仕事を首になり住居代を払えそうにもないため、一時的に流浪の身となる。 本格的なホームレス生活はきついので主にマクドナルドを利用した 半ホームレス生活を試みる。
2015-05-28 12:33:34マクドナルドに100円払えば屋根と壁と電気にありつくことができる。 これだけで野ざらしで雨や風や人々の敵意や暴力にさらされなくてはならない 完全ホームレス状態とはだいぶ違う。
2015-05-28 12:35:57とはいえ常駐すればそれは本来の目的と異なる使用となり 最悪不法侵入に問われるかもしれない。 一日に使用できる時間を6~8時間までと定め なおかつ店員からのマークを薄くするため、これを適度に分割することとする。
2015-05-28 12:38:57喫茶店感覚でコーヒーし何かを傍らにおいておけば、2時間程度の使用は 常識の範囲内で認められるだろうから 2時間使用→出店→2時間利用→出店→2時間利用 というサイクルを一日のうちに設けることを考える。
2015-05-28 12:40:25さらにこの際、入店する店舗をすべて違える。 そこそこの市街地であれば、自転車で移動できる圏内に三つ以上のマクドナルドはあるからこの戦略は容易に遂行できるはずである。
2015-05-28 12:41:08マクドナルドには24時間運営の店舗が多いので、さらに運営の幅は広いものとなる。 1入店時に使用するのは最低料金の100円。 これでチキンくリスプを購入し、だから1日の食事はチキンくリスプ3つである。
2015-05-28 12:41:58ひもじいがカロリーは高いため飢え死にすることはないように思われる。 念のためにあと200円まで一日に使っていい食費として計上し これに加えもう100円を、一日で使っていい雑費として用意する。
2015-05-28 12:44:52マクドナルドにはもう一つ半ホームレスを支える材料があり スマートホンの充電をさせてもらえる。 スマートホンには格安SIMを搭載し、これにより電気代を含めた 月々の通信費は1000円に抑えることができる。
2015-05-28 12:45:27計(300+200+100)×30+1000=19000の 二万円弱が月々の生活費である。 月2万円程度であれば職にありつけなくとも、あの手この手を使って 何とか捻出できなくもないような気がする。
2015-05-28 12:45:49であればこの世のあらゆる職場に見放されたところでなんとか生存していけるのではないかという希望を抱いたりする。 早速これを実行に移してみる。 3日たった時点での結果。
2015-05-28 12:51:022,3時間レベルの散発的な休息、しかもマクドナルドのテーブル席を使った 断絶的な睡眠×3では、疲労は取れず心身ともに困憊、強烈な筋肉痛に悩まされ、 痛みだけならまだしも、少し力を入れれば筋繊維が盛大に破断するのではないかと いう危機感にも見舞われるようになる。
2015-05-28 12:52:33四六時中誰かの視線を浴び、一切のプライベート空間を喪失した 生活は精神を著しく磨耗させ、睡眠不足もあいまってともすれば発狂しそうになる。
2015-05-28 12:55:03社会のはみ出し者という意識が強くいたたまれず、 服を2着しか持たず家をでたが、これまで周囲の目など気にして生きてきたのに せめてもう少しまともな格好をしていたいと思うようになる。
2015-05-28 12:55:58以前きれい好きのホームレスについてのドキュメンタリー番組を 見たことがあるがその心がよくわかった 。 またマクドナルドに対しては、300円で電気まで使わせてもらっていると むしろ相手を赤字に追い込むのではないかという意識が生まれ
2015-05-28 12:57:15普段は気にもならぬそんな些細なことも 社会にあぶれた出来損ないの自覚が過度となったその場の現状では 気に病まれてならず 結局居たたまれなくなって1時間早々で抜け出し それでも疲労は蓄積し続けているわけだから、ショッピングモールのフードコートに逃げ込む 。
2015-05-28 12:59:09最大で200人は収容できるのではないかと思われるその場所は 人目は気になれど自分の存在を罪に感じる必要はなく これは助かったとしばし身を落ち着ける。
2015-05-28 13:00:43バナナを食べ終えると老人は、自分を同類とみなしたのか 「私の兄は優秀で大学にいった。こんな田舎の大学ではない都会の優秀な大学にいった」 「私もスーツくらいは買いたいが、そのお金はないのだ」
2015-05-28 13:01:22「昔と違って銀行は教師に金を貸してくれない」 「子供を育て終えたら私は何もなくなった。貯金もない」 「ここは田舎だからよそ者への風当たりがきついここで生活をするのはきつい」
2015-05-28 13:01:39「兄貴は教師をしていた」 「アベノミクスは貧民にはいきわたらない」 「兄貴は独学で高校数学を修めた。そんなことは兄貴にしかできない」 「スポーツの勝ち負けというのは実にばかばかしくくだらない」
2015-05-28 13:02:03などと前後につながりのない散文を延々と聞かされ続ける。 一度耳を貸してしまったのが間違いで、いい加減その場を立ち去りたく思うものの 相手は話に切れ目というものを入れてくれず、時間を無意味に拘束され続ける。
2015-05-28 13:02:582時間後、ようやくわずかながらの間隙を見つけ 半ば強引な形で席を立つと、相手は拍子抜けするほどおとなしく引き下がる。 その二秒後にはもはや自分の存在など完全に忘れた様子であさっての方角を向いている。 その挙動にひどく無機質なものを感じる。
2015-05-28 13:03:59こんなことならもっと早めに切り上げればよかったと後悔する。 同じような生活サイクルが続き、翌日もフードコートに行ってみると 昨日と同じ席に問題の老人がいる。
2015-05-28 13:04:41それはどこにも行き場のない人間であり、自分も同じ位置に立たされている現実を思い知らされる。 自分は居場所がない身の悲しみに鬱になり、今度は月額6000円のレンタル倉庫を 借りて、その内部に住んでしまおうかなどと考え始める。
2015-05-28 13:08:17