扇状地・沖積錐・崖錐・・・土石流災害と関連して
- kobiwa_net
- 20081
- 39
- 2
- 27
地形学ではプロセスが違うから明確に分けます。地形(傾斜)と堆積物をみればかなり明瞭にわかる。"@kobiwa_net: ところで、扇状地と沖積錐って明確な区分けってありましたっけ?"
2014-08-22 08:47:12.@disaster_i @s15taka 私もいいテキストが有れば勉強したいところです。扇状地、土石流扇状地、沖積錐、崖錐。堆積物の話(扇状地性堆積物etc)と合わせて、混乱しているところです。
2014-08-22 12:14:24@disaster_i @kobiwa_net 帰宅して地形学辞典を開き、首を傾げてしまいました。特に沖積錐です。時代・世代による解釈の違いなのか学派的なものか、いまいちわかりませんが。とりあえず、プロセス(営力)を重視する立場からは掃流と土石流をごっちゃにすることはなく(続く)
2014-08-22 23:04:15@disaster_i @kobiwa_net 河川による扇状地と土石流による扇状地を区別します(区別するはずです)。後者は前者より、地形の傾斜が大きく、堆積物の淘汰度がより悪いです。いずれもかなり違います。地形と堆積物から地形プロセスを見抜くことをトレーニングされてきた(続く)
2014-08-22 23:11:01@disaster_i @kobiwa_net 私としては、あの辞典の解説は納得できないですね。ただ、ソースはと問われると、学生のときのノートや指導教官からの教え・・・という状況でなんとも(笑)。ただ、ほとんどの学術論文でも、沖積錐は土石流によるものが前提とされていますからねぇ。
2014-08-22 23:14:37また「地球科学用語にはあちこちに混乱がある」という結論か。たびたび感じることだが、やっぱりまずいよ。特にアウトリーチの仕事ではたいへん困る。
2014-08-22 23:20:44図書館に地形学辞典があったので調べてみた。確かにこの定義は今ひとつか。端的には、扇状地・沖積錐・崖錐の区分を傾斜と大きさだけにしている。(続く) twitter.com/s15taka/status…
2014-08-23 10:43:00承前、扇状地。個人的に一番納得できなかったのは「扇状地堆積物」の項目。「大きな、淘汰されていない岩屑で交際されたものすべてをいう」として、崖錐堆積物も網状河川堆積物も含むと記載してある。何となく混乱の原因がわかった気がする_| ̄|○
2014-08-23 10:47:20@s15taka @disaster_i 私も↓のソースは、授業や実習で教わったことを自分なりに整理した結果です。ただ、扇状地・沖積錐・崖錐の区別を気にするような人には定義を説明(掃流、重力流、落石)すれば理解してもらえそうね。 twitter.com/kobiwa_net/sta…
2014-08-22 23:34:27私自身は、掃流によって堆積物が運搬堆積した扇状の地形を扇状地、重力流(土石流)によるものを沖積錐、落石によるものを崖錐と整理しています。土石流扇状地、扇状地性堆積物(重力流によるもの?)など、私の整理と合わないものもあります。@disaster_i @s15taka
2014-08-22 12:38:03@kobiwa_net 北大東の崖錐(?)の前でじっくり議論したかったですね。ともあれ、地形災害を考える場合はプロセスの解明ありき(営力により災害タイプが変わる)なので、このあたりを曖昧にしてるとまずいと思います。@disaster_i
2014-08-22 23:39:03応用地質学事典の記載はスッキリしているけど妥当な感じかな。崖錐は急斜面上の岩屑が重力の作用で移動して、その基部に堆積してできた円錐状の地形。扇状地のうち、傾斜が急なものを沖積錐としていますがプロセスまでは言及していない。
2014-08-23 11:05:58私が持ってる教科書を調べてみました
ちなみに、手元に有った地形学の教科書を三冊見てみたのですが、索引に「沖積錘」という言葉はありませんでした。
米倉ほか(2001)ではP240で沖積錘という言葉は使っていませんが、"大河川では、水流によって緩傾斜扇状地が形成されるのに対し、小河川では、土石流や泥流のような集合流によって小型の急傾斜扇状地が形成される"と記載されていました。この記載は先の小口先生のTweetとも整合しますね。
https://twitter.com/ogugeo/status/502662713525665792
一方、地質学(堆積学)の教科書(八木下、2011)を見るとP105で「土石流堆積物が最も普遍的に存在する堆積環境は扇状地あるいはファンデルタ上流部」と記載されるなど、どちらかと言うと沖積錐を扇状地として指しているような記載があります。
米倉ほか(2001)のいう「緩傾斜扇状地」に該当するものは、八木下(2011)では網状河川氾濫原(粗粒な礫が主体を成すが砕屑支持)と呼んでいるみたいです。
<地形学関連>
・貝塚(1998)「発達史地形学」東大出版会.
・貝塚ほか編(1985)「写真と図で見る地形学」東大出版会.
・米倉ほか編(2001) 「日本の地形 総説」東大出版会.
<地質(堆積)学関連>
・八木下(2011)「岩相解析および堆積構造」古今書院.(初版は2001年出版)
おまけ
結局、沖積錐は扇状地の一種。水流のうち土石流で形成された規模が小さく傾斜が急なものと考えれば良いんですね。
扇状地の典型例として教科書でもお馴染みの京戸川扇状地@中央道釈迦堂PA付近って、現地行くとかなり傾斜が急なんですよね。沖積錐と扇状地の区分けについて考える発端がここの扇状地なのです。 portal.cyberjapan.jp/site/mapuse4/i… pic.twitter.com/odnk0C6wua
2014-08-23 10:54:26この扇状地、露頭は確認していませんが、土石流でできてそうですねf^_^;
扇状地の扇頂付近に土石流が到達することもありますからね。複合扇状地など語り出すとまた収集つかなくなりそうだけど。ファンデルタなどもあるし、複数のプロセスが作用している事例はあります。地形と堆積物から作用しているプロセスを切り分けながら丁寧に判別していく作業。@kobiwa_net
2014-08-23 11:05:02細かい話は考えれば色々出てきますし、それぞれのテーマごとに面白いですよね。でも、それは研究レベルで、一般には難しすぎますね。(掃流と重力流の話でも、一般からすると細かい話と言われそうなくらいですが・・・) @s15taka
2014-08-23 11:10:01沖積錐をみる上で防災上の重要な観点
扇状地の災害を論じる際には段丘化の有無が重要。たとえば岩手県の胆沢川扇状地や武蔵野のうち多摩川の扇状地である部分は、大半が段丘化。bit.ly/1tsqfwb 段丘化した部分は土石流等のリスクは低い。被災した広島の小扇状地群のように段丘化していないものは高リスク。
2014-08-21 15:53:34@ogugeo 公式RTで拝見しました。お手数でなければ、段丘化した領域の土石流発生のリスクが低い理由を後学のためにご教示いただけませんか。
2014-08-21 20:54:56@sekky99 扇状地の一部が段丘化しているということは、その部分は土砂の堆積による地形の形成が終了していることを意味します。よって、土石流等が上流から来ても、土地の上には載らないと判断できる部分になります。100%の断定は無理ですが、段丘化していない部分よりも相当低確率です。
2014-08-21 21:18:03