140903 岩上安身による名古屋大学名誉教授・安川寿之輔氏インタビュー 実況ツイート

記事・映像はこちら→http://iwj.co.jp/wj/open/archives/166258
0
前へ 1 2 ・・ 6 次へ
岩上安身 @iwakamiyasumi

26.岩上「ここまでは、一応、福沢は綺麗な言葉で語っていますね。しかしこれから見ていく文献には、あからさまな差別用語がでてきますね」。安川氏「自由民権運動と出会った福沢は、『時事小言』の中で、『強兵富国』について語っています」

2014-09-18 22:19:18
岩上安身 @iwakamiyasumi

27.岩上「『富国強兵』ではなく『強兵富国』だと。幕末の貧しい状態からそのまま強兵になり、そして富国になろうと」。安川氏「この言葉に、日本が侵略と植民地支配を経ながら富を獲得していったということを、よく表していますね」

2014-09-18 22:19:32
岩上安身 @iwakamiyasumi

28.岩上「1881年10月の『時事小言』を読み上げてみます。『支那人…数千年来陰陽五行の妄説に惑溺し…』『無遠慮に其地面(アジア諸国)を押領して、我手を以て新築するも可なり』。すごいですね」。安川氏「植民地支配を盛んに主張しているわけです」

2014-09-18 22:20:03
岩上安身 @iwakamiyasumi

29.岩上「1882年3月の『時事新報』に載った『圧政もまた愉快なるかな』。これも読み上げます。『圧政を悪むは人の性なりと云ふといえども…己れ自から圧政を行ふは人間最上の愉快と云て可なり』」。安川氏「本当に、本音をむき出しにしていますね」

2014-09-18 22:20:18
岩上安身 @iwakamiyasumi

30.安川氏「福沢は『帝室論』のなかで天皇制を論じています。福沢は天皇制を『人主が愚民を籠絡するの一詐術』、つまり馬鹿な国民を騙すための方法だと位置づけています。ここに、保守思想家としての福沢の本質が出ていると思います」

2014-09-18 22:20:45
岩上安身 @iwakamiyasumi

31.安川氏「『時事小言』でアジア侵略、『帝室論』で国民の支配というかたちで福沢は保守思想を確立するわけですが、問題は、なぜ福沢がこうなったかということです。『民情一新』の中で福沢は、英国における社会主義や労働運動に対する警戒感をあらわにしています」

2014-09-18 22:21:01
岩上安身 @iwakamiyasumi

32.安川氏「『そうか、簡単にイギリスを真似ればいいんじゃないだ』と福沢は思うわけです。そこで、イギリス流の立憲君主制からプロイセン流の君主制へと思想を軌道修正させました。メッテルニヒによる強権発動を評価するようなことも書いています」

2014-09-18 22:22:08
岩上安身 @iwakamiyasumi

33.安川氏「ですから、1885年の『脱亜論』は、既に福沢の中で確固とした思想にもとづいて書かれたものなのです」。岩上「読んでみます。『残酷不廉恥を極め…』『隣国なるが故にとて特別の会釈に及ばず…』『処分す可きのみ』…」

2014-09-18 22:22:27
岩上安身 @iwakamiyasumi

34.安川氏「勝海舟は一貫して、日中韓三カ国が連帯しなければならない、ということを主張していました。政府内部でも、朝鮮を今で言うスイスのような永世中立国にしたらどうか、などという中立構想もありました」

2014-09-18 22:22:44
岩上安身 @iwakamiyasumi

35.安川氏「勝海舟は日清戦争で日本が勝った時も、『次に負けるのは日本だ』ということを言っていました。福沢諭吉は、咸臨丸以来、勝海舟嫌いだったということでも知られているんですよね」

2014-09-18 22:23:02
岩上安身 @iwakamiyasumi

36.岩上「大日本帝国の中でも、福沢的な攻撃的、差別的な帝国論と、それとはまた別の、温和な帝国論もあったんですね」。安川氏「右派の人は『帝国主義の時代だから仕様がなかった』などと言いますが、そうではなかったわけです」

2014-09-18 22:23:17
岩上安身 @iwakamiyasumi

【ここから第二夜】37.安川氏「福沢諭吉は、朝鮮を文明に誘導するという名目で武力侵略を合理化しました。1882年の『朝鮮の交際を論ず』という論文で、『(朝鮮が)未開ならば之を誘うて之を導くべし、彼の人民果して玩陋ならば之に諭して之に説くべし』と書いています」

2014-09-18 22:24:27
岩上安身 @iwakamiyasumi

38.安川氏「一般の人は、福沢諭吉が蘭学や英語を学んだので、アジア蔑視に走ったと思いがちです。そうではありません。初期啓蒙期の福沢は、『野蛮国』『半開国』『文明国』の3つに分けた場合に、朝鮮と中国を、日本と同じ『半開国』だと見なしていました」

2014-09-18 22:24:56
岩上安身 @iwakamiyasumi

39.安川氏「それが、明確にアジア侵略を目指すようになってからは、それを合理化するために、『朝鮮や中国は野蛮で遅れており、わからずやだ』ということを述べ立てることになりました」

2014-09-18 22:25:18
岩上安身 @iwakamiyasumi

40.岩上「『朝鮮の交際を論ず』には『我輩が斯く朝鮮の事を憂てその国の文明ならんことを冀望し、遂に武力を用いてもその進歩を助けんとまでに切論するもの』とありますね。まさに、他国の『文明』化のために、武力侵略を正当化するものですね」

2014-09-18 22:25:38
岩上安身 @iwakamiyasumi

41.安川氏「私の『福沢諭吉の教育論と女性論』で集めた福沢の朝鮮に関する記述を挙げます。『朝鮮国民…露英の人民たるこそ其幸福は大なる可し』。『学問のすすめ』の中で、『人権で最も大事なのは、面目名誉だ』という趣旨のことを言っているのにもかかわらずです」

2014-09-18 22:26:00
岩上安身 @iwakamiyasumi

42.安川氏「『朝鮮人…上流は腐儒の巣窟、下流は奴隷の群衆』とも。上流階級は腐った儒教の巣窟であり、下流は奴隷の群れということですね。さらには『朝鮮…人民は正しく牛馬豚犬』とまで言っています」。岩上「まさに元祖ネトウヨで、ヘイトスピーカーですね。

2014-09-18 22:26:25
岩上安身 @iwakamiyasumi

43.安川氏「また、中国に対しては、『支那…東洋の老大朽木』という見解。『支那人を文明開化に導くなんと云ふことは、コリャ真実無益な話だ…百の李鴻章が出て来たって何にも出来はしない』と述べています」

2014-09-18 22:26:44
岩上安身 @iwakamiyasumi

44.安川氏「つけ加えると、日清戦争を正当化する目的もあったことから、このような『ネトウヨ』的な言葉は、分量としては、中国に対するもののほうが多いのです」。岩上「日本人の意識に刻んだものの大きさは計り知れないものがあります」

2014-09-18 22:27:03
岩上安身 @iwakamiyasumi

45.安川氏「台湾は日本軍の支配に激しく抵抗しました。その台湾に対して福沢は『台湾の反民…烏合の草賊…無知蒙昧の蛮民』『頑冥不霊は彼等の性質にして…殲滅の外に手段なし』とまで言っています」。岩上「『殲滅』を扇動しているわけですね」

2014-09-18 22:27:35
岩上安身 @iwakamiyasumi

46.安川氏「台湾の人びとも福沢に対して『最も憎むべき台湾民族の敵』と厳しい評価を下しています。あのような言葉を投げつけていたわけですから、それも当然だと考えます」

2014-09-18 22:27:55
岩上安身 @iwakamiyasumi

47.安川氏「福沢は日清戦争を『文野の戦争』としていました」。岩上「西洋中心の『文明と野蛮』という構図をそのまま持ち込んでいます。これは現代にも引き継がれていますね。米国だけが例外的な国家で、『人道的な介入』という理屈が許されている状況です」

2014-09-18 22:28:12
岩上安身 @iwakamiyasumi

48.安川氏「1894年の『日清の戦争は文野の戦争なり』では、『千の清兵はいずれも無辜の人民にして、これを皆殺しにするは憐れむべきがごとく』なのだが、『世界の文明進歩のためにその妨害物を排除せんとするに、多少の殺風景』はやむを得ないとしています」

2014-09-18 22:28:31
岩上安身 @iwakamiyasumi

49.岩上「同じ1984年に日清戦争について『文野明暗の戦…世界の文明の為に戦ふもの』であると書いています。『長駆して北京の首府を衝き、…彼等をして文明の軍門に降伏せしむるの決断なかる可らず』と、やはり『文明』が侵略正当化の道具として持ち出されます」

2014-09-18 22:28:49
岩上安身 @iwakamiyasumi

50.安川氏「私が国民学校5年の時に敗戦でした。それまでは軍国主義教育を受け、『貴様らは最後の一人まで戦うのだ』と教えられていました。日清戦争の時に福沢が『日本臣民の覚悟』の中で同じことを言っていることを知り、大変なショックを受けました」

2014-09-18 22:29:10
前へ 1 2 ・・ 6 次へ