クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん感想

映画クレしんのロボとーちゃんに関する視聴感想です。クレしんの映画はヤキニクロードまでの記憶しかない状態で視聴しています。
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七井史門(ステップジュンが面白い) @7ishimon

この作品はロボットアニメの要素を取り入れた事にも意味があったのではないかと思う。個人的に冒頭の劇中劇だったカンタムロボの山田ジョン少年が29歳の大人として登場していながらパイロットを務めていたシーンも地味に大きい。 pic.twitter.com/vsZFxcAmNL

2015-08-10 23:49:06
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七井史門(ステップジュンが面白い) @7ishimon

この山田ジョン少年が大人になっても、カンタムロボのパイロットとして活躍しているフィクション(劇中劇)に対して、野原ひろしは「合体ロボっていいよなー」としんのすけにつられて感想をこぼしてしまう。この合体ロボはいいよなーはロボットという力を手に入れられる事を指していたのではないか。

2015-08-10 23:50:30
七井史門(ステップジュンが面白い) @7ishimon

ロボットアニメというジャンルは少年が力を得る作品として端的に表現する事も出来るが、この映画でのロボットアニメの概念も野原ひろしが、自分が昔のような活力と力があれば……と過ぎ去った願いと重なるものがあったとも。

2015-08-10 23:52:18
七井史門(ステップジュンが面白い) @7ishimon

早い話、ロボとーちゃんが空想の存在として野原ひろしにとって代わり、紆余曲折のドラマを挟みながら自分にとって代わって父親となる。そこからひろしが目覚めた時にロボとーちゃんが父親として理想の力から、自分が父親として越えなければならない壁となる。

2015-08-10 23:54:58
七井史門(ステップジュンが面白い) @7ishimon

その後のロボとーちゃんから挑んだ腕相撲対決について、ロボとーちゃんは父親の座を得るために力で勝てると考えていた所がロボットらしくて面白い。そして力で敗れたひろしだったが。しんのすけとロボとーちゃんの間の御仕置きに対して父親としての心を彼は叫んだ。

2015-08-10 23:56:11
七井史門(ステップジュンが面白い) @7ishimon

このひろしの叫びとしんのすけの心がロボとーちゃんの心を取り戻す事に至り、初めてロボとーちゃんの力にひろしの心が追いついた瞬間かもしれない。

2015-08-10 23:56:58
七井史門(ステップジュンが面白い) @7ishimon

それからの腕相撲ではロボとーちゃんが傷ついていた事もあるが、ひろしは圧倒的な力を前に力で父親である事を勝ち取る。ここで優しさと強さをもつ父親として再びひろしがロボとーちゃんの分まで歩きだしたとも…… pic.twitter.com/GfWKoRthgQ

2015-08-10 23:58:13
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七井史門(ステップジュンが面白い) @7ishimon

かくして野原ひろし版機動戦士ガンダムとして、”ロボットアニメ”が子供の頃なんでもできたと思っていた理想として扱い、ロボとーちゃんを理想の自分かつ、本当の自分が乗り越えなければいけない存在として扱った。これによって子供への退行から大人としての再成長を描けたとも

2015-08-11 00:00:04
七井史門(ステップジュンが面白い) @7ishimon

また、敵側の黒崎が威厳を失った父親がはびこる世界に対して、”日本をカッコ悪くするんだ!”と叫んでいた事も印象深い。

2015-08-11 00:01:46
七井史門(ステップジュンが面白い) @7ishimon

彼は威厳を失った父親にとって代わって”失われた父親の威厳をもつロボット”を日本中に入り込ませて、父親主導による日本の世直し(しつけ)というものを計画していたが……

2015-08-11 00:02:57
七井史門(ステップジュンが面白い) @7ishimon

これはふと昔でも最近でもよく見られる、コンピュータ管理における社会の是非を彷彿させるものになっているのが面白い。古くは新造人間キャシャーン、最近では楽園追放といったところだろうか

2015-08-11 00:03:56
七井史門(ステップジュンが面白い) @7ishimon

この作品では妻や子供たちが父親の威厳を重んじなくなった事から、日本の社会に乱れが生じているという憂いが描かれていたのだが、これは人類による環境汚染の是非などのシリアスなテーマとして見ても左程差異がないような気もする。ここら辺クレしんの映画ながら仄かにSF要素が入っている

2015-08-11 00:05:20
七井史門(ステップジュンが面白い) @7ishimon

あと、サブキャラクターとして冒頭でひろしと同じ父親の威厳がない男性・薄田さんが結構良い味を出していた。冒頭では妻や子供たちの被害に遭い、途中では父ゆれ同盟のサブリーダー、最終的に自分を信じている子供がいると気づけるまで pic.twitter.com/7kD259FzjI

2015-08-11 00:06:44
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七井史門(ステップジュンが面白い) @7ishimon

出番はそこまでないが等身大の父親を象徴するようなキャラクターだった。ひろしのように理想を夢見ても理想を乗り越えなければ本当の父親にはなれず、そして何気ない日常の中でも父親は必ずしも威厳を失った訳ではないとさわやかな気分にさせてくれる

2015-08-11 00:08:01
七井史門(ステップジュンが面白い) @7ishimon

といった所。個人的にZ.O.Eと並んで父親を描き切ったロボットアニメになるのではないかと思う。こっちは少年の頃の理想を呼び覚ませながら、理想の父親と現実の父親のせめぎあいを得て現実の父親が理想を再び目指していくドラマが初々しさを伴っている

2015-08-11 00:09:17
七井史門(ステップジュンが面白い) @7ishimon

キャラクター面についてはコロッケさんの頑馬博士や武井咲さんの段々原巡査などと芸能人ゲストのキャラがなかなかうまい演技をされていた。下手な演技というのは全体からあんまり感じられなかった

2015-08-11 00:10:43
七井史門(ステップジュンが面白い) @7ishimon

ただ、ゲストキャラに関してはロボとーちゃん以外やや薄味(段々原、蘭々、頑馬博士など)という印象も否めず、黒幕の黒崎は遊佐さんの演技が合う若い2枚目だが、妻と娘に尻をしかれている父親として中年ぐらいにしてもよかったのではないかなぁと思う所はあった

2015-08-11 00:12:48
七井史門(ステップジュンが面白い) @7ishimon

最もロボとーちゃんの扱い方は唸らせるものであり、黒崎のイデオロギーの描き方、現実の父親薄田などと味がある所もあったのだが。これは仕方ないのだがかすかべ防衛隊はこの映画ではそこまで活躍がなかったのはちと惜しい

2015-08-11 00:13:53
七井史門(ステップジュンが面白い) @7ishimon

メカ描写では巨大ロボットバトルなどは意外とあっさりしているが、ロボとーちゃんの園児を救う活躍や鉄拳寺との決闘などの描写は父親としての熱さを感じさせる勢いだった。そして何より五木ひろしロボのインパクトに終盤はもっていかれたような気がしなくもない

2015-08-11 00:15:07
七井史門(ステップジュンが面白い) @7ishimon

そんな感じ。ストーリー6、キャラ4、メカ4、作画・演出5で96点のAランクで評価しようと思う。ドラえもんの鉄人兵団シリーズに並んで、本家ロボットアニメとタメをはれるファミリーアニメのロボットアニメ風劇場版だとも

2015-08-11 00:16:11
七井史門(ステップジュンが面白い) @7ishimon

そんな感じで266番目の作品について心に刻む。あす以降こそ本当にDTエイトロン

2015-08-11 00:16:41