時期はずれのインフルエンザ検査で陽性(感度・特異度・有病率・陽性的中率)
- atsushimiyahara
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10,000人いて有病率が50%、検査の感度・特異度が共に0.9の場合 |病気有り|病気なし|計 検査陽性|4500| 500|5000 検査陰性| 500|4500|5000 計 |5000|5000|10000 陽性的中率は90%
2014-10-21 17:35:56同じ条件で有病率が1% |病気有り|病気なし|計 検査陽性| 90| 990|1080 検査陰性| 10|8910|8920 計 | 100|9900|10000 陽性的中率は8.3% 検査陽性でも病気ではない例が大半を占める。
2014-10-21 17:40:11次はベイズの定理 事後オッズ=事前オッズ×尤度比 確率=ある事象/全事象 オッズ=ある事象/そうでない事象 尤度比(ゆうどひ)とは「なりやすさ likehood」 事前オッズはそれぞれ1(50%)、1/99 (1%) 尤度比=感度/(1-特異度)=0.9/0.1=9
2014-10-21 17:49:52有病率50%の事後オッズ=事前オッズ(1)X尤度比(9)=9 事後確率に直すと9/(1+9)=90% 有病率1%の事後オッズ=事前オッズ(1/99)X尤度比(9)=1/11 事後確率に直すと1/(1+11)=8.3% やはり同様に、珍しい病気では擬陽性が大半を占める事も。
2014-10-21 17:55:48愚直にも、p(Y | E) = [ p(E | Y) x p(Y) ] / { [ p(E | Y) x p(Y) + p(E | notY) x p(notY) }では (0.9X0.5)/0.5= 90% (0.9X0.01)/(1080/10000)=8.3%
2014-10-21 17:58:33大事なことを |病気有り|病気なし|計 検査陽性| a| b|a+b 検査陰性| c| d|c+d 計 | a+c| b+d|a+b+c+d 感度=a/a+c 特異度=d/c+d 陽性的中率(事後確率)=a/a+b
2014-10-21 18:13:44感度・特異度は検査の精度を示します。が、目の前にいる患者さんが陽性の場合、真に病気かを示すものではありません。 陽性的中率は有病率によって変化し、擬陽性(b)が多くなるほど低くなります。
2014-10-21 18:17:21最初の計算に話を戻すと、インフルエンザ流行期(50%の人がインフルエンザ)の場合迅速キットで要請の場合、9割真のインフルエンザ。しかし、非流行期(1%くらいしか罹っていない)たまたま検査してたまたま陽性でも、真のインフルエンザである確率は8.3%程度。身体所見で判断しましょう。
2014-10-21 18:24:03陽性的中率の求め方:陽性的中率=感度×有病率/(感度×有病率+(1-有病率)(1-特異度)) d.hatena.ne.jp/latex_alpha/20… note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n249949
2014-10-21 21:12:58有病率と陽性的中率との関係をグラフにしてみました。感度/特異度が高くても有病率が下がれば、陽性的中率は下がります。感度/特異度ともに1(100%)とう検査だと有病率が低くても百発百中ですが、そんな検査ありません。 pic.twitter.com/IMVIlJjY8Z
2014-10-21 21:36:13もう少し補足。インフルエンザ有病率が50%の場合、とある人がインフルエンザの確率は50%(事前確率)、迅速検査で陽性だと90%に上昇(事後確率)。これをベイズ統計学といいます。高校の「条件付き確率」mathtrain.jp/bayes
2014-10-22 05:51:08有病率1%の場合は、インフルエンザ検査陽性で事後確率は8.3%に上がります。ただ、急激な発熱・悪寒(さむけ)・筋肉痛・身内がインフルエンザなどという条件があれば、それだけ事後確率が上がります。要は「臨床的診断」です。
2014-10-22 05:54:43逆にインフルエンザ検査が陰性でも、各種臨床症状があれば「検査陰性はハズレ」と診断(陰性的中率が低い)として、インフルエンザと診断することもあります。
2014-10-22 06:08:51