「PCR」と呼ばれる検査法 ~~続・続・続感染症よもやま話~

エボラウイルスの検査って具体的にどういうものなんでしょう。 いつものわいたんべさん( @y_tambe)、そしてヤツメウナギのメンエキの専門家である須藤 洋一さん(@YYOI)のつぶやきを中心にまとめました。 エボラ熱関連のまとめ 続きを読む
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よよいは帰りました @YYOI

ただし、ここで問題点があって、エボラはDNAを持たず、RNAという、ちょっと違う者をもっている。なので、正しくは、RNAをまずDNAに変換(逆転写)してから、PCRする、という流れになる。この変換をするのは、逆転写酵素、という特殊な酵素。

2014-10-28 06:35:02
よよいは帰りました @YYOI

RNAはエボラだけでなく、いろんなウイルスが利用しているし、人を含めすべての細胞で、タンパク質を合成する細胞内の機械(リボソーム)に、タンパク合成を発注する『仕様書』の役割を果たしている(mRNA)。なので、逆転写酵素とPCRの組み合わせは、RNAを調べるのによく使われる合わせ技

2014-10-28 06:48:44
よよいは帰りました @YYOI

ちなみに、今おらがやってるのは、Reverse transcription-real time-PCR になるんだが、(RT)^2 - PCR とでもすればいいのか。 (メチャ)x 2 イケてる!みたいだな。

2014-10-28 07:02:08
よよいは帰りました @YYOI

エボラのRNA増やしてる人もいれば、ウナギのRNA増やしてる人もいて、PCRは今の生物学に欠かせないのです

2014-10-28 06:52:47

あ、ちょっとイメージできてきたような気がする。
ここで、私は前にゆーくぼさんに頂いた高校生物の資料集(副読本)を見たんだけど、あとで見たwikiの説明も結構わかりやすかったです。

ぶたやま@「ぶたやまかあさんのやり過ごしごはん」発売中 @Butayama3

要するに、たくさん増えたらあたり。増えなかったらはずれ。当たりなら倍々に増えていく。 だから、「連鎖反応」なのか。>PCR

2014-10-28 08:32:30
ぶたやま@「ぶたやまかあさんのやり過ごしごはん」発売中 @Butayama3

@Butayama3  えー!温度を変えるだけでこんな風に増えていくの?!ヽ(゚Д゚)ノ

2014-10-28 08:33:59

そうなの。温度を上げたり下げたりするだけで勝手に増えていくんですって!
そしてさらに続くよよいさんの説明。

よよいは帰りました @YYOI

なのでPCRは、必要なものを反応容器に入れたら、あとは機会がプログラム通りに温める冷やすを繰り返して、繰り返した分だけDNAが増える(理論上)

2014-10-28 08:43:46
よよいは帰りました @YYOI

一般的には、 1.『変性』95度で30秒…DNAの二重らせんを解けて、一本ずつになる 2『アニーリング』60度前後で30秒…プライマーと解けたDNAがこの温度で結合する。 3.『伸長』72度で30秒以上。ポリメラーゼが複製をはじめる。 これを30〜40サイクルほど繰り返す。

2014-10-28 08:51:30
よよいは帰りました @YYOI

設定は増やす遺伝子で細かく変えます。そこが腕の見せ所だったり

2014-10-28 08:52:16
よよいは帰りました @YYOI

温度買えるだけで、これだけのことが起こせるんだからすごいよな

2014-10-28 08:53:21

なんでこんなことができるか、というと、酵素である「ポリメラーゼ」に秘密があるそうなんです。

Y Tambe @y_tambe

この「温度変えるだけ」に出来るようになった、最大のポイントにして功労者と言えるのは、特別な「酵素」の発見。

2014-10-28 09:22:31
Y Tambe @y_tambe

もともとタンパク質である酵素は熱に弱い。また最初の頃にPCRに使われてたポリメラーゼは、もっと低い温度で反応するものばかりだった。95℃で変性させた後、例えば37℃くらいまで温度下げて、酵素入れて働かせる。次に95℃にして変性させると、前に入れた酵素は失活してるからまた追加して…

2014-10-28 09:27:25
Y Tambe @y_tambe

承前)これを例えば20サンプル、30サイクル繰り返すとなると、一回の実験だけで600回のピペット操作が必要という(ガクブル そこで、高温でも壊れないポリメラーゼがないものか、ということで目をつけられたのが、火山の温泉とか海底の熱水噴出孔に生息する好熱菌という細菌の仲間。

2014-10-28 09:34:11
Y Tambe @y_tambe

承前)元々、高温環境で暮らしてる細菌が持ってるタンパク質は、当然ながら、普通のものより熱に強い(でないと生きられない)。で、それから取ったポリメラーゼを使うことで、「温度を変えるだけ」で大丈夫になった。(続

2014-10-28 09:37:26
Y Tambe @y_tambe

承前)この一連の、PCR法を開発したのがキャリー・マリス( ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AD… )で1993年にノーベル化学賞を受賞。(ただ彼は「エイズの原因はHIVではない」という説の支持者でもあって…

2014-10-28 09:38:38
リンク Wikipedia キャリー・マリス キャリー・バンクス・マリス(Kary Banks Mullis, 1944年12月28日 - )は、アメリカ合衆国の生化学者。ポリメラーゼ連鎖反応 (PCR) 法の開発で知られ、その功績により、1993年にノーベル化学賞及び日本国際賞を受賞した。 ノースカロライナ州レノアで生まれ、サウスカロライナ州コロンビアに移り住み、そこで成長した。ドレハー高校を経てジョージア工科大学卒。1973年にカリフォルニア大学バークレー校から博士号を与えられた。カリフォルニア州に移り、ニューポートビーチ、その後アンダーソンバレ

ここでひとつ疑問が。
なぜわざわざRNA→DNAにしなくてはならないのか。
RNAからそのまま増やせればいいのにね。

ぶたやま@「ぶたやまかあさんのやり過ごしごはん」発売中 @Butayama3

あと、なんでRNAのままじゃだめなんだろう。 RNAを増やして当たり!だっていいじゃん。だめ? RNAはあの方法だと増えない、とか?

2014-10-28 08:54:03
buvery @buvery

@Butayama3 増殖させるのに、DNA依存性DNAポリメラーゼを使うから、DNAを鋳型にする必要があります。基本的条件として、DNAの方が安定で、RNAがすぐ壊れてしまうから。

2014-10-28 09:59:04
ぶたやま@「ぶたやまかあさんのやり過ごしごはん」発売中 @Butayama3

@buvery  そうでした。RNAは不安定だったんでした。あと、DNA合成酵素だから、RNAには使えないんですね。

2014-10-28 12:10:42
buvery @buvery

@Butayama3 「DNA合成酵素」とは不正確な言い方で、何を鋳型として合成するのかが問題です。RNAを鋳型にするDNA合成酵素なら、逆転写酵素だし、DNAを鋳型にしていれば、DNA依存性DNA合成酵素です。

2014-10-28 12:18:43