ホラーと対峙する——恐怖・差別・排除について

社会的差別とH.P.ラヴクラフトのホラーについて少しずつ話が構成され,夜にはホラー・ジャンルをめぐる談話が行われるに至りました.前段には妖怪の話もひそんでいたようで——. さぞや気に入られる方もおられましょう.そんな談話です.
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りりぱ/Matsuki@通販あります! @liliput

@tricken ははあなるほど。確かにそれらの話はそういう側面で分類できそうですね。妥当な話だと思います。それにはどんな軸が入っているかな……まず「受容」-「排除」の軸、それには更に「傍観」も付け-加えたいですね。「受容」-「傍観」-「排除」

2010-12-20 22:55:24
tricken(Tw以外の居場所は固定参照) @tricken

@liliput 排除のサブグループには〈撃退〉〈逃亡〉〈自壊〉などがありますが、基本は全部排除ですね。

2010-12-20 22:58:02
りりぱ/Matsuki@通販あります! @liliput

まずこの軸を用いて「亡妻の幽霊が夫の元に出て(ry」という話を分けてみると「夫が亡妻の幽霊を受け入れる→二人で彼岸へGO」==「割と現代的なサイコホラー」 「亡妻の霊が出たんだって」「へぇ」==奇談、「夫が亡妻の幽霊を退治する」==「ごく伝統的な怪談」って感じかしら。

2010-12-20 22:58:27
りりぱ/Matsuki@通販あります! @liliput

@tricken 我が国の怪談の伝統的な形式では、何か悪いことをして幽霊に祟られるというのが多いので自業自得っつーか排除を試みて自壊、が多いですかね。洋モノだと悪気なくゴーストバスターしているww

2010-12-20 22:59:54
りりぱ/Matsuki@通販あります! @liliput

つーかアレだな。実は洋モノの幽霊譚ってそんな結構なものがほとんどないのだ。この話機会があれば後述するけれど、例えばアメリカでは幽霊よりも宇宙人の方がリアリティのある怪異として遥かに多く語られており、文化差がある。

2010-12-20 23:01:06
りりぱ/Matsuki@通販あります! @liliput

怪現象をただ「傍観」するタイプの話である「奇談」は、古来よりあまりメインストリームの怪異譚ではない気がする。佳作はたくさんあるのだけれど、どうも通好み。一般人が面白がるようなものではないのかもしれない。

2010-12-20 23:04:41
りりぱ/Matsuki@通販あります! @liliput

あともう一つ重要な軸が「怪異」の種類だな。「生きた人間」-「幽霊」-(「妖怪」)-「深淵より来る旧くおぞましき者ども(宇宙人)」かしら。なぜ「妖怪」がカッコつきなのかというと、妖怪・妖精の話は恐怖をそんなに呼び起こすものではないから。これもまぁ適当に後述。

2010-12-20 23:07:12
りりぱ/Matsuki@通販あります! @liliput

我が国の古典怪談で「鬼」の出てくる話はいくつもあるけれど、これは「妖怪」の話とするよりむしろコズミックホラーの亜種?と考える方が適切な感じ。怪談の鬼はとても不気味で正体不明の、人知を超えた存在。

2010-12-20 23:08:39
りりぱ/Matsuki@通販あります! @liliput

この辺のニュアンスはどうも説明しにくいが、えーとなんていうかな、例えば鬼が玄象を持っていく話はホラーじゃないけれど、初夜に妻を喰ってしまう婿鬼の話は「ホラー」なのだ。

2010-12-20 23:12:29
りりぱ/Matsuki@通販あります! @liliput

なんかあんまり差別に関係する話してない気がするがいいんかな。まぁいいや。

2010-12-20 23:13:13
りりぱ/Matsuki@通販あります! @liliput

「生きた人間」はその通りキチガイ怖いです(> <)という類の話。愛欲や怨念のあまり狂ってしまい生きながら羅刹となってしまったものもここに含む。メジャー怪談のほとんどがここに含まれると思う。

2010-12-20 23:16:22
りりぱ/Matsuki@通販あります! @liliput

んで、これらの軸を使って一番メジャーなタイプのホラーを定義するなら、それは「キチガイを排除する」話と言えるだろう。四谷怪談もジェイソンもベッドの下男もここに含まれる。ああ身も蓋もない。

2010-12-20 23:18:38
りりぱ/Matsuki@通販あります! @liliput

あんまり身も蓋もないからもうちょっと細かく言おう。なぜ、当該キチガイが狂ってしまったか、について更に分類できる。最初からキチガイだった、と最初はマトモな弱者だったんだけれど何かつらい目にあった所為で狂った、の2つ。

2010-12-20 23:21:12
りりぱ/Matsuki@通販あります! @liliput

ここでのポイントは、最初はマトモだった人が狂っていく場合その人は弱者、女性老人子どもとか、あるいは精神的に弱い人とかそういうので、強くたくましく精神的にも健康で成熟した男子(の霊)が害を為す怪談ってのはまずない、ってかあり得ない。

2010-12-20 23:24:13
りりぱ/Matsuki@通販あります! @liliput

我々にとってジェイソンが怖いのは、彼がチェーンソーを装備した膂力豊かな男性だからではなく、彼がキチガイだからだ。

2010-12-20 23:25:19
りりぱ/Matsuki@通販あります! @liliput

また、四谷怪談のお岩が怖いのは彼女が屈強だからではなくむしろその反対、彼女がいじめ抜かれた結果、強者に牙を剥くに至った弱者だからだ。ここには「女いじめると逆恨みしてきやがる全く女ってのはこえーなー」という女性観が下敷きにある。

2010-12-20 23:28:52
りりぱ/Matsuki@通販あります! @liliput

理解できないキチガイ、自分よりも弱い者(強者である俺を怨んでいるに違いない!)、こいつらは全て自分に害を為す。これが怪談・ホラーを支える大前提の認識。お、やっと差別っぽくなってきたw

2010-12-20 23:30:57
りりぱ/Matsuki@通販あります! @liliput

「精神異常者は俺に害を為す」という頑迷強固な偏見を土台として成り立つ文学は当然に差別を内包している。

2010-12-20 23:33:43
りりぱ/Matsuki@通販あります! @liliput

これは排除するか、受容するか、の問題ではない。「精神異常者は俺に害を為す」という前提が既に差別的なのだから、「俺に害を為すところの」精神異常者に対して排除だの受容だの、どっちを選択したところでもう差別は差別。

2010-12-20 23:36:01
りりぱ/Matsuki@通販あります! @liliput

この「精神異常者」はそのまま他の名詞にも入れ替え可能。「外国人」とか「女」とか「宇宙人」とか。例え「宇宙人」などという存在しない者に対する偏見であったとしても、偏見は偏見であり差別は差別ですからね^^

2010-12-20 23:38:03
りりぱ/Matsuki@通販あります! @liliput

なんとなく話が落ち着いてきたかな。ま、僕が言った「ホラーにこそ差別問題が含まれる」というのはそういう意味です。

2010-12-20 23:40:19
tricken(Tw以外の居場所は固定参照) @tricken

@liliput reactionに分類がある、というところからはじまり、最後には「reactionの参照項となる対象の評価から既に差別である場合はある」という話にオチましたね。ありがとうございます。

2010-12-20 23:42:34
りりぱ/Matsuki@通販あります! @liliput

後述する、と言ったネタについて書こう。まず「妖怪の話はなぜホラーになりにくいか」。それは「妖怪」ってのは基本的に正体出所が明らかだから。あれは柿の実です、狸が化けたものです、長生きした猫です、古い杓子が魂を得て……云々。

2010-12-20 23:43:42
りりぱ/Matsuki@通販あります! @liliput

@tricken 「ある場合はある」というよりかは、ホラーの場合はほぼ全てそうなんじゃないかなーという説なんですけれどねw 受容型も含めて、読者のそういう偏見を土台としているという意味で。まぁまとまりがなくてすみません(> <)

2010-12-20 23:46:25
りりぱ/Matsuki@通販あります! @liliput

例えば綾辻 行人「特別料理」みたいな主人公自身のカニバリネタのホラーは読者の側に「食人なんて気持悪いキチガイ!」っていう偏見がなければホラーとして成立しない。

2010-12-20 23:48:24
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