【アナ雪】アナとチビ九尾エルサ(2-4)【パロ】

万屋和風愉菓子店@絶滅種のポンデ @yorozuya753

そうやって伸びをしたら支えを失くしたエルサがちょっと慌てながらあたしの胸にしがみ付いてきた。 「大丈夫だって。深くないんだから溺れやしないわよ」 「ぅ、うん……」 あたしの言葉に頷くけれど、尻尾が湯の中で不安そうに丸まってた。

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確かにこのお風呂はちっちゃなエルサちゃんにとっては大き過ぎるのかも。家族みんなで入っても余裕がある程度には広いしね。 壁に寄り掛かって小さない体躯を抱き直す。エルサはあたしの肩に顎を乗せて、細い吐息を吐き出していた。 「あったかくて気持ち良いね」 「……うん」 微睡むような声音。

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可愛いなって思いながら背中を撫でると、くぅんって鼻を鳴らした。丸まっていた尻尾が解けてお湯の中でゆらゆら。リラックスしてきたみたいで、しがみ付いていた手から力が抜けて来た。 ちゃぷちゃぷお湯が揺れる。寝ちゃいそうなくらいに心地良い、いい湯。

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でもあたしの視界へ不意に鈍い色が映り込んで、その気分に水を差された。 エルサの首と両手首と両足首にぴったりとハマったまんまの枷。お湯の中で撫でると、エルサが顔を上げた。 「……これ、どうやって取ろう」 エルサはその内大きくなるけど、枷のサイズは変わることはない。

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早く取ってあげないと間違いなく成長の阻害になる。 （それに、能力を使う度にあんなにボロボロになってたら……いつか……） 嫌な想像が過って背筋が寒くなった。 この枷はエルサの能力を制限する物。氷と雪を操る能力を使う度に、エルサ自身へ牙を剥けるようにプログラムされてる物。

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もしかしたら他にも秘密があるかもしれないけれど、今分かってる事はこれだけ。とにかく早急に手を打たないと。 （あとでお父さんに相談……あー、報告書やんなきゃ。書類は今夜片して、それで明日はバピーのとこに行って） ついでにクリストフにも会っとこ。エルサちゃんを紹介してあげなきゃね。

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「アナ……これ、はずれなくてもいいよ」 「……へ？」 また何言い出すんだろ、この子は。って視線で見ると、少しおどおどした態度を取って俯いてしまった。 「あのね、だってこれ……はずししゃいけないようなきが、して……」 「なんでそんな……」

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「だってこれ……わたしがわるいことしないようにって、そういうものでしょ？」 困っているように眉尻を下げてエルサが言う。早く取らなきゃって内心で少しだけ焦ってるこっちの気持ちなんて欠片さえ分かっていないようなエルサの発言に、あたしは目を見開いた。

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あと、そんな風に思ったこと自体があたしにとっては不思議過ぎだった。ん？　でも待って。もしかして…… 「エルサちゃんってさ、束縛されると安心するタイプ？」 そういうのなのかな？　まぁ、イヌ科だとは思うから首輪とか好きかもしんないけど。

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エルサは軽薄でふざけているとしか思えないあたしの言葉に案の定「ぅ？」と小首を傾げてた。あはは。ですよね～。 「ごめん。今言ったのこと忘れて。それでゲルダには内緒にしといて」 「？　うん」 エルサが妖称してくれたのを認めて、あたしはため息を吐きながらお湯の中に沈む。

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顔半分くらいまで沈んでブクブク。口から吹き出された空気が気泡になってエルサちゃんの顎先を撫でて行った。 「とにかく。エルサちゃんがどう思おうがあたしはソレ外したいの。だから外すの！」 お湯の中に口を入れてまま言ったらボコボコ空気が弾ける音しかしなくて言語になってなかったけど。

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でもエルサちゃんが楽しそうに笑ってたから、あたしは良しとした。 尻尾洗うのが結構大変だったけど概ね楽しかったバスタイム。 でももっと大変なのはお風呂から出た後だったってというのを、この時のあたしは微塵も思ってなかった。 . . . ＊＊＊ [２-5]に続きまする( ˇωˇ )