「集合知」から「編集知」の時代へ

自分のつぶやきをまとめました。電脳マヴォ編集長として、日頃考えていることです。 電脳マヴォ http://mavo.takekuma.jp/index.php
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竹熊健太郎《Aタイプ》 @kentaro666

グーグル解析によれば電脳マヴォの読者層は20代後半から30代前半が一番多いです。54歳の私の作っている雑誌なので40〜50代にボリュームゾーンがあると思っていたのですが、その世代はあまりネットをしていないのかもれません。 pic.twitter.com/U5DLfKDmek

2014-12-27 17:01:53
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竹熊健太郎《Aタイプ》 @kentaro666

「雑誌は読者のために作るもので、個人の趣味で作るものではない」という意見は承知しています。しかし、今くらい雑誌が売れなくなってくると、逆にマスを相手にする発想が限界に達していると思うのです。「自分の趣味」がどれだけの読者層にリーチしているかを考えた方が、むしろいいかもしれません。

2014-12-27 17:14:00
竹熊健太郎《Aタイプ》 @kentaro666

20代のお客が意外に多かったからと言って、54歳の私が20代をターゲットにした雑誌を作ろうとは思いません。今の10代・20代が読む漫画には付いていけませんし、無理に合わせようとしても見透かされるだけだと思います。むしろ私が10代20代の頃に影響を受けた漫画を載せていきたいですね。

2014-12-27 17:29:30
竹熊健太郎《Aタイプ》 @kentaro666

私はマーケティングを好みません。商品によってはマーケは有効だとは思いますが、漫画のような創作物とマーケのような客観判断は相性が悪いように思います。作家も編集者も、「自分が面白い作品は読者にも面白い筈だ」という「思い込み」がなかったら、やってはいけない商売ではないかと思うのです。

2014-12-27 17:35:08
竹熊健太郎《Aタイプ》 @kentaro666

ネットには「集合知」の神話があります。集合知は「より多くの人間が選ぶ知識や解答が、より正しい」という一種のマーケティング的発想だと言えます。グーグル検索はこの考え方をとっています。つまり、より多くが検索した情報を上位に置くことで、無駄な検索の手間を省くのです。

2014-12-27 17:49:27
竹熊健太郎《Aタイプ》 @kentaro666

しかし「集合知」が絶対かと言えば、私は疑問を持っています。なぜなら多くの人間が「間違った解答」を選ぶことは、ザラにあるからです。ナチスが民主的に政権を獲ったことは、その最たる例です。したがって集合知はベターな解答を得るには適しているが、ベターがベストとは限りません。

2014-12-27 17:55:02
竹熊健太郎《Aタイプ》 @kentaro666

ネットはプラットフォームだけが異常に発達していて、メディアはないとは言わないが、貧弱です。ツイッターもピクシブもYouTubeもプラットフォームであって、メディアではありません。コンテンツを膨大に集めて配信するプラットフォームなので、「独自の情報や意見」を持つわけではありません。

2014-12-27 18:05:39
竹熊健太郎《Aタイプ》 @kentaro666

ニコニコ動画は自前のニュースを独自に取材して配信してますから別格。大部分のプラットフォームは、コンテンツはタダで集まってくると思ってます。実際、殆どのSNSでは原稿料は出ません。電脳マヴォも原稿料は基本無料ですが、いいことだとは考えてなく、いずれ改善したいと考えています。

2014-12-27 18:11:26
竹熊健太郎《Aタイプ》 @kentaro666

なぜなら電脳マヴォはプラットフォームではなく、メディアだからです。投稿された作品を無編集で載せればプラットフォームと言えるかもしれませんが、どのコンテンツを載せるかどうかは編集長の私が吟味して決めます。この一点で、マヴォはメディアであると胸を張って言えるのです。

2014-12-27 18:18:11
竹熊健太郎《Aタイプ》 @kentaro666

私はネットビジネスはプラットフォームからメディアの時代へと移行していくと考えています。即ち編集者の介在です。個性的な編集者が個性的な著者を集めて個性的なメディアを創る。すでにその萌芽は始まっていますが、まだおっかなびっくりだと思います。マネタイズがうまく行ってないからです。

2014-12-27 18:22:52
竹熊健太郎《Aタイプ》 @kentaro666

電脳マヴォは年明けの1月24日に丸4周年になります。収益をほとんど上げておらず、原稿料も満足に支払えない貧弱なメディアが、なぜ4年も続いたのかと言えば、ひとえに「お金をかけてない」からです。出版社やIT企業が運営しているネット雑誌に比べれば数十分の1のお金で運営しています。

2014-12-27 18:42:46
竹熊健太郎《Aタイプ》 @kentaro666

お金をかけてないがゆえの編集の自由度があり、それが電脳マヴォの個性を保証していると言えますが、当然、限界はあります。収益がほとんどなく、原稿料が原則出せないということは、人気作品の連載がさせられないということです。マヴォの作品で何年も中断している作品があるのはそのためです。

2014-12-27 18:48:35
竹熊健太郎《Aタイプ》 @kentaro666

来年はマネタイズを本気で考えたいと思います。グーグル広告は現在のマヴォのアクセス数だともう1桁上がらなかったら、まともな収益にはならないでしょう。収益を上げるためにはアクセスを増やす必要があり、それにはまともな原稿料を払っていい作品を揃える必要があります。結局、資本が必要です。

2014-12-27 18:54:40
suzuki @suzuki_estrelas

@kentaro666 読者やリスナーの私たちにとっては、選択の時代になったと言えると思います。iTunesで皆だいたいアルバムでなくて曲を買うし、Kindleは一応まぁ本全体ですが、例えば青空文庫では作品ごと。ですから、払いたい人が払う、という選択肢を用意しても。私は払います。

2014-12-27 23:21:06
竹熊健太郎《Aタイプ》 @kentaro666

@suzuki_estrelas 選択の時代はその通りなのですが、選択する上での「オススメ」があるといいですよね。その「オススメ」を私は「編集知」と呼んでいるのです。

2014-12-27 23:26:12
リーザライス @leezzarice

@kentaro666 ネットがない時代、「ぴあ」より「シティロード」のほうが上等だ、という意見がありました。自分は、当時からフラット化みたいな考え方が好きでしたので、なんか微妙な意見だなーと思ってましたが。

2014-12-28 00:18:17
竹熊健太郎《Aタイプ》 @kentaro666

@leezzarice 興味深い提言です。確かに私の提起した問題は、情報量で押した「ぴあ」と、編集力で押した「シティロード」の80年代情報誌戦争になぞらえることができます。結果は「ぴあ」が勝利しましたが、そのぴあは、インターネットの圧倒的な情報力の前に敗れ去ったのです。

2014-12-28 00:21:43
竹熊健太郎《Aタイプ》 @kentaro666

@leezzarice 「量」で押すには紙雑誌には限界があり、ページ数ほぼ無制限のネットに敗れるしかなかったわけです。しかしネットには今度は「情報量が多すぎる」欠陥があります。検索しなかったら使いこなせません。そこで代わりに検索してくれる編集者が必要になると思うのです。

2014-12-28 00:25:52
リーザライス @leezzarice

なるほど @kentaro666 ネットには今度は「情報量が多すぎる」欠陥があります。

2014-12-28 00:47:03
竹熊健太郎《Aタイプ》 @kentaro666

@leezzarice 80年代「ぴあ」と「シティロード」の情報誌戦争は「量のぴあ」が勝利しましたが、90年代に入って「東京1週間」や「東京ウォーカー」などの地域密着・セレクト型の情報誌が出てきました。「ぴあ」と「東京1週間」は休刊しましたが、「東京ウォーカー」は生き残ってます。

2014-12-28 00:53:40
竹熊健太郎《Aタイプ》 @kentaro666

.@leezzarice 結局、あまりに情報量が多いと、一般の読者は何をどう読めばいいのか分からなくなるのです。そこで多くのプラットフォームは「ランキング」を掲示しています。より多くの人が閲覧した作品をランキング表示することで、「何を見るべきか」のガイドにするわけです。

2014-12-28 00:58:06
リーザライス @leezzarice

その発想というか手法はジャンプのアンケート至上主義に近いんですかね。閲覧数が多いのと売れるのは微妙に違うような気もするけど @kentaro666 より多くの人が閲覧した作品をランキング表示することで、「何を見るべきか」のガイドにする

2014-12-28 01:04:59
竹熊健太郎《Aタイプ》 @kentaro666

.@leezzarice ランキングこそは集合知の最たるものです。歌謡曲のベストテンは、単に売れているからランクインしているだけで、「一番いい音楽」であることを保証するものではありません。自分にとってのいい音楽は、結局自分が決めるしかないのです。しかしそれにもガイド役は必要です。

2014-12-28 01:07:13
竹熊健太郎《Aタイプ》 @kentaro666

.@leezzarice 「ガイド役」に相当する者が編集者であり、評論家・レビュワーと呼ばれる存在です。町山智浩さんなどは、映画レビュワーとして権威がありますね。彼がオススメする映画なら見てみようと考える読者は大勢います。権威あるレビュワーは、物の見方を提示できる人のことです。

2014-12-28 01:12:38
HIROTA SELECTION! vol.14 「動止フォトグラフ EF58+」発売!! @TETSUHEN

うーん、うなづくとこ多いよな。 “@kentaro666: まとめを更新しました。「「集合知」から「編集知」の時代へ」 togetter.com/li/762701

2014-12-28 01:50:00