる。慣れたマスターはプレイヤーの倦怠感や残り時間、シナリオ全体におけるシーンの重要度などを自分の中で勘案して、どのくらいの描写が適切か意識しなくても使い分けている感じ。

2014-07-16 00:36:16
齋藤路恵 @saitom11

描写の内容に何が適切かの判断もある。先ほど壁が白いとかなんとか書いたけど、壁の色がどうでもいい場合もあるはずだ。例えば空間がどのくらいの広さか、武器は自由に扱えるか、死角はないかが適切な描写になる場合もあるはずだ。その辺はある程度お手本を見て、やってみないとわからない。

2014-07-16 00:49:02
齋藤路恵 @saitom11

あと、小学生相手のTRPGとかでも聞くけど「部屋にモンスターみたいなのがいるよ」「倒す!」「どうやって?」「え??」みたいなのもたまにある。

2014-07-16 00:54:25
django(中村俊也/RPGシティブックIII発売中!) @django88628676

先に飛びかかったのはアトゥだ。一瞬遅れて山猫も後ろ脚で土を蹴り、たわんだばねが戻り弾かれたように躍り上がる。なんという素早さか。ぼろ布のような毛皮と、ひしゃげた顔貌にもかかわらず、それは音もなく狩りの跳躍を見せる。アトゥは黒檀を削り象嵌した槍を力いっぱいしごき出した #TFotL

2014-07-16 00:58:24
齋藤路恵 @saitom11

よく見るのは自分がマスターのときに の自分が考えた結末までしゃべろうとしちゃうやつ。「部屋にモンスターがいる。君たちに気づいたモンスターが襲いかかってくる。けど、戦士がすばやく気づいて倒した。倒すと、モンスターが持っていたお宝の箱がもらえる」ってマスターが最初に言っちゃうような。

2014-07-16 00:59:47
django(中村俊也/RPGシティブックIII発売中!) @django88628676

@saitom11 あは、カワイイw 中学生くらいでも、出発点はそのあたりだったりすることもあるんですよね。そこからどう言葉を引き出していくかが、ゲームマスターにはけっこう問われたりしますね

2014-07-16 01:01:34
齋藤路恵 @saitom11

「物語を作るのが好きで早く進めたくなる」「日常生活で描写表現をしないので、描写するという発想がない」「自分の視点と他人の視点が話してる途中で混じってしまう。これまで自他の視点を区分する機会があまりなかった」とかいろいろ理由はあるんだろうけど。

2014-07-16 01:09:44
django(中村俊也/RPGシティブックIII発売中!) @django88628676

ずしりと重い手応え。太い槍は獣の胸を貫き、その穂先は背中も貫通した。正しい判断だった、先に動いたのは。賭けだったが、今回は正しかった。アトゥは吠え、そのまま身を預けるようにして、槍を獣ごと地面に突き刺した。倒れたのは獣だ。これで――と、アトゥは思う #TFotL

2014-07-16 01:19:43
django(中村俊也/RPGシティブックIII発売中!) @django88628676

自分の番を待つアトゥも、先に二体目の獣を屠ったエベも、一部始終を見ていた。銅鑼を鳴らし、闘う。助けてはいけない。見ている。倒れたティリーミンには、埋葬もない。獣は絶命したあゾネの若者を、あるものは咥え、あるものは引きずり、ジャングルへと消えていく #TFotL

2014-07-16 01:53:24
django(中村俊也/RPGシティブックIII発売中!) @django88628676

どちらかだ。獣に勝利し村に帰るのか。それとも敗北してジャングルに消え去るのか。顔も知らない消えた父を“オガの息子”は思い浮かべる。ティリーミンが帰ると、ジャングルから獣が消える。ティリーミンが消えれば、獣はジャングルに帰る。実のところ、帰ると消えるは同じではないか? #TFotL

2014-07-16 02:06:49
django(中村俊也/RPGシティブックIII発売中!) @django88628676

アトゥは勝利し《血》と《栄光》に5点ずつを得た。これで《血》は計9、《栄光》は5点。最終戦のポイント配分が問題になってくるが…それは後にしよう #TFotL

2014-07-16 02:23:15
齋藤路恵 @saitom11

@django88628676 「今どの位置にいる?」「何を見て話してる?」とか誘導するのは簡単なのね。ただ、なぜこういう誘導になるかを説明する必要を感じている。これ「手をどうやって開いている?」みたいなもので、「どの指から伸ばした?」「どこの部分に一番力が入った?」(続)

2014-07-16 07:32:10
齋藤路恵 @saitom11

@django88628676 (続)「親指の位置は?」みたいに聞けばとまどっても何とか答えられるの。ただ、聞かれないとまずわかんないし、聞かれてもなぜ聞かれているのか理解できないまま答えている可能性もある。

2014-07-16 07:49:13
齋藤路恵 @saitom11

@django88628676 たぶん多くの人は、成長過程で「見たままを描写する」から「まず結論を話す」に矯正されるんだよね。それが社会性を得るということでもあるし。この結論話法になれると自分の興味のないことや面倒なことは細部をすべて省略、結論だけ聞くってこともある。

2014-07-16 07:52:54
齋藤路恵 @saitom11

@django88628676 あー、何言ってるか自分でもわかんなくなってきた。(笑)まあ、描写は何度か意識して(再)実践を繰り返さないとできない(取り戻せない)んじゃないかということです。 結論だけ先取りするのは短絡とよく言われる。短絡がなぜダメかを説明する必要を感じています。

2014-07-16 07:58:46
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