障害物を破砕せよ! ロケット戦車小話~カナダの装甲車・シャーマンチューリップ・向かいの建物からカチューシャ・アメリカ工兵戦車

ロケット弾を装備した戦車についての小話を幾つか ・カナダ軍の60ポンドロケット付スタッグハウンド装甲車 ・英軍のシャーマンチューリップ ・(脇道)ベルリン戦の赤軍の「向かいの建物からカチューシャ」 ・アメリカ工兵戦車のロケット
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えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

37mm砲しかないスタッグハウンドが自前の火力を求めて60ポンドロケットを積みたくなるのはまだわかる。では、75mm砲がついてるはずのシャーマンに同じロケットを2発だけ付けた「シャーマン・チューリップ」なる改造があるのは何故なのか? 残念ながら私も知らないのです

2014-12-21 20:41:59
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

ただ、想像してみる事はできますので、ちょっと考えてみましょ。うさんくさいお話にはなりますが

2014-12-21 20:50:30

(少し脇道)米軍戦車の7.2インチロケット

えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

ロケット弾搭載のシャーマンと言っても、幾つかの部類に分けられます。一つはT34カリオペが有名な、4.5インチ M8ロケットを積んだ系統。これは弾頭が2kgちょっとしかなく軽めですが、射程は4km少々で長め。数が積めるので面制圧に良し pic.twitter.com/mHMZ0dcO2H

2014-12-21 20:54:31
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えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

もうひとつはT40やT73のような7.2インチ“デモリション・ロケット”を積んだ系統のシャーマン。名前からも想像つきますが、こいつがどういうロケットなのかは当時の宣伝フィルムを見れば一発です youtube.com/watch?v=GRxCa_…

2014-12-21 20:57:48
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えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

この動画の7分あたりからも詳しく紹介されてますが youtube.com/watch?v=crnJFM… 7.2インチ T37“デモリション・ロケット”は射程が270mしかない代わりに重量は28kgもあり、そのうち15kgが炸薬。炸薬量だけ見れば203mm榴弾砲並で、障害物破砕に最適

2014-12-21 21:08:47
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脇道おわり

えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

で、シャーマンチューリップが積んでたロケットはと言うと。英軍のRP-3ロケットには弾頭に幾つかの種類があるのですが、見た感じタイフーンやらがよく積んでた60lb SAP No2 Mk.Iのようです pic.twitter.com/LAjJLfstnG

2014-12-21 21:19:12
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えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

60lb SAP No2 Mk.I弾頭はSAPつまり半徹甲弾、言い換えると徹甲榴弾です。HEATじゃないんですね。弾頭重量は27.3kgで炸薬量は5.45kgですから、弾頭は5インチ砲弾並だし、炸薬量は150mm榴弾砲のそれに匹敵 pic.twitter.com/nh11UDB2Dr

2014-12-21 21:22:26
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えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

こんな大威力の徹甲榴弾ロケットを2発しか積んでないのがシャーマンチューリップなわけですから、まず直射向き。2発じゃ戦車サイズの的にはまず当たらんでしょうから、近距離から建物に撃ち込む用途になってきそうです。その場合、破壊力は150mm級榴弾砲のそれに近そうだとも想像できます

2014-12-21 21:26:49

(脇道)ベルリン戦の赤軍の「向かいの建物からカチューシャ」戦術

えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

至近距離から建物に大威力ロケット弾を撃ち込んだ場合の効果については、ベルリン戦のソ連軍が教えてくれます。彼らは132mm M-13ロケットや300mm M-31、あるいは独軍から鹵獲した280mmロケットを木枠や簡易な発射機を用いて30~150mという至近距離から射撃しました

2014-12-21 21:33:28
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

通りの反対の建物から大型ロケット弾を撃ち込む戦術の効果として、標的となった建物を一瞬で完璧に破壊し、敵兵に再配置・退却するチャンスを与えず一気に殲滅できる。また、不意の完全な破壊により敵の士気に大きな影響を与えることができる……と、ベルリン戦における赤軍は報告しているようで

2014-12-21 21:38:11
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

同時にこの戦法の難点として、ロケットを撃てる場所まで運ぶことの難しさが触れられてます。敵兵の銃撃の危険のために、トラックでロケットを運べるのは1km程度まで。あと900mは手で運ぶしかなく、それを察知されてもいけない。130kgの荷物を人手で静かに運ぶのです

2014-12-21 21:43:05
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

銃火の下で通りの向こうにロケットを運ぶには特に困難があったようです。積んだ木枠に紐を結び、まず兵士達が走って横断し、そのあと紐を引いてロケットを引き寄せる、その際、木枠にはレンガをくくりつけておいて敵弾からロケットを守るなど、現場の並々ならぬ工夫が見えるようで

2014-12-21 21:46:44
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

ええと、話が脇道に逸れました。ともかく、大威力ロケット弾を至近距離から建物に撃ち込むというのは選択肢として魅力的だけど、それを人手で実行するのは結構大変という訳です。60ポンドロケットを二発だけ積んだシャーマンチューリップはは、その実行手段の一つなのかなあと想像できるのですね

2014-12-21 21:50:06
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

ちなみに赤軍の132mm M-13ロケット弾は弾頭重量22kg 炸薬量4.9kgですから、27.3kg/5.45kgの60lb SAP No2 Mk.I弾頭つきRP-3の方が若干強力です。まあ300mmだの28cmだのの馬鹿ロケットには及ばないでしょうが、並の建物にはきっと致命的

2014-12-21 21:57:37

脇道おわり

ChurchillMKIII @ChurchillMKIII

@FHSWman 横から申しわけありません。 英近衛機甲師団(コールドストリームガード)にいた人の手記によると、 このカナダ軍の話を聞いて、それを戦車に搭載したらどうか という単なる思いつきが経緯のようです。 ただ、2発だけという理由に関しては記述が見当たりません。

2014-12-21 22:17:50
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

@ChurchillMKIII hmm... 思いつきにしても、何に使うつもりとか、何かしら理由がありそうな気もするですね。ただ「つよそう」という理由とは行かんでしょうし

2014-12-21 22:22:46
ChurchillMKIII @ChurchillMKIII

@FHSWman 今のところ必要性に迫られていたというようなことに ついては書かれていないですね。 しかし、試射テストは満足いくものだったらしく、損傷した家屋にテストで 撃ったところ、それを完全に吹き飛ばしたという話でして。 対して75mm砲で同等の効果が得られたかどうか?

2014-12-21 22:31:55
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

. @ChurchillMKIII そのテストからすると、ともかく建物を標的として想定していそうですね。赤軍曰く、小口径砲の複数回射撃で建物を崩しても大型ロケット弾で一気に崩壊させた場合のような殲滅効果・士気効果は得られないとしているので、75mm砲で同じの効果は望めなさそうです

2014-12-21 22:37:28
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

「子曰く」と言うかの如く「赤軍曰く」を使ってる気がする

2014-12-21 22:39:33