紅鎮守府日記 大鳳編

0
前へ 1 ・・ 5 6 次へ
戦争さん @RAKUNYA

「さて、"トモコ"待たせたな」 「……あ、いえ。問題ありませんお兄さま」 「そうだな。まずはどこから話すべきか」 「……あの、お兄さま。お言葉なのですが」 「……なんだ? 」 「アンお姉様やジュゼ姉様、マイルズにニーナ達はどこに……」 #紅鎮守府日記

2014-10-24 00:39:41
戦争さん @RAKUNYA

「場合によっては私が――」 「いや……これはどちらかといえば、俺の領分だろうからなぁ……」 「……司令官」 「まあ、うまくやるさ。響、ちょっとあいつと二人にさせてくれ」 「……了解」 「ありがとな」 #紅鎮守府日記

2014-10-24 00:34:36
戦争さん @RAKUNYA

「どう考える」 「まず考えられるのは、学習装置の不具合による記憶の混濁。それと、あまり考えたくはないけれど、以前どこかの鎮守府にいた可能性」 「演技の線は? 」 「心音はフラット。"嘘はついていない"」 「……そうか」 「どうするの? 」 「どうするかな……」 #紅鎮守府日記

2014-10-24 00:25:08
戦争さん @RAKUNYA

「トモコ……? 」 「神……姫? 」 「……ど、どうかされましたか? 」 「……どう思う、響」 「…………いや、すまない。不安なのはわかるんだが、少しこちらで話をさせてくれ」 「あ……はい……」 「響」 「うん」 #紅鎮守府日記

2014-10-24 00:20:24
戦争さん @RAKUNYA

「"お前の名前はなんだ?"」 「私の名前、ですか? おかしなことを聞きますね? 私は――」   「フロントライン社製MMS 飛鳥型神姫の"トモコ"ではありませんか。"マイマスター"」 #紅鎮守府日記

2014-10-24 00:13:22
戦争さん @RAKUNYA

「それよりお兄さま……その体、もしや新しい義体ですか……? 」 「だからお兄さまはやめろと……なんだって? 」 「いえ、ですから、そのお体。私より少し高い目線ということは、義体……ですよね? 」 「……待て。"そこの君に"質問だ」 「はい。なんでしょう? 」 #紅鎮守府日記

2014-10-24 00:09:27
戦争さん @RAKUNYA

「…………」 「おいマジでやめろテメェ。見てみろ。俺のかわいい響が俺を屑ゴミでも見るような視線寄越してんだろうが 」 「響……新しい子ですか? 」 「新しい……子? 」 「おい泣くぞ。わりとマジで泣くぞ」 #紅鎮守府日記

2014-10-24 00:06:10
戦争さん @RAKUNYA

「いやいやいや、ちょっと待て。待ってくれ」 「司令官……どういうことだい? 」 「響。人を犯罪者を見るような目で見るんじゃない。そもそも俺を"兄"と呼び慕うような存在は――」 「ひどいですお兄さま……私とのあの熱い日々をお忘れになったのですか……! 」 #紅鎮守府日記

2014-10-24 00:03:08
戦争さん @RAKUNYA

「お兄……」 「さま……? 」 「?」 #紅鎮守府日記

2014-10-23 23:59:52
戦争さん @RAKUNYA

そして、少女は目の前の男を見つめ、"涙を流しながら"第一声をあげる。 「……お兄さま!! 」 #紅鎮守府日記

2014-10-21 03:08:56
戦争さん @RAKUNYA

薄く開かれた鳶色の瞳。ゆっくりと焦点が合わされてゆき、その視線はやがて、まっすぐに目の前の男を射貫く。 「…………あ」 空母という艦種としてはやや幼い体つきに合った、幼さの残る高い声が響く。 そして、少女の瞳はゆっくりと"歓喜"の色を帯びていく。 #紅鎮守府日記

2014-10-21 03:07:06
戦争さん @RAKUNYA

「なぁ響」 「なんだい、司令官」 「ありがとう。今、俺は最高に驚愕しているよ」 「Пожалуйста. それはなによりだ」 「あぁ、本当に」 そして、大鳳という名の少女が目を開ける。 #紅鎮守府日記

2014-10-21 03:03:48
戦争さん @RAKUNYA

提督は、呆然とした様子でまだ目覚めていない、その少女の名を呟く。 「大鳳……? 」 「そう。装甲空母の大鳳。司令官が望んでいた、新しい戦力だ」 「あ、ああ……確かに、装甲空母という戦力は大きな力になる……だが、そうか……」 「うん、"ようやく"だね」 #紅鎮守府日記

2014-10-21 02:59:58
戦争さん @RAKUNYA

そう言った妖精さんがレバーを引くと、大きなカプセルが煙を吐きながら開封される。 白い靄が立ちこめる中、出てきたのは―― 「……おい、まさか」 やや茶色がかった髪を短くまとめ、白い衣装に赤い袴のようなスカートの少女。 「Поздравляю 司令官」 #紅鎮守府日記

2014-10-21 02:57:28
戦争さん @RAKUNYA

「テイトクドノガ キマシタワー」 「ガッテンダー」 「ヨウセイノ カガクハ セカイイチー」 「あー、ではその成果を見せてもらえるか? 」 「ミテオドロクガイイ 」 「テヤンデー」 「ベランメー」 #紅鎮守府日記

2014-10-21 02:49:58
戦争さん @RAKUNYA

「ドックまで来たが……まだ教えてはくれないのか? 響」 「"楽しみは最後まで内緒にしておく"っていうのは、司令官の言葉だからね」 「……そんなことまで真似しなくともよろしい」 「似た者同士、ということで」 「やれやれ……」 #紅鎮守府日記

2014-10-21 02:47:21
戦争さん @RAKUNYA

こうした理由のため、そうそう行う物では無い『大型建造』であるが、どんな商売でも"やらなくては儲けが出ない"のと同じように、全くやらないのでは意味が無い。 今回、紅鎮守府は本国に寄るに当たって、多少の"賞与"があり、それを元に『大型建造』を行ったのだった。 #紅鎮守府日記

2014-10-21 02:44:48
戦争さん @RAKUNYA

この『大型建造』は通常建造では建造することのできない艦娘を建造できる代わりに、通常建造が最低コスト30であるのに対して最低でも1000からの資材を要求されるというもの。 さらに建造そのものの博打性が加わり、相当にハイリスクハイリターンな代物である。 #紅鎮守府日記

2014-10-21 02:42:16
戦争さん @RAKUNYA

そしてこの建造において、現時点において『建造でしか姿を現さない艦娘』その中でも特に大規模な技術を用いねば確認することのできない艦娘を"建造"するシステムとして『大型建造』がある。 #紅鎮守府日記

2014-10-21 02:31:12
戦争さん @RAKUNYA

どちらが有効であるかは議論されている。しかし、現状においては海域でしか艤装概念を確認されていない艦娘もいれば、建造でしか姿を現さない艦娘もいるため、その両方をうまく利用することが重要であるという結論に至っている。 #紅鎮守府日記

2014-10-21 02:28:54
戦争さん @RAKUNYA

この"建造"を使えば、資材の消費のみで艦娘を作成することができるが、一方で、その大半を元来の気質が気まぐれな"妖精さん"任せとするため、おそろしく成功率が悪い。 #紅鎮守府日記

2014-10-21 02:18:09
戦争さん @RAKUNYA

そしてもう一つの見つけ方が、今回の"建造"による艤装建造。 この方法は本来の、『大戦時に作られた艦その物の設計図』を妖精に渡すことによって、艤装を製作。そこに自然発生的に『艤装概念』が宿るように仕向ける。 #紅鎮守府日記

2014-10-21 02:15:41
戦争さん @RAKUNYA

『艤装概念』の見つけ方は主に2つ。 まずは海域における戦闘。 敵である深海棲艦を撃破した際に、稀に見つかる小さな金属片のようなもの。 そこに宿った『艦の記憶』を頼りに生み出す方法が一つ。 #紅鎮守府日記

2014-10-21 02:06:09
戦争さん @RAKUNYA

逆U字の右側。紅鎮守府と呼ばれる浮体移動巨大船に備えられた、艦娘の艤装を製作、建造するドック。 『艦娘とは艤装によって艦娘となりうる』 この原則に従って、まずは艤装に封入する核の部分、『艤装概念』を見つける必要がある。 #紅鎮守府日記

2014-10-21 02:00:47
戦争さん @RAKUNYA

「それじゃあ、見に行こうか」 「……どうした?ずいぶんと積極的だが」 「……あぁ、そうか。司令官、新しい子をしらないんだっけ」 「何?」 「司令官、まずはおめでとう」 「……?」 「見ればわかるよ。ほら」 「お、おう……」 #紅鎮守府日記

2014-10-21 01:55:03
前へ 1 ・・ 5 6 次へ