【アナ雪】アナとチビ九尾エルサ(2-4)【パロ】

万屋和風愉菓子店@絶滅種のポンデ @yorozuya753

もう片方の手で尻尾を洗う。けれどエルサは落ち着きなさそうに尻尾を揺らして、その内手足をわたわたとさせた。 「アナ、アナ！」 「分かってるってば。ごめんね。ちょっとだけガマンしてて」 「ちがっ、いやじゃないけど、あのね、なんか……わからないんだけど、あの、なんていうか……」

万屋和風愉菓子店@絶滅種のポンデ @yorozuya753

「くすぐったいんじゃないの？」 「くすぐったいんだけど、あの……えと……あぅぅ、やぁ、はなしてぇ！」 「うわっ！」 腕の中から無理矢理逃げ出そうとする。あたしも滑って上手く捕まえてられない。けれど滑っちゃうのはエルサちゃんも同じで、上手く逃げ出せてない。とにかく取り押さえて、

万屋和風愉菓子店@絶滅種のポンデ @yorozuya753

尻尾の毛並に指を入れて洗いまくる。 「分かったってば。嫌なのは分かった。直ぐに終わらせるから大人しくして。そうしないといつまでも終わらないよ？」 腰を掴んで尻尾をゴシゴシ。あぅあぅ鳴いて逃げ出そうとするエルサちゃんは、タイルに手を付いて前屈みの姿勢から四つん這いの姿勢になった。

万屋和風愉菓子店@絶滅種のポンデ @yorozuya753

やだやだ逃げようとするエルサちゃん。尻尾も丸まっちゃってこれじゃあ上手く洗えない。 （ってかまたキュートなお尻が丸見えになってるから！） これは不味い。何が不味いって……な、何がなんだろ？　あたしだって分かんないけど、良くないのよ！

万屋和風愉菓子店@絶滅種のポンデ @yorozuya753

あたしはエルサの体を掴んで引っ張って持ち上げて膝の上に再び座らせる。でも今度は向かい合わせ。しっかりハグしてそのまま手を動かして尻尾洗いを再開した。 「あぅぅ……アナぁ、やだぁー」 戸惑うような泣きそうな声。耳に痛いし心にも痛い。ピクピク震える体をぎゅっと抱き竦めて尻尾を洗う。

万屋和風愉菓子店@絶滅種のポンデ @yorozuya753

「大丈夫だから。もうちょっとで終わるからね」 なるべく優しい声音でいうと、きゅぅんって鼻を鳴らして胸にしがみ付いてくる。尻尾の先端の方は触られても結構平気みたいだけど、根元は苦手みたい。でもここが一番洗いにくいから手こずっちゃう。

万屋和風愉菓子店@絶滅種のポンデ @yorozuya753

（それにしても……なーんであたしってばこんなにイケナイことをしてる気分になってるのかしら……） 無我の境地さん来て。早く来て。あたしの脳味噌に降り立って！　今すぐに！　ハリーハリーハリー！！ 「ぅぅ……ぐす……アナぁ」 「ぅっ……」

万屋和風愉菓子店@絶滅種のポンデ @yorozuya753

うわぁぁ……エルサちゃん顔がさっきよりもピンクになってるし！ってか体も全部ピンク色だし！！　うわっうわっ！　綺麗だし可愛いけど、でも、なんか……うわぁぁ……。 （って、見惚れてる場合じゃないから！　アナ、しっかりして！！） とか言いつつも手は的確に動き続けてるし、

万屋和風愉菓子店@絶滅種のポンデ @yorozuya753

口は「頑張って」って優しい声で紡いでるんだけどね！　日頃の訓練の賜物よね！　ありがとゲルダ！　ありがとパパンとママン！！　あたし任務遂行できそうだわ！！ 「ん。流すよ」 「ぅぅ……」 シャワーを当てて泡を流すとちょっぴり安心した顔を見せてくれた。

万屋和風愉菓子店@絶滅種のポンデ @yorozuya753

けど、トリートメントするねと言ってたら、絶望したような顔。うん。ごめんねエルサ。でもトリートメントは馴染ませるだけで直ぐに終わるからね。 「もうちょっとだけ我慢して。ね？」 喉の奥で唸る声。ぐるる……までいかないけど、心底嫌そう。

万屋和風愉菓子店@絶滅種のポンデ @yorozuya753

トリートメントのボトルをプッシュプッシュプッシュッ！　てんこ盛りで手の平にのっけて尻尾へアタック……するけどちょっと足りなかった。またプッシュプッシュっプッシュ。ヤバい。すっごい減ったわ。ボトルすっごく軽くなったわ。 （新しいの買ってあげよ。うん。それで許して貰おう……）

万屋和風愉菓子店@絶滅種のポンデ @yorozuya753

エルサの嫌々が限界に到達する前に手早くトリートメント。 「ぅぇ……ぬるぬるする……」 泣きそうな声が聞こえてあたしの心が謎の罪悪感と背徳感。そんなの幻にする為にさっと塗ってさっさと洗い流す。でもよく洗い流す。 そしてやっと任務完了。エルサちゃんは全身スッキリぴかぴかキレイキレイ。

万屋和風愉菓子店@絶滅種のポンデ @yorozuya753

あたしも自分の仕事ぶりに満足。エルサちゃんは……ちょっとぐったりしてた。 「終わったよ」 「ぅー」 「よく頑張ったね。偉いね」 耳が垂れて水が滴ってる。尻尾も垂れてタイルの上にだらん。へちゃむくれのほっぺを撫でて、反対側のほっぺには軽くキスをしたら不満そうに口を尖らせた。

万屋和風愉菓子店@絶滅種のポンデ @yorozuya753

（あ、ちゅー嫌だったかな？） 呑気な事を考えて現実逃避。触れている方が少し冷たい。先に湯に浸かっているように言うと、エルサは拗ねた顔のままタイルの上をペタペタと歩いて、我が家自慢の大きな浴槽へ向かって行った。 （さて、あたしも洗っちゃおう。早くお風呂入りたいし）

万屋和風愉菓子店@絶滅種のポンデ @yorozuya753

胸とかお腹とか足とかエルサちゃんのお蔭で泡塗れだけど、ちゃんとゴシゴシしないと気持ち悪いし。 シャワーを頭から浴びて髪にたっぷりお湯を含ませながら、体についた泡を洗い流す。シャンプーを手に取って頭皮をガシガシと擦りながらエルサを様子を窺うと、あの子は浴槽の縁に膝を付いて、

万屋和風愉菓子店@絶滅種のポンデ @yorozuya753

手を湯船に向かって伸ばしていた。 指先で湯の表面にちょんちょんと触れる。 （温度を確かめてるのかな？） たぶんそんなに熱くない筈だけど。シャンプーを洗い流して、トリートメントをさっとして。また流す。今度は体を洗おうとあたし用のボディタイルに腕を伸ばしたところで、

万屋和風愉菓子店@絶滅種のポンデ @yorozuya753

指先で湯と戯れていたエルサが動き出す。なんでかタイルをぺたぺた踏んでこっちに帰って来た。 「ん？」 椅子に座りながら首を傾げてエルサを見る。エルサはあたしを遠慮がちに見上げて来ると、 「……あのね、その……こわいから、いっしょにはいってもいい？」 そんな可愛いことを言ってのけた。

万屋和風愉菓子店@絶滅種のポンデ @yorozuya753

なんなのよ。不機嫌なんじゃなかったの？　あー、もう、可愛いんだから！ 「ふふっ。分かった。ちょっと待っててね。体洗っちゃうから」 ボディタオルを濡らしてボディソープを二回プッシュ。素早く泡立てて体を勢い良く洗う、さっきまでエルサちゃんに触れてた時とは大違い。

万屋和風愉菓子店@絶滅種のポンデ @yorozuya753

（ま、自分の体なんてこんなもんよね） ってやってたら、エルサが上腕辺りとツンツンしてきた。 「うん？　なぁに？」 「んと……せなか、あらう？」 「……え？」 「アナいっぱいあらってくれたから……イヤ？」 嫌って、そんな……そんなわけ！！ 「そんなわけないじゃない！」

万屋和風愉菓子店@絶滅種のポンデ @yorozuya753

上目遣いでおずおずと言葉を紡ぐエルサちゃんに力一杯の否定を示す。それから「じゃあお願いしてもいい？」って頼んだら「うん」って嬉しそうに頷いてはにかむもんから、あたしもうそれだけで逆上せそうだなって思った。 ボディタオルを渡すとエルサちゃんはとててっと背中に回って、

万屋和風愉菓子店@絶滅種のポンデ @yorozuya753

両手で背中を洗ってくれた。ゴシゴシ。ゴシゴシ。背中を擦る音に混じって「痛くない？」と不安そうな声が後ろから聞こえる。もうちょっと強くてもいいよ～と答えると、ほんのちょっぴり強くなる力加減。なんだかとってもくすぐったい。 背中を洗って貰ったらルンルン気分が加速した。

万屋和風愉菓子店@絶滅種のポンデ @yorozuya753

鼻唄混じりにシャワーを浴びて泡を流してキレイさっぱり。よっしっ。お風呂よ、おーふーろ♪ 立ち上がってエルサと一緒に湯船に向かう。先に湯船に入って、おいでと両手を広げる。けれど湯船の縁でもじもじしちゃってなかなか来てくれない。仕方ないから抱っこして、一緒にゆっくりと湯の中に沈んだ。

万屋和風愉菓子店@絶滅種のポンデ @yorozuya753

抱っこしたまま肩まで浸かる。あったくて気持ち良くて、自然と、 「はぁ゛～～～」 っておっちゃんみたいな声が出た。我ながら可愛くない声だなって思った。あーぁ。エルサちゃんも思わず吹き出してるわ。 「ふふっ。アナ、へんなこえー」 「えー。しょうがないでしょー。気持ち良いんだから」

万屋和風愉菓子店@絶滅種のポンデ @yorozuya753

エルサちゃんも肩までちゃんと浸かって。って言いながらエルサの肩を湯の中に沈める。お湯の中で金色がゆらゆら。エルサの髪と尻尾。お湯の中で優雅に揺蕩ってて神秘的で幻想的だった。 （あ、髪まとめるの忘れちゃった。ま、いっか） でも髪の毛傷んじゃうから良い子は真似しないようにね。

万屋和風愉菓子店@絶滅種のポンデ @yorozuya753

（あたしも次からは気を付けます。エルサちゃんの髪ちゃんとまとめてからお湯に浸かります） 誰にともなくひっそり誓って、お風呂の中で足を存分に延ばす。腕も天上に向かって伸ばす。筋肉の繊維までお湯が沁みるようで気持ち良い。