「千の想いを」~番外編・天城がいた頃/夏の日(#5)~
- mamiya_AFS
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@tiyodadayo ……ボクは疲れたからもう寝るよ、ご飯は部屋の前に置いといて(そう言って自室とは反対方向の射撃場に向かい
2014-09-07 17:45:21武器を背負ったまま立ち去っていく最上に赤城が声を掛けるが、相手は立ち止まる事もなく。その肩に手を置いて優しく静止させる。 「いいの、赤城さん。今はそっとしておいてあげて?」
2014-09-07 18:09:01「あら。ご一緒できませんの? 天城さんと2トップを組んでいらしたという間宮さんからもお話を聞きたかったですのに」
2014-09-07 18:11:08高雄が着任した時点で前線で働いていない異例な艦娘間宮を見詰めて微笑む。 鎮守府が設立された当初の『最初の6人』の1人で、メンバーで残っているのは天城と間宮だけである。 出撃した際には小破どころかかすり傷1つ負った事が無い、という噂が流れていて天城とは別の意味で伝説化していた。
2014-09-07 18:14:56傷1つ負った事が無い等と、信じるにも値しない話ではあるが、旗艦になってから調べたところ、確かに間宮の出撃記録は何度か残っているのだが入渠履歴が一切無いのも事実だった。天城ですら中破を何度も経験しているというのに、だ。
2014-09-07 18:17:32@tiyodadayo 私も…、間宮さんのお話し気になりますっ 姉さんもよく「頼りになる相棒」みたいなことを言っていましたけど、きっと間宮さんのことですよね?!
2014-09-07 18:15:48@tiyodadayo 2トップと言っても私が引っ付いてただけなんだけど…。んー、ちょっと様子を見るだけだから、その後ならご一緒しようかしら。
2014-09-07 18:16:27それ程の実力の持ち主であるのならば、どうして戦わずにのんのんと食堂でお菓子作りをしているのか。何か深い事情があるのは間違いないのだが、それは天城や提督に尋ねてみても教えてはくれなかった。
2014-09-07 18:21:24「お待ちしておりますわ間宮さん。赤城さんがいるからすぐにご馳走様できませんし。それじゃ、行きましょうか赤城さんに金剛さん」 食事の話が出た途端に元気そうに歩き出した赤城の姿だけは、やはり天城の妹なんだなという印象は持てた。 歩きながら高雄は静かに考える。
2014-09-07 18:23:44赤城の才能は今日の時点で見えた。充分過ぎる程に戦力となりえるだろう。 彼女の性能はそのまま金剛や最上の負けん気にも拍車を掛けるだろうし、全体の能力の底上げや士気にも問題無い。何を考えているのかわからない部分がある姉妹は置いておいて、艦隊としては万々歳の状況と言える。
2014-09-07 18:26:31嬉しそうに歩く赤城を眺める。 嗚呼。やはりあの天城の妹は天才であった。否定しようもない。 高雄が笑顔のままに胸中で違う笑みを浮かべる。
2014-09-07 18:28:11