「歴史性」と経路依存性、歴史理論は必要?

「歴史性」と経路依存性の話から、歴史理論の必要性ありやなしやの話へ。「「哲学」と「歴史学」のあいだ、「哲学」と「哲学史」のあいだ」http://togetter.com/li/8338 の話から繋がってはいます。やりとりのかみあいを重視した並べ方なので、完全には時系列でない点に注意。【追記】最初の編集人が「誰でも編集」と設定し忘れたため、あらためて「歴史学をめぐる議論」http://togetter.com/li/8653 が作られた。こちらのほうが網羅的に議論をカバーしているので、ぜひご覧になるようおすすめします。
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Tetsuya Nagamoto @saisenreiha

学部にしろ院にしろ、歴史理論や史学史を教えない大学は結構あるのではないかと思います。そうすると、そういった知識は学生本人が意識的に知ろうとしないと得られないので、院生でもランケも大塚久雄も知らないということがありえます。というか、多分実際に沢山いるのではないでしょうか。

2010-03-08 00:00:52
Tetsuya Nagamoto @saisenreiha

正直歴史学とは何かなどということは全く考えなくても、論文書く際のお約束に従えば歴史学の論文は書けますので、結構業績はあっても、そんな面倒なことは一度も考えたことがないと言う研究者がいてもおかしくないとも思います。

2010-03-08 00:05:35
Cujka @tsujifolyam

これは確かに言えると思います。QT @saisenreiha 正直歴史学とは何かなどということは全く考えなくても、論文書く際のお約束に従えば歴史学の論文は書けますので、結構業績はあっても、そんな面倒なことは一度も考えたことがないと言う研究者がいてもおかしくないとも思います。

2010-03-08 00:11:18
ITO Toshikazu @toshiitoh

@saisenreiha 歴史理論を学ばないと良い研究はできないと思いますよ。それを表面にだすかどうかは別として。ただ、今の大塚久雄と20年前の大塚久雄とでは、やっぱり意味づけが違うでしょうから、大変ですね。

2010-03-08 00:43:16
Tetsuya Nagamoto @saisenreiha

@toshiitoh そうですね。やはり歴史学という学問の基礎に関わる部分なので、歴史理論は重要だと思います。とは言え、私も目の前の論文に追われ、なかなか議論を追えていないので、何とかしなければと思っています。

2010-03-08 00:57:25
@na_kanoh

今年から研究室で始めた全時代読書会、新年度は史学史か歴史理論の本を一冊課題図書にしてみるのも面白いかもしれないな.参加者に嫌だと言われたら寂しいけど。

2010-03-08 00:44:03
masuda minoru @mimimasumasu

@saisenreiha ギャディスの著書については以前呟きましたが、特にアメリカを中心とするIRの世界では理論と歴史の相互の役割について長年の対立があります。その中で歴史的手法を擁護するものとしてギャディスはその実証的科学性(可能な範囲での観察と記録)を主張しています。

2010-03-08 02:50:26
masuda minoru @mimimasumasu

@saisenreiha 有り体に言えば歴史研究、特に政治/経済/外交史の成果をつぶさに参照すること無く粗雑な「モデル化」とご都合主義の「検証」を行うことがもてはやされるアメリカで主流の国際関係理論への批判です。

2010-03-08 02:53:52
masuda minoru @mimimasumasu

@saisenreiha ギャディスが示す複雑系科学の手法の適応可能性については90年代前半の一時的関心の盛り上がり(サンタフェ研究所など)にのっかった多分に希望的観測であり実際の応用可能性については空想の域をでるものではありません。

2010-03-08 02:55:03
masuda minoru @mimimasumasu

@saisenreiha ちなみにいえばギャディスがこの種の問題について発言し始めたのはアメリカの冷戦政策についての実証研究を進めてきた個人的経験を踏まえてのものであり、史学史や歴史理論についての先行研究を学んだが故のものではありません。

2010-03-08 02:56:50
masuda minoru @mimimasumasu

@saisenreiha 学部レベルで歴史理論など学ばなくとも、とりあえず見よう見まねで研究をしていく、その経験の上で何が歴史研究の背骨を為すべきなのかを体得していく、ということも可能だと言うことです。

2010-03-08 02:59:52
masuda minoru @mimimasumasu

@saisenreiha 実証研究に自ら従事する前に学部レベルで歴史理論を学ぶことが不可欠だろうかと考えたとき、私は、まず史料に親しみ自ら歴史記述を試みるという経験を経た後でその種のものを学ぶほうが意義深いのではないかと思います。

2010-03-08 03:02:40
Tetsuya Nagamoto @saisenreiha

@mimimasumasu ギャディスについてご教授いただきありがとうございます。私としても、そのような個人的な実証が、理論的な知見を体得させると言うことを否定するわけではありません。

2010-03-08 03:05:53
Tetsuya Nagamoto @saisenreiha

@mimimasumasu しかし、歴史理論や史学史な史料批判などの基本的知識や方法を学ばないと、結局学問としての土台が何かを、学生あるいはその延長線上にいる研究者の知識や価値観がバラバラになり、コンセンサスを作ることができないと思います。

2010-03-08 03:08:27
Tetsuya Nagamoto @saisenreiha

@mimimasumasu 学部で教えないとなると、院で教える必要があるだろうと思います。その部分を個人の自主的学習にまかせていると、歴史理論を学ぶ必要はないため、結局結局実証研究をやった後でも歴史理論に触れないままになりかねないと思います。

2010-03-08 03:16:09
masuda minoru @mimimasumasu

@saisenreiha 歴史研究には研究に従事する人間が拘束されるべき必要最低限のコンセンサス=「何をしてはいけないか」はすでにあると思います。論文を読み書きすればそれくらいは見いだすことができるのではないでしょうか。

2010-03-08 04:13:05
masuda minoru @mimimasumasu

@saisenreiha 最低限以上のもの=歴史家が「何をすべきか」は、教壇から「教える」べきことでしょうか。何をすべきかについて多様な意見はあっても「コンセンサス」はないでしょう。あってほしいとも思いませんし。私がかじった他の学問分野、経済学や法学でも同様でした。

2010-03-08 04:17:48
masuda minoru @mimimasumasu

@saisenreiha 文学理論などなくても文学作品は書けるし、バッティング理論などなくてもホームランは打てる。もちろん文学理論やバッティング理論に基づいて文学作品を書いたりホームランを打ったりもできるかもしれませんが、現状で信頼に足る理論は無い。歴史研究も同様だと思います。

2010-03-08 04:33:08
masuda minoru @mimimasumasu

@saisenreiha あるかもしれない理論を探求する営みを誰かが行うことは自由でありかつおそらくは必要でしょうが、誰もが行う必要があるとは思えないのです。

2010-03-08 04:40:20
masuda minoru @mimimasumasu

@saisenreiha 前にも言いましたが十分に妥当性の高い理論なるものがあればそれを学ぶ必要性は自動的に生じるはずです。現に歴史理論なるものの教育が不可欠とされていない状況自体がその理論的貧困を示しているのではないでしょうか。

2010-03-08 04:42:43
masuda minoru @mimimasumasu

@saisenreiha 貧困であるが故により多くの人間がその完成度を高める作業に関わるべきであると言う考えは成り立つかもしれません。であれば、より多くの人間に対して歴史理論なるものをめぐるお寒い現状について最低限の概説を行うのは「あり」かもしれませんが。

2010-03-08 04:58:22
Adam Takahashi @adamtakahashi

RT: @kunisakamoto うんうん言いながら書く。これが大変なんだけど楽しい。論文を書くほど楽しいことがあろうか。

2010-03-08 07:46:58
@na_kanoh

「理論」という言葉一つとっても、それを目・耳にしたときに、一般化・単純化の成果物として出てきた強靱なモデルを想像する人から、これから自分がものを考える上で参考にする議論の枠組み程度の意味で捉える人まで、広い幅がある。実証主義の人が「歴史理論」とか言うときはほぼ後者じゃないかな。

2010-03-08 09:24:41
@na_kanoh

こういうのは言葉の定義を厳密にあらかじめ詰めておくよりも、「あれ、この人の言っていることは自分の想定している定義とちょっとずれているかも」と思ったらその都度確認しながら読みなおす(可能なら当人に確認する)ぐらいのゆるやかな状態をキープする方が生産的だと思う。

2010-03-08 09:28:45