青い蟻#4

事務所の助手ミレイリルはある日綺麗な蒼い蟻を見つける。突然喋り出した蒼い蟻。彼は盗賊の死霊で、未練を抱えているという。彼の胸の内にある願いと、それを阻む過去の影。 この話はこれで終わりです
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「できるかなぁ……」 不安そうな顔をするミレイリルに向かって、レックウィルは笑う。「できるさ。それに、いつまでも怖いものから逃げてるだけの戦術じゃ、君もかっこ悪いだろう」 「そうですね……」 ミレイリルはショットグラスに口をつける。強い酒の匂い。香り高いフレーバー。 123

2014-11-20 18:20:46
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「情けなくスーツを一着ダメにするようなことの無いよう頑張ります!」 ミレイリルはふふんと鼻を鳴らしてショットグラスを掲げた。「言うな……これから厳しくいくからな、乾杯」 レックウィルもショットグラスを掲げて、ミレイリルのグラスに軽く触れさせ乾杯をする。 124

2014-11-20 18:26:18
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レックウィルのデスクの椅子には、ボロボロになった黒いスーツがかけられている。デスクの上には……すでに何も居なくなったガラスケースが夕陽を反射していた。 125

2014-11-20 18:31:26