ストレイトロード:ルート140(11周目)
- Rista_Bakeya
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#みなさんの創作コンビキャラ教えてください ルート140で藍と組むゼファール。自信家ツインテールと地味でいたいおっさん。 毎日140文字という制約の中で頑張ってる。ゼファール目線だから書ける話は実に多い。でも藍がいるから非日常の断片を見つけられる。
2015-03-04 19:11:06全身を赤で飾り立てた女が通路の出口を塞いでいた。「またあなたなの」行く手を阻まれた藍が怒鳴りつけても、女は静かに笑うだけ。感情の塊を受け流す態度が自然に見えた。近い年頃の子供がいるのかもしれない。「欲しいものを得るには行動しないと。そうでしょう?」赤い影の上で軽やかな靴音が響く。
2015-02-03 19:40:12140文字で描く練習、501。赤。 また仕切り直し。今日から11周目です。 青い右目との間で度々火花を散らすこの大人は、以前の140にも少しだけ登場しています。
2015-02-03 19:40:18「次、やっぱり左。急いで」「どうなさいました」「いいから急いで。これだけ道路空いてるならまだ速度出せるでしょ」「確かに余裕はありそうですが、次は左折禁止で」「ならその次で左。もっと飛ばして」「何かお探しで」「いいから早く!…ああ見失った。聞き返してばかりで進まないあなたのせいよ」
2015-02-04 19:38:56熱を出したのが藍なら無謀な探検を中止させられたが、現実は優しくない。昼から宿で眠りにつき、真夜中に目を醒ますと、帰ってきた藍が傍らに座っていた。「わたしじゃない誰かをお探しだったから、誰かなと思って」うわ言を聞かれたようだ。名前を聞き取れても失敗でも、どうかそのまま忘れてほしい。
2015-02-05 18:55:35「遠慮せずに、ほら、たんと上がって」老婦人は山盛りの料理を勧めてきたが、藍は応じなかった。旅人への親切の裏に悪意でも疑う顔をしている。ならばと私がスープに手を伸ばすと、足を蹴られた。「鍋に怪しいもの入れるところ、わたし見たの」それは調味料ではないのか。確認を遠慮する場面でもない。
2015-02-06 19:05:12140文字で描く練習、504。遠慮。 見知らぬ人への親切か。 遠い日の記憶をそこに見たいのか。 それとも…
2015-02-06 19:05:19藍が扉を少し開けただけで夜の静寂が吹き飛ばされた。店内は既に熱の入った応援で埋め尽くされている。その中へ果敢に割り込んだ藍をすぐに見失った私は、見ず知らずの人々に囲まれて試合の行方を見守った。大きなスクリーンに伴っているはずの音声は全く聞こえないが、どちらが優勢かは明らかだった。
2015-02-07 20:45:51停めた車の中で地図を広げていると、突然横から双眼鏡を渡された。「見て」藍が指す方角を確かめて双眼鏡を向けたが、晴れた空しか映らない。「もうちょっと下」「もっと右」言われるまま腕の角度を何度も修正し、やっと見えたのは川の対岸で羽を休める鳥の群れだった。「あれが飛び立つから、追って」
2015-02-08 22:39:05十日間に及ぶ調査と尾行の末、藍は新たな証言者との面会に成功した。会談後、車の助手席に戻ってすぐ藍は携帯端末を取り出し、何かを立て続けに入力した。「次に会う場所の確認。これからも付き合ってもらうんだから、義理を忘れちゃいけないでしょ?」どうやら今回の取引は巧く主導権を握れたようだ。
2015-02-09 19:44:52虹は光の屈折から生まれる。本来は教室で教わる一連のからくりを、藍は今、美術館の柱から学ぼうとしている。アクリルの円柱を突き抜ける太陽光をじっと見つめる彼女に声をかけるか迷ったが、黙って待つことにした。雲を操れるなら虹を描く魔法も覚えられるはずだ。彼女はそれを知っているのだろうか。
2015-02-10 19:51:16140文字で描く練習、508。屈折。 学校に行こうとしない魔女でも、何かを学びたくなる時はある。行き着く道筋が違うだけ。
2015-02-10 19:51:26補足。 雲を操ると言っても藍の場合は風を動員して運ぶ程度なので、雨を雪に変えるような調整は難しい(地形などを利用するには知識がいる)。 ゼファールはその辺の細かい事情を分かってない節がある。科学を知り過ぎた彼は魔法を理解しきれない。
2015-02-10 19:55:54藍の能力は「大気への干渉」なので気圧も操作できるけど、今は大雑把なイメージだけ思い浮かべて(無意識に色々調整して)諸々の現象を起こす程度。狙った部分をピンポイントで微調整というレベルまで至るには自然科学をある程度理解した上で具体的な操作イメージを描くのが必要、までは考えていた。
2015-02-10 23:07:33藍はソファーに被さった古い毛皮に顔を埋めて動かない。よく見ると小さな手は毛皮の前肢をしっかり掴んでいる。よほど気に入ったのかと思っていたが、拳が震えているのに気づき、先程立ち寄った市場での一幕を思い出した。口喧嘩に負けたことが悔しかったのか。本人は寝息を立てるだけで何も語らない。
2015-02-11 20:21:41「紅茶の淹れ方くらい知ってるわよね?」唐突な質問に私は簡潔な肯定を返したが、火を起こす最中だったので藍の表情は見なかったし、意図を考える暇もなかった。ここは荒野の真ん中で、背後には夜が迫っている。完璧に正しい作法を期待されていたと知ったのは、淹れた一杯を顔に浴びせられた後だった。
2015-02-12 19:32:42140文字で描く練習、510。紅茶。 二人が出会って間もない頃の一幕。 その扱いは質を期待されるほど難しくなってしまうもの。
2015-02-12 19:33:13朝の市場を巡る途中、店主の一人が藍に呼び掛けた。「よそ見もいいけど、災難が降ってくるから気をつけな」指した先には屋根の上でくつろぐ野鳥がいる。忠告を理解した私達が次の店を見ていると、藍の背後に陶器の音が落ちてきた。振り向くと足元に植木鉢の破片が飛び散っていた。「本当に降ってきた」
2015-02-13 19:13:12