【漫画界の巨匠】小池一夫先生のクリエイターへの言葉まとめ【2014+2015初頭】

数々の名作を生み出し、錚々たる弟子たちを輩出してきた漫画界の巨匠、小池一夫先生のクリエイターに向けた言葉をまとめてみました。2014年と2015年初頭までのものとなります。
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小池一夫 @koikekazuo

何かを表現する時に、「きっとこンな反発が来るンだろうな」と想定して、それに対応した言い訳を表現に折り込んだ時点で、それは己の表現ではない。表現者として一番恐ろしいのは、自分の表現を好きでいてくれる人の事よりも、自分の事が嫌いな人間の存在を、始終考えてしまう癖が付く事である。

2014-07-26 17:00:29
小池一夫 @koikekazuo

「個性」を突き詰めていくと、それは、思いやりや、優しさなのだ。今、売れている作品を思い付くまま挙げてみると、それがよく分かる。ただ、優しさを描くためには、悪や、残酷さが用いられる事を規制してはならない。(小池 一夫)

2014-07-28 17:04:35
小池一夫 @koikekazuo

表現者は、大衆に迎合するな。しかし、大衆の心はつかめ。これは、決して相反する事ではない。(小池 一夫)

2014-07-30 21:52:58
小池一夫 @koikekazuo

僕は、作家は何を描いても良いと思っている。作品の中では、人も死ぬし暴力もエロスも描かれる。しかし、それらのあらゆる表現が、この世の道徳的判断から全て免責されている訳ではない。表現の規制に僕は強く反対するが、表現者は、自分の表現が世にどういう影響を与えるのかを考える義務がある。

2014-08-15 18:26:15
小池一夫 @koikekazuo

表現者は、自分をいじめると、いいものが生まれる。そして、他人にほめられると、いいものが生まれる。 人に貶され続けて、いいものは生まれないね。(小池 一夫)

2014-08-17 18:52:45
小池一夫 @koikekazuo

特にクリエイターは、傑作からだけではなく、凡作や駄作から学ぶ事は山ほどある。優れた作品の基準はない。自分にとって、優れた作品があるだけだ。(小池 一夫)

2014-09-01 17:50:09
小池一夫 @koikekazuo

駄作は早くあきらめよ。駄作を、あきらめ悪くあれこれいじっても、良作にならない。さっさと頭を切り替えて、これならいけるという、次の作品を考えるのだ。その作品で粘る。これは、創作の上で、とても大事な事。あきらめどころと、粘りどころを見極めるのだ。(小池 一夫)

2014-09-05 14:27:10
小池一夫 @koikekazuo

研かれた刀で切られるよりも、鈍刀で切られた方が痛い。天才が、スパッと書いた一文と、努力でガリガリと身を削って書いた一文が、肩を並べる事もある。ただ、気を付けなければいけないのは、努力の方向性を間違わない事。自分の才能の種類を見定めるのだ。(小池 一夫)

2014-09-08 17:02:25
小池一夫 @koikekazuo

作品を書く時は、自分が本来持っていない感情や、自分のものではない言葉をキャラクターに託す事も多い。物語を描くのに、自分の内側にある作者の人間性だけでは、世界観が狭まる。自分の人間性ではない「嘘」が書けてこそプロ。(小池 一夫)

2014-09-09 20:12:10
小池一夫 @koikekazuo

前にもツイートしたが、もう一度言う。 「表現者はドラッグを使うな、ドラッグのような作品を作れ」(小池 一夫)

2014-09-12 19:00:10
小池一夫 @koikekazuo

もう散々言い尽くされた言葉だが「継続は力なり」は本当である。何事も最初は模倣から始まるが、継続する事は、「本物」に転化していく最も確実な方法である。才能が欲しければ、コツコツ続ける習慣を身につけよ。サボると、あっという間に才能は衰える。(小池 一夫)

2014-10-04 20:53:50
小池一夫 @koikekazuo

「好き」のレベルでプロにはなれない。しかし、全ては、「好き」から始まる。嫌いな事で、成功する者はいない。持続するための苦しみも、好きだからこそ乗り越えられる。自分の「好き」には、とことン投資するのだ。(小池 一夫)

2014-10-07 00:53:49
小池一夫 @koikekazuo

優れた作品は、語彙が豊かだ。頭の中のもやもやしたアイディアを「伝達方法としての言葉」に上手く変換出来ている。人に届かなければ、そのアイディアは、無かった事と同じこと。「語彙を増やせば、アイディアも増える」。後は、自分の言葉で話すだけ。(小池 一夫)

2014-10-08 18:40:51
小池一夫 @koikekazuo

創作の時、上を仰ぎ見て、ああ、とても自分は敵わないとあきらめるのも、下を見て、この位なら自分にも出来ると見下すのも、間違い。上を見て自分を否定せず、下を見て自分を肯定せず。何からも、貪欲に学べ。人生も同じく。(小池 一夫)

2014-10-11 20:50:26
小池一夫 @koikekazuo

受け手の期待に応えるのが表現者ではない。受け手の期待を越えた時、感動が生まれる。期待に応えている程度では、いずれ飽きられる。いつも、受け手の一歩先、斜め上を目指すのだ。(小池 一夫)

2014-10-24 16:30:33
小池一夫 @koikekazuo

同じものを見ても、創造性の高い人は、他の人が気が付かない事に気付く。人は、自分の内側にないものに反応出来ない。だから、クリエーターは、自分にどンどン投資するのだ。それが、今すぐには役に立たなくても、いずれ作品という形で何倍にもなって返ってくる。

2014-10-25 19:20:27
小池一夫 @koikekazuo

表現者の自分の作品との付き合い方。「溺愛し、そして、突き放す」。(小池 一夫)

2014-11-05 18:05:42
小池一夫 @koikekazuo

表現は、つきつめれば、作家の「人柄」そのものである。教養や知識の量ではなく、人柄。人柄の良くない作家は、やっぱり受け入れられない。自分の人柄に、もっと自覚的であろうと思う。自戒を込めて。(小池 一夫)

2014-11-10 19:06:28
小池一夫 @koikekazuo

創作のモチベーションが下がった時の特効薬は、「刺激的な人」に会う事。刺激的な本や、音楽や、映画ではなく、とにかく「人」。 刺激的な人間関係を結ンでおく事は、表現者として、とても大事なことなのだ。(小池 一夫)

2014-11-14 18:37:24
小池一夫 @koikekazuo

全ては模倣から始まるが、人真似は自分の否定だ。己のオリジナルを確立するのだ。そこからが、ようやく創作のスタートラインなのだ。(小池 一夫)

2014-11-18 18:02:33
小池一夫 @koikekazuo

漫画を描く時に陥りやすいのが、作者自身のメッセージを過剰に込めてしまう事である。作家のワタクシ性は、作品に自然と滲み出る。読み手はプロパガンダが読みたい訳ではない。エンターテイメントが読みたいのだ。どうすればより面白い作品が作れるのかの追及、それが創作のイロハであり、究極である。

2014-12-12 17:47:18
小池一夫 @koikekazuo

作品を作る時のインスピレーションは天から降って来るものではなく、潜在意識からのメッセージである。そして、インスピレーションが降りて来るまでの膨大な時間をただ食い潰すのではなく、とにかく書く事。書き続ける事「書く事は、考える事」。それがインスピレーションを得る一番の早道。

2015-01-03 16:48:06
小池一夫 @koikekazuo

表現とは、作者のフィルターを通して、受け手に「新しい世界の見方」を提示するという事である。同じものを見ても、表現者は人と違うものに気付く。それは、作者自身が「観察者でなければならない」という事。表現者の「観察力」と「創造力」は正比例である。(小池一夫)

2015-01-14 14:14:57
小池一夫 @koikekazuo

ずっと創作欲が持続出来る訳ではない。人間の集中力には限度がある。そういう時は、「創作欲を出すためにはどうしたらいいか」ではなく、「今のやる気の出ない状態で何が出来るか」を考えるのだ。それが、次の創作欲に繋がる。(小池 一夫)

2015-01-19 16:49:20
小池一夫 @koikekazuo

やる気は有限。やる気のなさは無限。(小池 一夫)

2015-01-19 18:03:09