死ぬのがこわくなくなる話 その8 「量子通信」

渡辺浩弐 @kozysan

ちょっと自分の手を見て下さい。動けと思って動かしてみて下さい。

渡辺浩弐 @kozysan

動きますよね。

渡辺浩弐 @kozysan

あなたの手は、脳で　動け　と思った瞬間に、間髪をいれずに、0.01秒の時間差もなく、動きます。

渡辺浩弐 @kozysan

けれど、ちょっと速すぎるんですね、それは。

渡辺浩弐 @kozysan

前に、あなたが見ている世界は少し前の世界だ、と書きました。あなたが話している相手は、現実にはもう、1秒前に飛んで来た弾丸に打ち抜かれて死んでいるかもしれない、と。

渡辺浩弐 @kozysan

神経薬理学・光生理学を専門とする池谷裕二氏の『進化しすぎた脳』(講談社ブルーバックス)という本が参考になります。

渡辺浩弐 @kozysan

この中に、あなたの目に情報が入ってきてからそれが脳に像を結ぶまでに、つまり情報処理ができるまでに「すくなくとも0.1秒、通常0.5秒くらいかかる」と述べられています。「<いま>と感じている瞬間は0.5秒前の世界なんだ」と。

渡辺浩弐 @kozysan

自分の手や足に動けと思って指令を出して動かすとしたら、さらに時間がかかります。

渡辺浩弐 @kozysan

ドイツの神経生理学者ハンス・H・コルンフーバーとその助手リューダー・デーケは1965年、指を曲げる程度の簡単な動作について、その0.8秒から1.5秒前には脳内に準備電位が発生しているという実験結果を発表しました。

渡辺浩弐 @kozysan

このあたりのことは、『ユーザーイリュージョン』(トール・ノーレットランダーシュ/紀伊國屋書店) という本に詳しいです。関連の論文リストなどもあります。

渡辺浩弐 @kozysan

あなたは、自分で考えた瞬間に、間髪いれずに指が動いたと思い込んでいるでしょう。が、そんなはずはないのです。自分が「動かそう」と意識する前に、脳はそう始動しているということになるのです。つまり、あなたは錯覚していたのです。

渡辺浩弐 @kozysan

あなたの体を動かしているのは、あなたの自由意志ではない。実はその前に、指令は出ています。

渡辺浩弐 @kozysan

あなたの手はあなたが動けと思って動いたわけでは、なかったのです。あなたは、もうすでに動き始めた手を見て、オレはこの手に動けと命令したんだったそういえば、と、後追いで思い込んだということです。

渡辺浩弐 @kozysan

あなたは、1秒前の誰かの指示を受けて、操られて生きているということになります。

渡辺浩弐 @kozysan

では、その誰かとは、あなた自身に先駆けて、動け、と、いう命令を出したのは、誰なのでしょう?

渡辺浩弐 @kozysan

つまりあなたの背後に、もう一人のあなたが存在する。

渡辺浩弐 @kozysan

例えばあなたがこの文章に「気づく」前にそのことに「気づくべきか」という判断は、その存在が下していました。

渡辺浩弐 @kozysan

この文章を読むか、そしてこのテーマについて考えるべきかどうかも、あなたが考える前にその誰かが考えて、あなたに、ほら、「考えよ」と、指示したのです。

渡辺浩弐 @kozysan

あなたの正体は、僕の正体は、背後にいるもう一人の自分、ではないかという考えです。　　いかがでしょうか。

memeJekyll@SHINE @memeJekyll

@kozysan 渡辺氏の答えは誤りであることを断言します。

memeJekyll@SHINE @memeJekyll

「自分」とは、という問いに、結局それは自分以外だった、と、答えることは思考停止の状態であることを指摘します。

memeJekyll@SHINE @memeJekyll

「死」を超自然的なものにして考察対象から外していることと同じです。

memeJekyll@SHINE @memeJekyll

SHINEの提示するメソッドでは「自分とは何か」という問いに答えることが、「死」を乗り越えることになります。

memeJekyll@SHINE @memeJekyll

自分は自分だ。それはなぜだ。なぜ自分は、よりによってこの、世界でたった一人の、自分なのか。