三日目、逢魔時 - 今様に落つる怪奇譚

2015/04/17から2015/04/20までの、人間とあやかしの語らいの様子です。
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蓮田 颯丞 @hasterMissing

名刺を受け取ったところで、とうかを見て、不思議そうに。 「…そうかな? とうかちゃんも、あったかいよ?」 そう笑って、名刺を仕舞うと頭を撫でた。 …手は離さない。多分、その方がいい。

2015-04-20 05:07:19
遊灯華 @youtouka

ふわりと頭を撫でていった手の優しさに、遊灯華はまた、笑った。つながったままの手がすこしくすぐったく、どこか嬉しい。

2015-04-20 07:42:33
遊灯華 @youtouka

「また、みんなで、鍋したい。その時は、火種、つくる」  繋いだ手とは逆の手で傘をくるりと回しながら、遊灯華は言った。今にも踊り出しそうな、威勢のいい火の粉が、杖からほろほろとこぼれた。 「お風呂、わかすのも、火力の調節は、得意」  今はもう廃れた、火で風呂を沸かしていた頃。

2015-04-20 07:50:28
遊灯華 @youtouka

ねぶるからは、その頃の気配が少しする。どこか懐かしい、還らない時の気配。 「その時は、また」  会えたらいいなと、は言わなかった。代わりに、繋いだ手をぎゅっと握った。

2015-04-20 07:52:20
赫滑ねぶる @akanameneburu

「全く……夢みてぇだぜ……」 こんなに大勢の人間とあやかしが、気にしないと、気持ち悪くないと、友達だと……受け入れてくれると。 嬉しさと興奮に紅潮した顔を隠すように、繋いでいない方の手で顔を覆ってしまう。 「友達だってよ……へへへ……っ」 にぎにぎされる手が、くすぐったい。

2015-04-20 08:03:19
不老 蓮 @Lotus_frow

「じゃあ、僕のも……」 次いでペンを走らせて、夕奈へと渡そうと差し出した。 「鍋……」 あぁ、どたばたして結局そこまでは食べられていないんだった。またこうした機会があるならば、それも良いのかもしれない。

2015-04-20 14:07:28
不老 蓮 @Lotus_frow

僕は遊灯華の言葉に同意するよう頷いた。 「そうしたいですね……」 こうした楽しいことも、こういった行為も、異種交えての食事も語らいも、そう経験できたことではない。いや、できるほうがたいてい、おかしいのだけれど。 …それを置いても、ねぶるが嬉しそうにしているのは、喜ばしいと感じる。

2015-04-20 14:10:08
不老 蓮 @Lotus_frow

あぁ、それでも時間は待ってくれない。僕はふ、と息をついて、白堀さんを呼ぶ。 「"帰りましょうか"」 そう、感覚的なもので明示が上手くできないのだけど。そろそろ行かねならない気がした。

2015-04-20 21:30:30
赫滑ねぶる @akanameneburu

「へへっ……そんじゃあ、そろそろ行くかぃ?お嬢ちゃん」 きゅ。 恭子と繋いだ手を、力強く握り直して。 白み始めた空に、夜明けを予見して。 「しっかし、今の世の中、便利になったもんだよなぁ」 ヘラヘラと舌を揺らしながら笑う。

2015-04-20 21:34:11
赫滑ねぶる @akanameneburu

恭子の手元の紙を覗き込めば、人間との暮らしが長かったねぶるには、それが『メールアドレス』と呼ばれるものであると、容易に察することができる。 「今様の神隠しで集められた、縁もゆかりも無ぇはずの人間らが、こんな記号の羅列を交換し合うだけで、再び廻り逢う約束が結べちまうんだからなぁ」

2015-04-20 21:34:16
赫滑ねぶる @akanameneburu

「ったくよぉ……人間ってやつぁ、不思議だぜ。100年も無ぇ人生を、一つ一つ、数珠みてぇに繋いで繋いで……今じゃあ宇宙(そら)にだって手が届くときたもんだ」 共に生きる相手の傍に在る、白蛇と遊び火に、穏やかに視線を移して。 「姐さん、お嬢ちゃん」

2015-04-20 21:34:18
赫滑ねぶる @akanameneburu

人間とは、とてつもなく卑小で愚かな生き物だ。 小さいからこそ、彼らの頭上には宇宙(そら)が広がり、愚かだからこそ、伸ばした手を諦めない。 緩やかな衰退を辿る『強き者(あやかし)』と、目まぐるしい進化を続ける『弱き者(ひと)』とが、共に手を取り合って。 どんな未来を、描くのか。

2015-04-20 21:34:19
赫滑ねぶる @akanameneburu

「ーー……また、逢いましょうや」 その時には、きちんと全員分の、茶碗と箸を用意して。 ーー友達と、次に逢う、約束をする。 ただそれだけのことが、こんなにも、胸躍ることだなんて。

2015-04-20 21:34:21
染井 恭子 @Swamp_swap

縁結び。 色彩豊かな紐が、縦横無尽に張り巡らされ 結ばれた紐の先から間から ぽわんと生まれては紐で出来た蝶が旅立って行く。 ふと、浮かんだ空想に。 良い絵が描けそうだと、一人頷く。 「まだ、結ばれただけ。」

2015-04-20 21:48:33
染井 恭子 @Swamp_swap

変わるには短く 化わるには遠く されど、されど 淀みが縁を軋みが歪みを 目まぐるしくかわる道筋に にたりと唇が笑みを浮かべる 「また」 手を引かれながら この場から、この時から去りながら 彼女はこの邂逅の先を 望んだ 故に 物語は 邂逅は 束の間の終わりを告げる

2015-04-20 21:49:27
白堀之水藤 @sirafji

蓮の頭を撫でてやる。 今度は一夜限りではない、いつでもこうすることが出来るのであろう。 「…そうだな、帰るか」 新たな住居とやらに。 唯、其れだけ。此れだけの事。 逢いましょうと告ぐ口に、まだ始まりだと告げる空に。 白蛇はただ「当たり前だろう」と手を振った。

2015-04-20 21:59:04
蓮田 颯丞 @hasterMissing

「鍋、良いですね。やりましょうね、絶対」 くすりと笑う。それは、とてもとても楽しい事だろう。 不老の差し出す連絡先も、にこりと笑って受け取って。 「帰ったらすぐ連絡するから…!」 ぐっ、と握り拳を作って告げる。

2015-04-20 22:07:59
蓮田 颯丞 @hasterMissing

「それじゃあ……うん。帰ろう!」 とうかの手を引いて、皆の後に続く。 少し歩けば帰る道は3つに分かれるのだろうが、きっとまた1つになるのだろう。 今手を握る少女の道と、自分の道が1つになったのと同じように――

2015-04-20 22:09:29
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