ストレイトロード:ルート140(7周目)

オリジナル短編「ストレイトロード」のコンビがお届けする、短編という名の習作。1日1話ペースで継続中。 今回は301~350。それ以前のは作者おすすめ欄か下記URLからどうぞ。 元の短編の掲載場所: http://www.gekkado.jp/
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Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

藍:生意気言う台風 ゼファール:親以上の保護者 #RTされた分だけ創作キャラを一言で表す 魔女といっても一芸型だし。

2014-08-17 22:41:48
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

藍が水槽を眺めている。魚は水草の陰でほとんど動かず、変化と言えば小さな泡が立ち上るだけ。何が気になるのか聞いてみると「これ作り物じゃないの?」と返ってきた。私が調べようと近づいた途端、魚が俊敏に泳ぎ出し、水草に付いた泡を撒き散らしながら水槽の隅に逃げてしまった。「あら、生きてた」

2014-07-18 21:24:53
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

140文字で描く練習、301。泡。 何をもって生きていると考える?

2014-07-18 21:26:11
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

「何あれ」隣で藍が呟いたが、運転中の私に余所見などできるはずがない。山に挟まれたハイウェイの先を見ながら、地図を開く音を聞く。「分かった、あれが“神の怒り”ね」藍の一言で思い出した。この辺りには巨大な手で抉られたような形の山肌がある。怒りに任せた破壊の正体は遠い昔の洪水だという。

2014-07-19 23:07:01
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

140文字で描く練習、302。怒り。 もしかしたら本当に天罰の痕跡かも。

2014-07-19 23:07:48
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

藍のお供として旅に出てから、私は行く先々で同じ人物を見かけた。それも偶然とするには苦しい場面で。「誰かに追われているんですか」疑惑を藍に直接確かめたら何故か舌打ちされた。「さあ?」渦巻く空気が肌を小さく刺す。進めの合図。これは人間の思惑が激突する渦の中心へ向かう旅でもあるらしい。

2014-07-20 21:36:37
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

商店の壁に映画のポスターが飾られていた。懐かしいタイトルが私に若い時分を思い出させる間に、藍は色褪せた数字を読み上げ、指折り数えながら呟いた。「わたしが生まれる…何年前?」私と店主は顔を見合わせた。額縁の中で雨傘を高く掲げる女の正体を藍はきっと知らない。たいして興味もなさそうだ。

2014-07-21 22:38:06
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

140文字で描く練習、304。映画。 悲しきジェネレーションギャップ。

2014-07-21 22:38:41
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

「勝負よ」プールで一人泳いでいた藍が突然、日陰に座る私の前に来て言った。「きっと勝負になりませんよ」「拒否権なんてあげた覚えないわ」長らく私にとってプールとは見張るものだった。普通に飛び込むのは何年ぶりか。体の記憶を頼りに一往復したら、藍より先に壁を叩いていた。頭から沈められた。

2014-07-22 20:06:46
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

140文字で描く練習、305。泳ぐ。

2014-07-22 20:07:11
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

藍は紫陽花の葉に座る一匹の蛙を見つけた。しばらく正面からじっと見て、おもむろに蛙の脇へ手を伸ばす。捕まえたくなったのだろうか。すると蛙は真正面に跳んで藍の顔に貼り付き、頭を足場にして逃げていった。長い沈黙の後、藍は急に私を睨んだ。「…何よ」「どうしました?」「見なかったならいい」

2014-07-23 19:40:45
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

下水道から川へ飛び出してきた怪物は全身が硬い皮膚に覆われていた。軍の攻撃が通らなかったという話にも納得がいく。橋の上から追跡を続けると、装甲の背に大きな亀裂を見つけた。「怪我をしているようです。刺激しない方が…」藍は進言を却下した。「中から何か出ようとしてる。あれのどこが怪我?」

2014-07-24 19:28:05
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

140文字で描く練習、307。亀裂。 クリーチャーにもいろんなタイプがいる。きっとその方が生き延びやすいから。

2014-07-24 19:29:00
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

「櫛の歯が欠けただけですよね?」言った直後に藍が振り向き、私は本気の平手打ちを食らっていた。彼女の手に怪我がないか尋ねるはずが、どうやら別の深い傷を見落としてしまったようだ。目眩から回復した私を真っ赤な目が見つめている。「別に代わりの櫛とか要らないから。そういう問題じゃないから」

2014-07-25 19:59:11
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

140文字で描く練習、308。櫛。 多分、彼が特別に鈍感というわけではない、とは思うけど。

2014-07-25 19:59:24
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

藍の携帯端末が突然空気を裂くような音を発した。暴風雨の勢力圏が近いという警報を読み上げた藍は車の窓を閉め、私には道路脇の安全な場所に駐車するよう命じた。「もう少しで街に着くようですが、急がないんですか」「いいの。今行ったらわたしが悪者にされるから」風を呼ぶ魔女は端末を強く握った。

2014-07-26 23:12:42
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

140文字で描く練習、309。警報。

2014-07-26 23:12:57
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

藍は取引相手と喫茶店で会う約束をした。しかし時間を過ぎてもそれらしき人物が現れない。「とんだ誤算ね」飲み干したジュースのコップを手放さずストローで氷をかき回していた藍が、つまらなさそうに言った。「あなたが邪魔みたい。お金だけ置いて帰って」私が退席するや、その席に誰かが滑り込んだ。

2014-07-27 19:59:17
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

山道を走行中、窓の外から甲高い音が聞こえた。姿が見えないそれを藍は何かの鳴き声と考えたらしい。「今すぐ車止めて。近くに何かいる」指示通り停車したのは坂の途中。雨上がりの柔らかい斜面が車の重量に負け、すぐに車が後ろへ滑り出した。「何してるの!?」藍が直前の自分の発言も忘れて叫んだ。

2014-07-28 21:30:05
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

強敵達との戦いから戻った藍は車に乗り込む直前に倒れた。私は傷だらけの少女を起こそうとして、その肌の冷たさに驚いた。すぐ後部座席に運び、傷の処置をして、暖めること一時間。彼女は私の心拍に耳を傾ける姿勢で薄目を開け、微笑んだ。無事戻ってきたとやっと思った。次のわがままは大目に見よう。

2014-07-29 20:12:01
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

140文字で描く練習、312。心拍。

2014-07-29 20:12:10
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