五大聖戦:第一戦闘フェイズ【第二の扉】

──激突するは瑞風と颶風。
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【狂王】アルレット @FHW_ar

扉の先、勢いよく飛び込んでいったその先に映しだされるのは先程の城内とは全く違う景色。 ―――生命を感じない、風化し忘れ去られたような荒れ寂れた街並み。 触れれば力もなく崩れ去っていく。 …このような景色は何度か見たことがある。

2014-10-27 22:02:53
【狂王】アルレット @FHW_ar

一つは逆らったから。一つは気にくわなかったから。一つは気まぐれ。 力を得、魔の王となり潰してきた数々。 「…うーん、この様子じゃ食べれるモノなんてなさそうだねぇ」 ガリ、ガリ、 屹立する錆びた建物の間を、それは揚々と歩いていた。

2014-10-27 22:03:04
【覇王】ウェスぺル @Vesper_2i

緩やかな風が夕日の髪をさらって行く。光の扉――民家の扉、天井より出でては屋根へと昇る白い影。 形骸化した町々。滅びた廃都に命はない。ただあっても地に埋もれた屍骸程だろうか。

2014-10-27 22:07:12
【覇王】ウェスぺル @Vesper_2i

宵闇、疎らな雲間から月の光が途切れ、途切れに辺りを照らして。静かな街には異形か人か、不穏も動き出すような、ありきたりな気配すらもない。 ――否。 「……」 一つ、風がこちらに向かってこようか。

2014-10-27 22:08:24
【狂王】アルレット @FHW_ar

「およ?」 風から薫る、かすかな気配。 こんな廃墟で自分以外に生物がいるとするならば、それはもう一つしかない。 その存在を確信するとそれは口角を上げ気配のする方角へ向く。

2014-10-27 22:23:53
【狂王】アルレット @FHW_ar

「やぁやぁ勇者さん、そんなとこにいないでこっちにおいでよ!話し相手がいないとつまんなくてさぁ」 警戒する様子もなく、気配に向けて大声で話しかける。

2014-10-27 22:24:02
【覇王】ウェスぺル @Vesper_2i

気まぐれに手を手を組んだり、足を組んだり。中性貌はそこはかとなくつまらなげなつもりで、傍目には一見物憂げに見えるやもしれないのは此の者の纏う雰囲気と言うか、そんなところ。 ふと気怠げに緩く吐息を吐き出して。

2014-10-27 22:28:29
【覇王】ウェスぺル @Vesper_2i

声をこちらに向けられた。見遣ればそこには宵闇に映える薄緑色。はて、と首を傾げる。 「どうも、今晩は――魔王さんでよろしいでしょうか」 小首、傾げたまま問うてみる。何とも軽い調子で、にっこりと笑顔。 「あ、これ食べます?」 懐から取り出したのはクッキーが数枚。超ライト。

2014-10-27 22:29:08
【覇王】ウェスぺル @Vesper_2i

飄々とした中性貌と声は一見してどちらの性別とも取れる、が。 「……あなたはどちらでしょう?」 目の前にいる魔王(仮)もまた、似たような気配を察して。小首を傾げる儘に問うた。

2014-10-27 22:32:29
【狂王】アルレット @FHW_ar

それの紅に映るは、夕と青の人間。 「ふふん、今晩は!挨拶できることはとてもいいことだ!そうだよ、ボクの名は颶風の魔王アルレット。アルルって呼んでね!」 気兼ねない挨拶と笑顔。敵対する者同士とは思えない雰囲気。

2014-10-27 23:03:14
【狂王】アルレット @FHW_ar

そしてそれは取り出されたものに「え、くれるの!?マジで!?やった!丁度おなかすいてたんだよね!」と喜び。 罠かもしれない。毒があるのかもしれない。 そんな事、それにとっては些細でどうでもいいことだ。 「…どちら、って何が?」 きょとん。

2014-10-27 23:03:39
【狂王】アルレット @FHW_ar

よくよく勇者を見てみれば、それとは違い見た目は人間であるとは分かるものの、性別までははっきりとは確信できない。 「男か女か?人間か化け物か?正義か悪か?…ふっふーん!そんなのどちらでもあるし、どちらでもない。些細な問題だ勇者さん。…けど、」 それは目を細める。

2014-10-27 23:03:49
【狂王】アルレット @FHW_ar

「ボクはただ、君たちと同じように生きているだけサ」 笑顔。 曇りのない、真っ直ぐな笑顔。 「それだけはただひとつの解、だね!」

2014-10-27 23:04:00
【覇王】ウェスぺル @Vesper_2i

「へぇ……風の」 ひどくひどく穏やかな互い。 「僕は、瑞風の勇者……名はウェスペル、とでも」 礼として名乗りを返す。 緩やかな弧を口元に描き微笑んで、軽く頭を下げる。明らかに偽名ですといった風な名乗りではあるものの。仕草は穏やか。

2014-10-27 23:13:50
【覇王】ウェスぺル @Vesper_2i

「じゃあ、どうぞ」 ひょい、とクッキーを投げる。毒を仕込んではいないのだけど、元より目の前の魔王は気にもし無さそうだし、それだけでは死なないような、気さえする。魔王だし。 「……それもそうですね」 少しだけ思案げに夕日色の髪揺らした。小難しい事を考えられるほど頭は良くない。

2014-10-27 23:14:05
【覇王】ウェスぺル @Vesper_2i

「『我思う故に我あり』なんて有名な言葉を人の世の偉人が残したらしいですけど、その通りですね」 なんて、頭良い子ぶって、瑞風はにこりと笑んで軽やかな声音が肯定する。其れで間違いはない。

2014-10-27 23:14:15
【覇王】ウェスぺル @Vesper_2i

「僕たち、仲良くなれると思いません?」 けらけらと笑って足を組み直した。これから殺し合いをするというに、くだらない戯言に等しいものの、相対する風ならば小粋な返しを期待できそうだったから。 「もーすこしちがう形で出会いたかったです」

2014-10-27 23:21:43
【狂王】アルレット @FHW_ar

「そっか君も!…ウェスペル、良い名だ!」 それは少し思案したようだが、変わらず笑顔のままだ。 そして瑞風より投げられたクッキーをありがとう!、と受け取りそのまま口に。 「それそれ!ボクが言いたいの!君って頭いいんだね!本とか読むのって面倒で嫌いでさぁ、諺とかさっぱりなんだよねー」

2014-10-28 00:36:28
【狂王】アルレット @FHW_ar

口にモノを含んだまま返す。 「あはは!そうだね、ボクもそう思うよ!君面白いしね!」 含まれたモノの、喉へと通し。 「今の形でも、ボクは十分満足だよ――ああ、でも、」

2014-10-28 00:37:14
【狂王】アルレット @FHW_ar

まっすぐ。それはまっすぐ笑顔のまま青を見つめ。 「…見下ろされるの、好きじゃないんだよねぇ」 そう言うと同時、瑞風の下、屋根を支えるその柱が音を立て崩れる。

2014-10-28 00:37:30
【覇王】ウェスぺル @Vesper_2i

「魔王さん……アルルさんのいるところにもあるんですね、そういうの」 意外そうに跳ねる言葉。 ぱき、と自分の分のクッキーも口に含み、飲み込んだ。 「おや、それは嬉しいです」 相も変わらぬ涼しげな笑み。音調が変わらないのに何処か語気の温度が下がる。

2014-10-28 00:47:56
【覇王】ウェスぺル @Vesper_2i

「残念」 崩れる直前に屋根から飛び降りると、地面に降り立つ。瑞風は白いコートの裾を叩いて、改めて颶風を視認する。 「何かお口直しでも、」 ――あれば良いんですが、残念ながら手ぶらです。肩を竦めて深く息を吐く。しろくけぶる、それ。口にしかけてやめた。 「なら、始めちゃいましょうか」

2014-10-28 00:56:41
【狂王】アルレット @FHW_ar

「ふふ、そうだねぇ」 風が鳴る。 それの手を纏うように渦巻く、風。 「風渦の中心はボクの支配地。ボクの意思でそこから何か取り出せれるし、渦の中に入ったモノを別の空間に閉じ込めることだってできる」 風がやみ渦が消えたその掌の中にはいくつかの棒付き飴。 それを握り瑞風に向けて投げる。

2014-10-28 02:47:51
【狂王】アルレット @FHW_ar

「さっきのお礼だ!そういうの好きかどうかは知らないけど、まぁもらうだけもらっといてよ」 お口直しになればいいけど、と声には出さず、口で付け足し、笑み。 「せいぜい渦の中心にうっかり入り込まない事だ!ふふん、仲良くなれるだなんて言ってくれた君だからこそ特別教えておいてあげる!」

2014-10-28 02:48:09
【狂王】アルレット @FHW_ar

魔王を纏うように空気が、うねる。 「まぁお互い“正々堂々”戦おうじゃないか!ウェスペル!」 瞬時、空気は荒れ狂う程に強まり、それは空へと舞った。

2014-10-28 05:58:55
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