意識の低い就活生花宮のバスケ(上)

木吉にバスケ部のっとられた結果がコレかよ!
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意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

twitter.com/Entry2Hurt/sta… 意識の低い就活生花宮の祝福 togetter.com/li/680079 twitter.com/Entry2Hurt/sta… 意識の低い就活生花宮の理由 togetter.com/li/733680

2014-11-06 19:15:06
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

登場人物紹介⑷ ──膝の悪いT大生木吉── 1浪して同じ大学に入ってきた。死ね。構内で会う度不快だ。少し前まで「なんで、私がT大に!?」の広告に出演していた。っとだぜ! なんで、お前がT大に!? バスケ部のマネージャー。……別に木吉が入ってくるからバスケ辞めたわけじゃねぇから。

2014-09-09 00:28:42
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

登場人物紹介⑶ ──影の薄い書店員黒子── オレの行きつけの本屋でバイトしてる。立ち読みしてると膝カックンしてきやがる。ウゼェ。隙あらば売れ残った就活関連書籍を売りつけてきやがる。ウゼェ。やたらキセキの話題ふってきやがる。ウゼェ。高校の時必死に友情ごっこしてたくせに友達いねーの?

2014-07-11 16:15:50

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意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「オイ、店員。レジ打て。影薄いからってサボってんじゃね…」 ステップ台に座って寝こけてる黒子を起こそうとしたところに電話がかかってきた。瀬戸の番号からだ。以前“黒子に関わるな”と釘を刺されたことを思い出す。 「…もしもし健太郎?」 「花宮! オレだ」 ……は? 「木吉ぃ!?」

2014-11-06 19:20:10
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「驚かせてスマン。花宮の番号は知らないし知りたくもないからな。瀬戸にケータイ借りたんだ」 揚々とした木吉の声にイライラする。血清カルシウム濃度がゴリゴリ下がるのを感じる。あと、健太郎シメる。 「何の用だよ」 「次の試合、花宮に監督をやってもらいたいんだ」 「他あたれ。じゃーな」

2014-11-06 19:25:04
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「待て待て。切るなよ。監督が調子崩しててさ。トシだしな。それに次の試合は順位がかかった大切な試合なんだ」 「オレはもうバスケはやめたんだよ。相田景虎かリコに頼め」 「オレとしてはそうしたいんだが、皆が花宮が良いって言うからさ。あとリコの名前を呼ばないでくれ」 「言葉の綾だろ!」

2014-11-06 19:30:03
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「お前オレを説得する気ねぇだろ?」 「正直ない。オレは選手じゃないし、オレ達の間にあったことは大学の皆には無関係だ。でも、オレは花宮にだけは頼りたくない」 巧いな。そう言われると引き受けたくなる。 「…65点。敵意をエサにするとは考えたな。だが、普段の態度とかけ離れすぎだバァカ」

2014-11-06 19:35:03
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「ははは。さすが花宮だ。一筋縄でいかないか。…ああ、瀬戸。花宮、いいってさ。急いで選手証の発行の手続き頼む」 「だからやんねっつの! 健太郎! 聞こえるか!」 クソッ。ボケてるくせに気づくとアイツのペースだ。つか、瀬戸はいつの間にバスケ部なんか入ってんだ。何もかもにイライラする。

2014-11-06 19:40:12
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「次の相手には奇妙な噂があってな」 「噂?」 「ああ。誰も知らない、試合記録もない、にも関わらず前半の数分で勝利をもたらす幻の6人目がいる──と」 「聞いたフレーズだな」 ステップ台を蹴った。 「興味が湧いてきたか?」 「全然。(黒子ならオレの隣で寝てるからな) 瀬戸に代われ」

2014-11-06 19:45:04
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「もしもし花宮? いいじゃん、“姫”が戻ってきたら皆も喜ぶよ。就活で“バスケ部に所属してます”って嘘ついてるんだろ。ここらへんで本当にしときなよ」 珍しく瀬戸の声は眠気を含んでいない。それどころか楽しそうだ。 「なんでお前はそんなにノリ気なんだよ」 「花宮監督が見たいからだよ」

2014-11-06 19:50:12

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意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「花宮君、もう閉店時間なんですが」 「ぐへっ」 いつの間にか起きていた黒子に膝カックンを食らった。 電話を切りながら黒子を見る。かなりシフトを入れているようだ。部活をやる時間があるとは思えない。 「じゃ、さっさと会計しろよ」 「『既卒就活の処方箋』…黛さんにも勧めたい本ですね」

2014-11-06 19:55:04
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「ふはっ、黛ニートかよ」 「フリーターと言ってあげて下さい。高学歴なのに勿体ないですよね。花宮君の周りにもいるんですか」 「山崎の奴、NNTのくせに彼女と遊び呆けてっから脅してやろうと思ってな」 黒子は釣り銭を渡しながら困った顔をした。 「キミの意外な一面なんて知りたくなかった」

2014-11-06 20:00:13

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意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「お待たせしました」 「遅ぇよ」 一本吸い終わる頃、裏口から黒子が出てきた。本屋の外で会うのは変な感じだ。 「あ、ポイ捨てはダメですよ。もうバスケをやる気はないんですね。良い心がけです」 「チッ。その言葉そっくりそのまま返すぜ」 「もうコートではミスディレクションを使えないので」

2014-11-06 20:10:08
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「木吉先輩の話はボクではありませんよ」 「聞いてたのかよ」 「キミの蹴りに起こされたんです。ボクでは“誰も知らない”とはいかないでしょう」 「自意識過剰だバァカ。誰もお前のことなんか覚えてねぇよ」 名声に反比例し能力を失っていった黒子の過去を思い出した。 「…心当たりはあります」

2014-11-06 20:15:06
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

黒子は自販の前で足を止めた。 「数分で圧倒できる実力、前半に使って真価を発揮する能力。ボクの知る限りでは一人しかいません」 「まさか。ウチ雑魚だぜ。ちょっと鳴らした奴なら誰でも…」 誰が来ようと潰せば同じだ。 取り出し口にバニララテが落ちてくる。 「杞憂であればいいんですが」

2014-11-06 20:20:06
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「これでも興味は湧いてきませんか?」 缶の蓋を開けながら黒子がオレを見上げた。 「…頼んできたのが木吉じゃなかったらな」 「外堀から埋めていくやり方は彼らしいですね」 僅かに黒子が口角を上げる。それイイコちゃんの笑い方じゃねぇぞ。ヤケに機嫌の良かった瀬戸を思い出して溜息をついた。

2014-11-06 20:25:04
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「花宮君、全てはキミ次第です」 街灯を過ぎたあたりで、先を歩く黒子がふり返った。次はオレに光が当たる。 「キミが誰かの為に戦うことに誇りをもてれば、キミは誰にも縛られない。キミは救世主たりうる」 うらぶれたかつての主人公は今でも惰性のように綺麗事を吐く。傲慢な献身、ムシズが走る。

2014-11-06 20:30:09
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

“花宮監督が見たいからだよ” 頭の隅に瀬戸の声が過る。 あ〜〜! クソッ! お前こそ木吉にやりこめられてんじゃねぇよ! 「チッ、今回は健太郎のせいにしてやるか」 「ボクの花宮君更正計画が一歩前進して何よりです」 「お前、将来は絶対社畜になるタイプだわ。来年せいぜい気をつけろよ」

2014-11-06 20:35:08
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「心配してくれるんですか? 優しさが1upしましたか?」 「してねぇよ!!」 「ボクにはキミの将来の方がよっぽど心配ですが」 「ハァ? 順風満帆だろバァカ」 「そういうところが、ですよ」 ──黒子の目的は、本当にオレを更正させる(やれるもんならやってみやがれ!)ことなのか…?

2014-11-06 20:40:11

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意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

駅とオレん家への岐路。思い出したように黒子は尋ねた。 「そうだ。赤司君は大学に来ていますか」 が、多分ポーズだ。言葉の置き方が態とらしい。 「相変わらず見ねぇな」 黒子は小さく溜息をついた。 「何だよ」 「…いえ。雨が上がってキミとの相合傘を免れて安心しただけです」 「あっそ!」

2014-11-06 20:45:06

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意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

togetter.com/li/743174 なーにが幻の6人目だ。バカバカしい。調べりゃ簡単に出てきた。相手校の主将は谷村祐介(1留)。神出鬼没のエースは遅刻がちで試合に間に合うことが少ないだけのようだ。 「お父さん!?」 黒子は奢ってやったバニラフラペチーノを吹き出した。

2014-11-20 19:20:09
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「汚ぇな! つかお父さんって何だよ」 黒子の顔面にハンカチを投げつけ、自分のカフェミストをテーブルの端に避難させた。 「名前が長いのでボクが付けたあだ名です。そういえば昔から“すみません遅れました”だけは流暢でした」 幻の6人目(仮)の正体は緊急来日したパパ・ンバイ・シキだった。

2014-11-20 19:25:09