ハイデガーシンポ 『存在と時間』その翻訳を巡って聴講録

 個人的には英米なので、ハイデガーは門外漢だが、素読に対する換言でテストする現代文教育では、ハイデガーから翻案された思想表現が極めて肝要。  そこで今年は『存在と時間』の少なくとも5つの和訳文(辻村、細谷、桑木、熊野、高田)を比較対照していたのだが、高田珠樹訳(作品社)が、従来訳にはない、明らかに文意を汲んだ素直な日本語訳文となっていて、日本のハイデガー受容の新たな歴史を感じさせた。  ちょうど読み込んでいた『存在の解釈学』の斎藤元基氏、池田喬氏と、訳者の高田珠樹氏がシンポをされるということで聴講。  あえて一文で要約すると、〈ハイデガーにより《換言》させられた翻訳〉といった内容であった。実況ツイートをはじめ、関連ツイートをまとめておく。 続きを読む
7
前へ 1 ・・ 4 5
大本薫 Kaoru Ohmoto @sunamajiri

その本いいよね。翻訳実践自体というならその姉妹編の柴田元幸もいいよ→ amzn.to/1xUTtZ7 ぶっちゃけ芋臭いドイツ人やねちっこいフランス人より、英米から翻案する方が、漱石でも春樹でも日本語を軽くするのだ。(続)@bezokuGon

2014-11-27 14:56:24
大本薫 Kaoru Ohmoto @sunamajiri

先日のハイデガー翻訳のシンポも、雑感facebook.com/kaoru.ohmoto/p… で強調したが、英米的感覚がハイデガー翻訳に流れてこそ、英米以上に日本語でハイデガーの言い換えが成功した、ということなんだと言えそうだしね。(続)@bezokuGon

2014-11-27 14:56:42
大本薫 Kaoru Ohmoto @sunamajiri

ハイデガーなんてドイツ人の中で一番芋臭い文を書く人だ。ルター聖書が重たすぎるのか、ライプニッツがギリシャの単語だけしか受け取れず、代数学しかできなくなったり、洗練させようとするとニーチェのニヒリズムになったり、どうも日本語には馴染まない。(続)@bezokuGon

2014-11-27 14:57:25
大本薫 Kaoru Ohmoto @sunamajiri

その点で、翻訳の実践理論は英米から来たほうが、日本語が軽くなるらしい。ただ、循環というのは形式のことだけど、機械的に形式化して人生が分かるわけでもないように、理論だけではなかなかな、言い換えとしての翻訳になっていかないものらしい。(続)@bezokuGon

2014-11-27 14:57:44
大本薫 Kaoru Ohmoto @sunamajiri

音楽ではジャズのアドリブは、意味脳の働かない統語脳的な活動twitter.com/sunamajiri/sta… なんだそうだが、そのアドリブを修得するときに、安易にジャズ理論というと手も足も出なくなる。(続)@bezokuGon

2014-11-27 14:59:21
大本薫 Kaoru Ohmoto @sunamajiri

ジャズのような無意味なフレージングは、統語脳だけの状態だという研究news.ameba.jp/20140306-615/ がありました。しかし、どうしても意味に聴こえてしまう。悲しいとか楽しいとか。日本人は音から意味を短絡してるようですね。@aoinatsunosora

2014-07-07 04:43:11
大本薫 Kaoru Ohmoto @sunamajiri

それと同じで、翻訳=換言も機械的にという人ほど、国語テストの換言で反応しかできなくなってしまう。どうやら、形式化というより、芋っぽいハイデガーが言うように、事柄自体が常にアップデートされながら言い換えられなければならないものらしい。(続)@bezokuGon

2014-11-27 15:01:19
大本薫 Kaoru Ohmoto @sunamajiri

この、解釈=換言の永続性というのは、まるでユダヤ教のラビみたいで、その点、この本のように、ヘブライの遺産に沈黙したハイデガーは、まるでユダヤ教のラビみたいだ、という解釈が出てきたりするのだ。twitter.com/sunamajiri/sta… @bezokuGon

2014-11-27 15:05:55
大本薫 Kaoru Ohmoto @sunamajiri

・・と、仏教語彙化は、ヘブルをヘレナで覆い返し、日本ではキリスト教に勝利することのように誤読した三島の擬古典文に帰着するだけだが、昨日やっと調達した『ハイデガーとヘブライの遺産』が、ハイデガーの問わなかったもの、沈黙としてのヘブルに言及していて面白い。@LitoSnowfield

2014-11-26 02:02:28
田上孝一 @tagamimp

そもそも正確に訳すと読み難くなるしね。

2014-11-27 17:46:15
大本薫 Kaoru Ohmoto @sunamajiri

去年、熊野訳、高田訳が相次いだ『存在と時間』、今度は大御所の中山元が訳をだすのか。敗戦で日本だけ著作権フリーのままだと、高田氏がいってたが。翻訳ブームなんてもんじゃないな。それにしてもハイデガーの芋っぽさって、翻訳で大いなる勘違いをしたい向きには、引力が強すぎるのかね。

2014-11-27 18:12:25
大本薫 Kaoru Ohmoto @sunamajiri

本は同時並行に数冊の癖があって、最近は夜間は転回前のハイデガー関連、深夜はなぜか経済学、そして朝にマルレーヌザラデル『ハイデガーとヘブライの遺産』amzn.to/127H8oz で爽やかな気分になっている。この本、いかに転回後のハイデガーが身近かを実感させてくれる。

2014-11-30 09:05:39
大本薫 Kaoru Ohmoto @sunamajiri

ハイデガーは本来、かなり身近だ。しかし転回前のハイデガー、つまり『存在と時間』の乱立する和訳と、和訳による換言によって転回の先取り、という話ばかりだと、たとえ身近でも、どこか遠くの話に思えてしまう。斎藤元基さんの前期ハイデガーの立論も私には夜の読書向き。

2014-11-30 09:07:37
大本薫 Kaoru Ohmoto @sunamajiri

復習すると、先日の高田珠樹氏のシンポは、ゾルゲどころか転回を踏まえて、ハイデガーが志向した換言を和訳で成就する、という問題提起だったのだが、ザラデルは転回以降の話ばかりになり、和訳により換言を果たした『存在と時間』より、はるかに身近に感じられる。

2014-11-30 09:16:14
大本薫 Kaoru Ohmoto @sunamajiri

もちろん、転回後からハイデガーを煩悶のように見下してしまうからというよりは、ハイデガーが存在論から転回後の形而上学の拡張によって迫った追想を、喩の動態として明確に取り出すから爽やかだ、ということなのだが。 pic.twitter.com/Xotn639jHi

2014-11-30 09:26:08
拡大
大本薫 Kaoru Ohmoto @sunamajiri

ザラデルは、転回の複合性を論じている。しかし、簡単な話で、プラトンによる発明とは一言一句を覚えられないから、文字や書物にするというものだ。文章どころか、一文ですら書き留めなければならない。名前以外は覚えられない。非常に身近な話なのだ。 pic.twitter.com/TkTfeNoJ0r

2014-11-30 09:44:13
拡大
大本薫 Kaoru Ohmoto @sunamajiri

高田珠樹氏がハイデガーが強いる換言的和訳が、村上春樹と似ていると語っていたが、村上春樹の作風は、自分の作品史に自己言及する螺旋のようになる。つまり自分で書いた文(章)を反芻するのが主題となるのだが、ハイデガーの転回はこうした螺旋が見事なのだろう。

2014-11-30 09:47:54
大本薫 Kaoru Ohmoto @sunamajiri

斎藤元基氏がシンポで発表した「翻訳の解釈学」とは、解釈学が言語から事柄を取り出す換言を見出す、といったものだったのだが、しかし事柄はそれだけでは記憶できない。そこで登場するのがザラデルが螺旋として取り出すハイデガーの転回なのだろう。換言は記憶の対立項だったのだ。

2014-11-30 09:59:32
大本薫 Kaoru Ohmoto @sunamajiri

ザラデルはリクールのハイデガーが無視したヘブライというテーゼからハイデガーの外部化に言及していくのだろうが、存在論から転回後に形而上学の歴史に拡張され解消される螺旋の中で、ギリシャ語よりドイツ語という動態への着目はなかなか面白かった。 pic.twitter.com/fZvYJ6VaW0

2014-11-30 10:14:50
拡大
大本薫 Kaoru Ohmoto @sunamajiri

ところで、夜は転回前、朝は転回後で、より生活感のある気分になると冒頭に語ったのだが、当然、わたしは昼夜逆転が日常なので、転倒して転回前の夜が主題になったりしているらしい。しかし、転回後から語りだすザラデルは朝の爽やかさだ。

2014-11-30 10:21:09
大本薫 Kaoru Ohmoto @sunamajiri

ツイートまとめ@FB(^-^)/ 転回後から語りだすザラデルでは、ハイデガーは朝の爽やかさだ。facebook.com/kaoru.ohmoto/p…

2014-11-30 10:29:13
前へ 1 ・・ 4 5