「フー・キルド・ニンジャスレイヤー?」#6・再放送Ver(実況なし)
「それが理由か?……それが……グググ……」ニンジャスレイヤーの邪悪な目が侮蔑じみて細まった。『笑止!』死神は言い捨てた。ニンジャキラーは突風に打たれたように後ずさった。ニンジャスレイヤーは微かに震え、何かを打ち据えるように力強く踏み出した。牙の蠢きは去った。 72
2014-12-07 01:18:49「何を……」ニンジャキラーはカラテを構え直した。ニンジャスレイヤーは踏み込む。一歩。また一歩。ニンジャスレイヤーはジゴクめいて言った。「ニンジャ。殺すべし」赤黒い眼光がニンジャキラーを射る。憎悪と意志を湛えた、暗い湖のような双眸が。「イヤーッ!」ニンジャキラーは殴りかかる!73
2014-12-07 01:25:06ニンジャスレイヤーの両腕に赤黒の炎が巻き起こった。その腕で、ニンジャキラーの燃える拳を受けた。紅蓮の炎がニンジャスレイヤーに移った。さきの戦闘の繰り返しだ……否!紅蓮の炎は赤黒の炎を侵食できない。ニンジャキラーは目を見張った。「バカな……バカな!」 74
2014-12-07 01:29:52ニンジャキラーは怒りに任せ、連続で拳を叩きつけた。「イヤーッ!イヤーッ!イヤーッ!」「イヤーッ!イヤーッ!イヤーッ!」ニンジャスレイヤーはこれをいなしてゆく。「成る程、俺の浄化の炎に着想を得て盗んだか。お前はいつもそういう真似をする」殴りながらニンジャキラーは納得する。 75
2014-12-07 01:32:21「イヤーッ!イヤーッ!イヤーッ!」チョップの連打!「イヤーッ!イヤーッ!イヤーッ!」ニンジャスレイヤーは打ち返す。闇に二色の炎が閃く。「よかろう!ならば……」ニンジャキラーの纏う炎が瞬間的に二倍にも膨れ上がった。「呑み込むだけだ!イヤーッ!」76
2014-12-07 01:36:43「イヤーッ!」ニンジャキラーの拳が止まった。その手首をニンジャスレイヤーが掴んでいた。ニンジャキラーは眉根を寄せた。その目がすぐに苦痛で歪んだ。「グワーッ!?」おお、ナムサン……赤黒の炎が手首から熾り、ニンジャキラーの纏う紅蓮の炎を食らいながら、徐々に腕を這い登り始めたのだ!77
2014-12-07 01:38:47怯んだニンジャキラーはガード姿勢を取った。「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーは抉るような大振りのフックを叩き込んだ。「ヌウーッ!」ニンジャキラーはよろめく。「イヤーッ!」逆の腕でもう一撃!「ヌウウーッ!?」ニンジャキラーは後退!「イヤーッ!」フック第三打! 78
2014-12-07 01:40:59「バカな……」「イヤーッ!」更にフック!「グワーッ!」ガードを破り、メンポを直撃する!「イヤーッ!」そしてミドルキック!「グワーッ!」脇腹を直撃!「イヤーッ!」ニンジャキラーは反撃のチョップ!ニンジャスレイヤーはこれを逸らし、「イヤーッ!」更にフック!「グワーッ!」79
2014-12-07 01:42:26ゴウランガ!なんたる苛烈かつ獰猛なカラテ・ラッシュか!赤黒の炎と異形のメンポはしかし、ニンジャスレイヤーの精神が今まさに極限の綱渡りに立たされている事の証左でもある。フジキドはナラクの邪悪な力を引き出しながら、なお、フジキドとしての自我をも強引に維持しているのだ! 80
2014-12-07 01:47:55フジキドとは即ちナラクであり、ナラクはフジキドだ。二者の領域間に壁や断崖は無い。地続きなのだ。ゆえに領域を容易く行き来してはならない。自我はフジキドのそれだが、外見、口調……表層には抑えきれぬナラクが現れる。これは禁じ手と断じねばなるまい。だがフジキドは闘う事を決めたのだ!81
2014-12-07 01:52:25ニンジャキラーは一撃ごとに強くなるニンジャスレイヤーに狼狽した。いかなるジツを用いたかと。……違うのだ。ジツではない。カラテだ。ニンジャスレイヤーが、フジキドが、拳を繰り出すたびに、僅かずつ、だが決断的に、カラテを取り戻しつつあるのだ!「イヤーッ!」「グワーッ!」82
2014-12-07 01:54:17「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」83
2014-12-07 01:54:45もはやニンジャキラーはトリイ端にまで追い詰められていた。「ありえぬ!」歪んだメンポがついに破砕し、遥か下の地面に落ちていった。「俺はニンジャを殺すのだ!その為に生まれた……」素顔が……冷えた溶岩めいた黒褐色の肌と、脈打つ炎の亀裂が、晒された。「俺は完全なのに」「スゥーッ……」84
2014-12-07 01:59:00ニンジャスレイヤーは腰を落とし、深く吸い、吐いた。深く深くチャドーした。周囲の光景が暗黒の中に消し飛んだ。(内なるソウルを御するべし)その瞬間、彼はあの日の光景を、殺戮の果てのゲンドーソー=センセイを幻視した。幻視はすぐに去る。目の前にはニンジャキラー。ただ二人だけがある。85
2014-12-07 02:03:12一方、ニンジャキラーは、この闇の中でニューロンを超加速させ、ソーマト・リコール現象を引き起こしていた。過去を探れ。この敵に勝つ方法を。誕生の瞬間を。「ニンジャ。コロス」不定形のニンジャソウルが虚無的に呟いた。(そうだ!殺せ!)セイジは紅蓮の炎に身を投じた。(力をよこせ!) 86
2014-12-07 02:05:59「AAAAAAARGH!」ニンジャキラーは炎の化身と化した。そしてニンジャスレイヤーに襲いかかった。「AAAAAAAAARGH!」両手の炎!焼く!滅ぼす!「AAAAAAAAAARGH!」「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーの拳がニンジャキラーに届いた。ジキ・ツキ。 87
2014-12-07 02:09:21「グワーッ!」ニンジャキラーは身体をくの字に曲げて吹き飛んだ。炎が掻き消え、焼け焦げたセイジは死の瞬間を自覚した。ニンジャスレイヤーはザンシンした。セイジは思い出せそうだった。「サヨナラ!」彼は爆発四散した。 88
2014-12-07 02:13:18この地に据えられた銀のオベリスクだけが、このイクサを見ていた。ニンジャスレイヤーのメンポが軋みながら形状を戻した。瞳の炎が消えた。トリイの上、ニンジャスレイヤーはザンシンしたまま、しばし動かなかった。 89
2014-12-07 02:19:56