「東京を考える、語る」川俣正 × 吉見俊哉

TOKYO ART SCHOOL 特別企画 川俣正 東京トークシリーズ「東京を考える、語る」 3月3日(水)14:00-16:00 川俣正 × 吉見俊哉 @TSAKUTAさんの実況まとめ
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@TSAKUTA

川俣「若者の場ということに戻すと、突然その場に何かが生まれるといったようなことがむしろポリティカルに成り得るかもしれない。少数の中で同時多発的に見えないアクションが起こり、そこである種のポリティカルに持っていけるものがあるのではないか」

2010-03-03 15:00:32
@TSAKUTA

川俣「そのためには、監視からどう逃れるか、東京の中でどこまでプライベートを維持出来るか。見えないポリティカルなネットワーク、視線をどう組み立て、あるいはそこから逃げて行く、それが何かをしかけるときに問題になる」

2010-03-03 15:01:54
@TSAKUTA

吉見「ここのように廃校になる学校はどんどん増えて行く。やがて高校、大学でもそうなるだろう。大学は戦後最初は48しかなかったのが米軍により200ほどに増え、70〜80年代に500くらいに。その後出生率は低下しているが大学は増え続けている。だから入る人を探さなければならない」

2010-03-03 15:04:18
@TSAKUTA

吉見「大学もマーケティング、広報が必要になる。「お前は東大だからそんなこと言えるんだ、傲慢だ」と言われるかもしれない。東京は学校制度の中心でもあるが、そこにも穴が空いてくるかもしれない。東京、日本に欠けている「パブリック」の可能性につなげるためには空洞を埋めるのではなく使うべき」

2010-03-03 15:06:43
@TSAKUTA

川俣「大学の様々な学部の増加ということは、大学という概念の変化ともつながっている。大学と学校の隙間みたいな、パブリックな場所とプライベートの隙間みたいな、そういう可能性が言われている。教育の内容も変わらざるを得ないが、東京も空洞化しつつ機能を変えて行く。果たしてこの先は?」

2010-03-03 15:09:31
@TSAKUTA

吉見「東京の人口も減ってきていて、外国人比率は増えてきている。」川俣「「日本人」をどう考えるか、日本はあまりにも日本人しかいなさすぎたということもあるのかもしれない」吉見「ヨーロッパの都市ではもう何度も空洞化を経験してきていて、東京ははじめてかもしれない」

2010-03-03 15:11:28
@TSAKUTA

川俣「パリでは空いている建物があるとみんな外国人が入って住んじゃう。いわゆるスポッター。一斉検挙もできるがしない、なぜなら住民との間でルールを作り、警察が来たら住民がマイノリティであるスポッターを守るようになっている。このゆるさで、何十年も続く」

2010-03-03 15:12:49
@TSAKUTA

川俣「住民がマイノリティを追い出さないのを正義だという。スポッターが何十年も住んでいると、そこを綺麗にして、人に貸したりしてビジネスを始めて行く。そういうことがあって、契約関係のことは国と交渉してたりするが」

2010-03-03 15:14:10
@TSAKUTA

吉見「メキシコにもそういった場所がある。タクシーの運転手達が一斉に不法占有して住みだしたりする。検挙も可能だが、裏で行政に手を回しておく。選挙で電気、道路、水道など生活インフラを引いてくる。メキシコでは盗電も日常茶飯事だが、半分合法、半分非合法という形で住む場所を確保する」

2010-03-03 15:16:29
@TSAKUTA

吉見「行政も全体としてみれば住環境の整備を低コストでやってくれるという側面もあるので、あいまいに許容している。その住民は、メキシコには"制度的革命党"という語義矛盾みたいな保守政党があるのだが、そういうところの支持基盤になっている。」

2010-03-03 15:17:53
@TSAKUTA

川俣「日本では有りえないけど、ある種の倫理観があるのではないか。パリでも、不法でも住んでいる人がいるほうが空き家より物騒ではないという感覚もある。日本はきれい好き、潔癖、決まりを守る、法的なすき間がないようにしている」

2010-03-03 15:19:25
@TSAKUTA

吉見「ヨーロッパでもどこでも上からの権力というのはある。ところが日本ではそういうのではなく、普通の人達がみな潔癖で、官僚たちだけではなく、規則通りやらなきゃいけないと思ってカチッと動いているところがある。そこに警察、公安的なものが働く」

2010-03-03 15:20:49
@TSAKUTA

吉見「生きた公共性が作られる前に所与の公共なるものができてしまう、そこにはマスコミも大いに責任がある。融通無碍な公共性というものが生まれない」

2010-03-03 15:21:34
@TSAKUTA

川俣「自己規制のせいでダイナミズムが感じられなくなっている。それが衰退や体験の散逸に向かい、それで表現が難しくなっている」

2010-03-03 15:22:50
@TSAKUTA

川俣「ヨーロッパでは流通している情報が違う。例えばマスコミの写真の出方が違う。日本の新聞ではハイチの地震でも人が死んでいるような生々しい写真はでない。また、フランスではアフリカの情報が詳しい」

2010-03-03 15:24:18
@TSAKUTA

吉見「日本ではアジアの報道が少ない。また北朝鮮や中国東北部の報道も極めて一面的、自分は詳しくないけどもっと違うアプローチがあるはず。伝える力がない。80年代までは細かいことを考えなくてよかったので弱体化、メディアが衰退したのかも。」

2010-03-03 15:25:51
@TSAKUTA

川俣「今回日本に来る前にアブダビにいっていた。現地で流通している情報はまた(東京ともパリとも)全く違う。こんどグッゲンハイム美術館やルーブルの分館が買われてくるが、30年前までは砂漠だった。不思議な、蜃気楼みたいな感じがした」

2010-03-03 15:27:59
@TSAKUTA

川俣「だんだん東京も歴史からはずれたり場としての力が希薄に、均一になってき、しかし監視の視線が覆っている、そんな感じがする。みんないつかカタストロフィーというか、そういったものがくるのではないかと思っているようにと感じる。東京の街(の永続性)を誰も信じていないんじゃないか」

2010-03-03 15:30:11
@TSAKUTA

吉見「メキシコの田舎で新聞を読んでいると、はじめてなんとなくアメリカとメキシコの関係を感じられた。アジアと東京の関係を考えるときも、じつは東京がアジアを見るのに一番良い場所とは言えないかもしれない」

2010-03-03 15:32:19
@TSAKUTA

吉見「そうはいっても東京はアジアで一番影響力がある都市だし、色んな人がやってきて、違う見方が内在しているはず。やがて東京に空いた様々な隙間からあたらしい眼差しが、東京を壊して行き、そうなったときに面白い場所になるのではないか」

2010-03-03 15:33:01
@TSAKUTA

ここから質問。「どこかで"都市の周期"という話を聞いたことがある。浅草などイースト東京の地域にいったん置いていかれた街に人がどう入ってくるか、新しい人と古い人が半々なのは面白いのでは。東京の西側は新しいことが起こる気配がないので気になっている。どう思うか」

2010-03-03 15:34:54
@TSAKUTA

吉見「隙間に人がどう入っていくか。都心の廃校、工場地帯、軍事基地、様々な隙間の発生地がある。どうなっていくかはわからないが、こういう空間ができていくときに、単に利活用ということに終わらせず、地域や東京全体を変えて行く媒介メディアとしての可能性、そうしたことはどうか?」

2010-03-03 15:36:58
@TSAKUTA

川俣「この3331を考えても、地元住民と新しい人達という区分けが無くなってくるようなことでないと。単に空いているものを活用するということには意味がなくて、どのようなメディアになり、何を発信するか」

2010-03-03 15:41:22
@TSAKUTA

川俣「ここが発信して行く意味が東京の中でのメッセージになったり、ここから生まれた勢いが東京とか下町という概念を超えていくことのほうが遥かに面白い。新しいビジネスフィールドではあまり意味が無いと思う。すでにこうしたものはあるわけだし、ある種の発信基地として出て行く方が面白いのでは」

2010-03-03 15:42:18
@TSAKUTA

吉見「直感的な印象だが、東京でこういうことが起きているというのは、日本の中ではむしろ一番遅くて、最後なのでは。地方都市ではもう10年、15年と困っていて空洞化に対する実験例は重なってきている。となりの横浜でさえもうちょっと前からやっていて、やっと本丸までやってきたということでは」

2010-03-03 15:42:45