rsbs日誌#7

﨟長けた鉄血のかはたれどきの魔女🦋 @r_s_b_s

#rsbs日誌 Next!Papers, please!…　Next!Papers, please!…　Next!Papers, please!…　Next!Papers, please!…　DENIRO！今日もアルストツカ東グレスティン入国監理局は人間を捌いていった。

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#rsbs日誌 「かぁーっ…堅苦しいのう…敵わんなぁ…」わしは肩をコキコキと鳴らしながら道を歩いていた。「お疲れ様です提督。御待たせしました」榛名に叢雲、那智が無事に入国を済ませ、此方に歩いてくる。

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#rsbs日誌 「そちらもお疲れじゃよ。いやはや無駄に仕事熱心じゃなぁ。あの審査官」「随分と提督をジロジロと見ていたじゃない。気に入らないわ」「妬いておるのか？叢雲や」「なっ…ばっかじゃないの！私は不正のない提督へ疑いをかける事にね！」

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#rsbs日誌 「うむ…叢雲は優しい子じゃな」頬を染めてむくれる叢雲を撫でてやりながら答える。「提督。迎えの車が来たようだ」那智の言葉に道路を見やるとZISｰ110型リムジンがゆっくりと停車した。

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#rsbs日誌 「随分と物々しい車ね」「その昔、ヨシフおじちゃんも愛用したソ連の高級車じゃよ」「なにそれこっわ…」叢雲はげぇ…と表情を強張らせたが提督は何処吹く風であった。中から人が降りてくる。

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#rsbs日誌 「同志ヴェーチェル。よく来てくれた！急な頼みに申し訳ない」金髪の、体格のガッシリとした青年が敬礼を終えて握手の手を差し伸べてきた。「同志イワン少佐。元気みたいで何よりじゃよ」

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#rsbs日誌 「そちらの艦娘は、同志の部下かい？」「そうじゃ。わしの愛しい艦娘じゃよ」「なるほど…では、車へ」イワン少佐に促されるまま４人は車内に入っていった。イワン少佐も乗り込み、ZISは走り出す。

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#rsbs日誌 「今回無理を言ってお呼びしたのは他でもない、とある艦娘を保護したんだ」「ほう…？其奴の名は？」「正直に此処で言うと、内部問題に発展しかねないのです…」「成る程、察したのじゃよ」「スパシーバ」

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#rsbs日誌 「そしてわしを呼んだのじゃ。かーなーり厄介な事に成っておるのだろう？」「理解が早くて助かります。正直、他に誰を頼れば良いのかと思ったほどで…」イワン少佐は疲れた顔で呟いた。

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#rsbs日誌 車に揺られること暫し、重苦しい佇まいの倉庫の前にZISが止まると数人の軍人が辺りを警戒しながらドアを開けた。イワン少佐が先導しながら倉庫へと提督たちは中に入っていく。

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#rsbs日誌 「随分と厳重だな…何を警戒している？」「我々のスキャンダル、ですよ。皮肉にも其れが為されると我々には後がない。『命を救った』だけなのに、悪い言葉ひとつで大悪党だ…」イワン少佐はぼやきながら地下への階段を降りていった…

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#rsbs日誌 階段を下る内に振動が壁から伝わってきた。何か…くぐもった音も響いている。「…嗚呼、これは厄介の極みじゃな」「もう分かったのですか…流石は同志ヴェーチェル」「骨が折れそうじゃのう…全く…」

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#rsbs日誌 階段を一つ降りる毎に、振動が強まり、音が大きくなった。それはやがて何かがぶつかり合う金属音と獰猛な叫び声であることが分かった。重苦しい扉が開かれ、提督たちはそこに秘められたモノと対面した。

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#rsbs日誌 「嘘…でしょ…？」悲鳴にも似た声で叢雲が呟いた。「…超々弩級戦艦」「大和型二番艦艦娘、武蔵ですね…」那智の言葉に榛名は落ち着いたまま続けた。ボロボロの武蔵が、叫び、吼え、暴れていた。伝承のドラゴンの様に、力強く…

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#rsbs日誌 「彼女を保護したのは一月前…何らかの戦闘があったのか、満身創痍の彼女を我が海軍が見つけ、容態が回復するまで面倒を見ることに…その間にも彼女の所属する艦隊や提督を見付けるように行動したり、日本帝国海軍に協力を要請しましたが…」

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#rsbs日誌 「武蔵の艤装からは録な情報は得られず、そして大本営はダンマリを決め込んだのじゃろう？武蔵を持つような提督の不祥事を恐れて。そしてアルストツカ海軍が無断で超秘匿兵器、最新鋭超々弩級艦娘を不正に入手した、とアルストツカ内部の過激派に言われた時の為に…」

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#rsbs日誌 「正しく、その通りです…そして一番最悪なことに…」イワン少佐は歯噛みしながら呟いた。「昏睡しておった武蔵が目覚めたら、この様に暴れだして手が付けられぬ。と言う訳じゃな」「はい。既に我が海軍に貸し出された旧式の戦艦艦娘は全員が大破…」

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#rsbs日誌 「馬力勝負で叶うわけがなかろう。15万馬力の化け物相手に1万5千馬力程度の旧式ではな…10倍じゃぞ？」「ごもっともです…」図太い鎖に全身を繋がれ、それでもなお武蔵は暴れていた。よくもまぁこの倉庫の壁が持ちこたえたものである。

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#rsbs日誌 「…さて、悠長に構えておる暇もあるまい。仕事をするかのう」指をパキパキと鳴らしながら提督は今からパンでも炙ろうかと言う気軽さで武蔵に歩み寄っていった。吼える武蔵。しかし提督は気にも止めない。

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#rsbs日誌 「陣を引く故、お主らは安全の為に下がっておるがよい。それと…イワン少佐」「何でしょうか？同志ヴェーチェル」不意に声を掛けられ彼は問い返す。「どうにも上にきな臭い気配があるでな。もしや来るかも知れんぞ」「…！！警戒態勢！」

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#rsbs日誌 バタバタと彼らの部下は階段をかけ上がり上へと登っていく。「大変そうだな」他人事の様に那智は呟いた。「時に那智や。そこの操作機械を見てくれぬか。恐らく注水装置じゃ。水を少し満たしてくりゃれ」「分かった」

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#rsbs日誌 言われるがままに那智は機械を操作した。鈍い音と共に足元の排水溝にも見える穴から水が溢れ出した。提督は指先に水をつけ、ちらりと舐める。「有り難い。海水かや。多少は艦娘の扱いと言う物を心得ておった様じゃな」

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#rsbs日誌 足首を被うほどの海水が満たされ、武蔵は更に暴れだす。無理もない。渇ききった地面から海水と言う地の利を得たのだから。今此処は何物よりも小さいが、わだつみとなったのだから。

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#rsbs日誌 「では…やるかの…」水面の上に立ち、提督は両手を掲げる。結印を作り、九字を唱える。周囲が次第に静寂と化し、彼女の足元に五芒星の陣が浮かび上がった。続けて彼女は太刀を抜き、刀身に神酒を垂らす。

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#rsbs日誌 神酒を垂らした太刀を振るい、新たに五芒星を刻み、天上に円を描くと提督は太刀を振るい切った。二重の五芒星の円陣が生まれ、互い違いに回転を始める。提督は手を休めない。袖口から大量の式を放ち、周囲に漂わせ術の強化に努めた。