東浩紀『弱いつながり 検索ワードを探す旅』批判 再々応答とその検討

東氏による弱いつながりにおけるグラノヴェッターに関する新しい見地と、その検討 著者からの5つの反論に、再反論しています。
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須藤玲司 @LazyWorkz

言うまでもないことですが、ぼくの言葉が東浩紀氏に届く必要はまったくありません。届いてもいいし、届かなくてもいい。東氏はなにか勘違いをされていたようですが、著者に届くか否かに特に興味はありません。読書感想文を著者に読まれるために書く人は普通いません。でも読まれてもべつに構いません。

2014-10-13 22:26:32
須藤玲司 @LazyWorkz

もし東氏がこれを見た場合、反応してもいいですし、反応しなくてもいいです。ぼくがとやかく言う筋合いはなにもありません。自らのもっとも利益になる行動を自由に選択すればいいでしょう。東氏の語るとおり、発言は自由です。あえて沈黙することも、自己責任において完全に自由です。

2014-10-13 22:28:37
須藤玲司 @LazyWorkz

ぼくは二度、連ツイをしました。それはここにまとめています。 togetter.com/li/730363 togetter.com/li/731115 東浩紀氏の発言は、何の意図で誰に向けているのか不明ですが、仮にぼくの発言への反論と解釈してみます。 以下、再反論をします。

2014-10-13 22:29:51
須藤玲司 @LazyWorkz

まず、反論ポイントをまとめます。 【東浩紀氏の反論1】 (1-a)「弱いつながり」はグラノヴェッターとは関係なく、著者のオリジナル概念である。 (1-b)グラノヴェッターは参考として一瞬触れただけである。 twitter.com/hazuma/status/…

2014-10-13 22:31:13
東浩紀 Hiroki Azuma @hazuma

「弱いつながり」はグラノベッターの解釈として間違っているので意味ない云々のリプライが来ているんだけど、この本読んだら、これそもそもぼくオリジナルの概念でグラノベッターは参考に一瞬ふれただけなのは誰でもわかると思うのだが。。名前出てくるのも序文だけだし。

2014-10-13 16:33:40
須藤玲司 @LazyWorkz

【東浩紀氏の反論2】 (2-a)「弱いつながり」の背景は、ルソー・カント・デリダ・ローティである。グラノヴェッターではない。 (2-b)タイトルは「弱い絆」ではなく「弱いつながり」である。 twitter.com/hazuma/status/…

2014-10-13 22:32:57
東浩紀 Hiroki Azuma @hazuma

「弱いつながり」の背景にあるのは、そもそもルソーとかカントとかデリダとかローティとかで、グラノベッターじゃないですよ(だからタイトルも「絆」じゃないじゃん)。自分のわかるところだけ読むのはいいけど、わからないところがあるから間違いって言われても困るな。

2014-10-13 16:36:08
須藤玲司 @LazyWorkz

【東浩紀氏の反論3】 「おれにわからないところがあるのは著者が悪いって発想の人は、哲学書とか読まないほうがいいよ」twitter.com/hazuma/status/… (※要約するまでもないので原文です)

2014-10-13 22:33:24
東浩紀 Hiroki Azuma @hazuma

おれにわからないところがあるのは著者が悪いって発想の人は、哲学書とか読まないほうがいいよ。

2014-10-13 16:40:15
須藤玲司 @LazyWorkz

ひとつひとつ再反論していきましょう。論旨の流れ上、順番は変えて反論します。

2014-10-13 22:33:57
須藤玲司 @LazyWorkz

【グラノヴェッターへの言及】 まず参考のため、『弱いつながり』から、グラノヴェッターの人名を挙げての言及箇所をすべて引用しましよう。たしかに、(1-b)の反論どおり、序文の2箇所しかありません。(続く)

2014-10-13 22:35:04
須藤玲司 @LazyWorkz

(承前)言及箇所(a) 「アメリカの社会学者、マーク・グラノヴェターが一九七〇年に提唱した有名な概念に、『弱い絆』(ウィークタイ)」というものがあります。グラノヴェターは当時、(略)ある調査をしました」(0章)(続く)

2014-10-13 22:37:39
須藤玲司 @LazyWorkz

(承前)言及箇所(b) 「弱い絆はノイズに満ちたものです。そのノイズこそがチャンスなのだというのがグラノヴェターの教えです」(0章) ※電子書籍版で読んでいるので、ページ番号を示すことはできません。

2014-10-13 22:38:40
須藤玲司 @LazyWorkz

【反論2-bへの反論:「弱い絆」ではなく「弱いつながり」か】

2014-10-13 22:39:59
須藤玲司 @LazyWorkz

「タイトルは『弱い絆』ではなく『弱いつながり』である」という主張は、客観的にみて、完全に正しい。でも、真の問題はここではありません。 タイトルが『弱いつながり』であるというのは、反論としてどういう意味を持つかということです。(続く)

2014-10-13 22:42:00
須藤玲司 @LazyWorkz

(承前)東浩紀『弱いつながり 検索ワードを探す旅』は、この書名なのに、驚くべきことに「弱いつながり」についての本ではありません。 「弱いつながり」という言葉は、表紙と中表紙、奥付、あと各ページ上部のタイトル表記欄に記載があるのみ。つまり、本文には一切登場しないのです。(続く)

2014-10-13 22:44:32
須藤玲司 @LazyWorkz

(承前)では、『弱いつながり 検索ワードを探す旅』は、いったい何についての本なのでしょう。 実は、文中の用語は「弱い絆」に統一されています。徹底して「弱い絆」のことしか語ってません。 つまり『弱いつながり』は、本当は「弱い絆」についての本です。大変地味なタイトル詐欺です。(続く)

2014-10-13 22:46:02
須藤玲司 @LazyWorkz

(承前)なぜ「弱い絆」についての本を『弱いつながり』というタイトルにしたかは、まったく不明です。マーティング上の配慮、平易な言葉に言い替えたかった、偏ったイメージを想起させる「絆」を避けたかった、などの理由は想像できますが、これらはまったくの憶測で、実際の理由は不明です。(続く)

2014-10-13 22:51:19
須藤玲司 @LazyWorkz

(ふぅ、これでまだ反論1/5ですよ…。次はさらに倍ぐらいの長さがあるかも…)

2014-10-13 22:56:26
須藤玲司 @LazyWorkz

(承前)まとめ:「タイトルは『弱い絆』ではなく『弱いつながり』である?」 反論→『弱いつながり』の本文テクスト中に「弱いつながり」という言葉は一言も書かれていない。実際は「弱い絆」についての本である。タイトルが『弱いつながり』であることに、論としての意味はまったくない。

2014-10-13 23:08:16
須藤玲司 @LazyWorkz

【反論1-aへの反論:「弱いつながり」は東浩紀オリジナル概念か】

2014-10-13 23:08:36
須藤玲司 @LazyWorkz

まず、『弱いつながり』に関し、「弱いつながり」について語ることはまったくの無意味であることは、【反論2-aへの反論】で述べました。テクストのどこにも「弱いつながり」という言葉が存在しないからです。語られているのは徹頭徹尾「弱い絆」の話です。(続く)

2014-10-13 23:09:27
須藤玲司 @LazyWorkz

(承前)では、『弱いつながり』テクスト中の「弱い絆」という言葉は、東浩紀オリジナル概念として書かれているのでしょうか。 答えは、そのとおりです。なぜなら、グラノヴェッターの示した概念とは全く異なることが説明されているからです。(続く)

2014-10-13 23:10:37
須藤玲司 @LazyWorkz

(承前)ここで、『弱いつながり』中の「弱い絆」が東浩紀オリジナル概念であることは、テクスト中でどのように保証されているのでしょうか。(続く)

2014-10-13 23:11:32
須藤玲司 @LazyWorkz

(承前)「弱い絆」という言葉が初登場するのは、序文中盤の「グラノヴェター」初登場と同じ箇所です。 >「アメリカの社会学者、マーク・グラノヴェターが一九七〇年に提唱した有名な概念に、『弱い絆(ウィークタイ)』というものがあります」(0章)(続く)

2014-10-13 23:14:02
須藤玲司 @LazyWorkz

(承前)このセンテンスのポイントは、「弱い絆(ウィークタイ)」という表記です。 グラノヴェッターの概念「weak tie」は、日本語では「弱い紐帯」とするのが定訳でした(大岡栄美氏の訳だそうです)。 しかしここで著者は「弱い絆」と独自に改訳しています。(続く)

2014-10-13 23:17:34
須藤玲司 @LazyWorkz

(承前)ならば、グラノヴェッターの「弱い紐帯」と東浩紀の「弱い絆」は、言葉が違うから別の概念である、という考えもできるかもしれません。 しかしこれは無理です。「弱い絆(ウィークタイ)」と原語を明記しているからです。ここで、弱い絆=ウィークタイ=弱い紐帯なのは明らかです。(続く)

2014-10-13 23:18:23
須藤玲司 @LazyWorkz

(承前)ルソーの「一般意思」を「一般意思2.0」と再定義するなど、東氏は再定義という手法を使うことがあるようです。 「弱い絆」という用語は、序章の中盤で、グラノヴェッターの用語として初登場します。その後、東浩紀オリジナル用語として再定義されているのでしょうか。(続く)

2014-10-13 23:21:46