渡邊芳之先生ynabe39の「表現というのはもともと人の行動や考えに影響を与えるものだし,そうでなければ表現の存在意義がない。そうした影響の中にはなんらかの意味で有害なものもある。」

問題は「害があること」イコール「禁止・制限すべき」ではないということだ。ギャンブルにはかなり明らかな害があるし,酒やタバコにもさまざまな害があるが,ギャンブルや酒,タバコは禁止されてはいない。 by 渡邊芳之
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渡邊芳之 @ynabe39

千の風になって。

北海道帯広市 · twilog.org/ynabe39

渡邊 芳之(わたなべ よしゆき、1962年4月22日 - )は日本の心理学者。帯広畜産大学人間科学研究部門(人文社会・体育学分野)教授。博士(心理学・東京国際大学)。 佐藤達哉、尾見康博との共同研究を中心に心理学論、心理学史、人格心理学や血液型性格分類の批判的検討などの分野に論文・著作を持つ。趣味はレコード蒐集。
http://ja.wikipedia.org/wiki/渡邊芳之

渡邊 芳之 -帯広畜産大学-
http://www.obihiro.ac.jp/ichiran/watanabe_yoshiyuki.html

 

渡邊芳之 @ynabe39

なるほど「ゲームの影響」についてもそれが憎悪や攻撃など現実の好ましくない人間行動を促進するような影響を持つことは全否定したいのだな。

2014-10-09 06:53:10
渡邊芳之 @ynabe39

心理学者的な常識からいえば、暴力的なゲームは暴力的な行動に、憎悪的なゲームは憎悪的な行動にある程度の促進的な影響を与えるが、それは何もないところに暴力や憎悪を引き起こすほど強く直接的な影響ではないだろうと思われる。

2014-10-09 06:56:37
渡邊芳之 @ynabe39

これはアートにおける暴力表現などについても同様である。このことについては以前延々と述べたことがtogetterにまとめられている。

2014-10-09 06:58:32
渡邊芳之 @ynabe39

表現と行動との関係についての私の考えはたとえばここにまとめられている。他にも関係するまとめがいくつかtogetterに作られている。 「規制条例反対派の論では推進派の論には対抗できない」 togetter.com/li/76112

2014-10-09 07:35:43
まとめ 「規制条例反対派の論では推進派の論には対抗できない」渡邊芳之先生ynabe39による東京都の表現規制条例についてのツ.. 「自分が無害と思う表現の規制には反対で,自分が有害と思う表現は規制されてもかまわない」のは「表現の自由を守ること」ではない。「自分が有害と思う表現が規制されることにも反対することで,結果として自分が無害と思う表現も守られる」のが「表現の自由を守ること」だ。 「有害であっても表現を規制すべきではない」という論を立てない限り勝ち目はない。 by 渡邊芳之 61617 pv 1747 133 users 433
渡邊芳之 @ynabe39

表現というのはもともと人の行動や考えに影響を与えるものだし,そうでなければ表現の存在意義がない。そうした影響の中にはなんらかの意味で有害なものもある。

2014-10-09 07:36:56
渡邊芳之 @ynabe39

しかしその影響は(表現以外で)人の行動に影響を与える様々なものと相互作用するので,ある表現に触れることがすぐに人を犯罪者にしたり変質者にしたりはしない。ただ「表現による悪い影響」は小さいながらも常に想定される。

2014-10-09 07:38:23
渡邊芳之 @ynabe39

問題は「害があること」イコール「禁止・制限すべき」ではないということだ。ギャンブルにはかなり明らかな害があるし,酒やタバコにもさまざまな害があるが,ギャンブルや酒,タバコは禁止されてはいない。

2014-10-09 07:39:39
渡邊芳之 @ynabe39

われわれの社会は有害なものでもそれを求める人がそれを手に入れる権利を一定の範囲で認めている。まずその害が著しく大きく決定的ではないことが重要で,食べたら必ず死ぬようなものは食べられなくなることが多い。

2014-10-09 07:42:22
渡邊芳之 @ynabe39

いっぽうで,それぞれのものが持つ有害さの程度,内容や性質に応じて,特にそれへの脆弱性が高いと思われる人がそれに接することは規制する。子どもはギャンブルしちゃダメ,酒を飲んじゃダメ,というのは子どもがそれらの害に脆弱だと考えられているからだ。

2014-10-09 07:45:33
渡邊芳之 @ynabe39

性表現にしてもゲーム類にしても,それが人間の行動に悪い影響を与える可能性は常にある。ただその程度が決定的でないことも同意されているから,まず成人に対しては個人の責任でそれを楽しむことが認められた上で,子どもや青少年などには必要に応じた規制を行う仕組みがすでにできている。

2014-10-09 07:48:00
渡邊芳之 @ynabe39

少なくとも私は現状で性表現や暴力表現にいま以上の規制を行う必要はないと思っているし,暴力や憎悪の表現が含まれるゲーム等についても同様である。もちろんギャンブルや酒タバコについてもそうで,最近の禁煙嫌煙は行き過ぎだと思っている。

2014-10-09 07:49:47
渡邊芳之 @ynabe39

大事なことは「害のないものだけが自由で,害のあるものは禁止すべき」ではなくて,害のないものも害のあるものも原則は自由で,ただし害のあるものについてはその害の程度や内容に応じて必要な制限をすることはありうる,ということだ。

2014-10-09 07:51:11
渡邊芳之 @ynabe39

原則としては「害のあるものでも大人が自分の責任で選んで楽しむことには最大限に寛容に」,いっぽうで「その害に脆弱な子どもや弱者を守るためには必要な制限やゾーニングを」ということだと思う。まったく常識的な話で常識的な結論だと思う。

2014-10-09 07:55:31
渡邊芳之 @ynabe39

自分のTLにも「月食や日食の何がそんなに面白いのかわからない」というツイートがパラパラと見られた。そういうのを見て「人間っていいなあ」と思う俺。

2014-10-09 08:32:53
伊藤君男 @itokimio

INGRESSをインストールしてみたのですが,全然興味がなかったぼくは社会心理学者としてダメっていうことですね(笑)。そもそも,ぼくはゲーム全般に興味がないのでした…。

2014-10-09 08:52:39
渡邊芳之 @ynabe39

俺もゲームというものをほとんどまったくやらない。ゲーム好きな人々との間には深くて暗い川がある。

2014-10-09 08:58:52