艦これ✕鋼鉄の咆哮 最終章『限り無き蜃気楼』

シリーズ最終章。
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序章

碌星らせん(ろくせい・らせん) @dddrill

◆お知らせ◆ 艦これ✕鋼鉄の咆哮シリーズ『旋風、止むべし』は都合により連載を一時休止し、先に最終章『限り無き蜃気楼』をお送りします。これは時系列シャッフルにより効果を重点したものです。

2015-09-02 20:36:02
碌星らせん(ろくせい・らせん) @dddrill

◆艦これ✕鋼鉄の咆哮シリーズとは?◆ 『もしも、艦これ世界に超兵器が存在したら?』をキーワードとしたクロスオーバー二次創作作品であり、コーエー&マイクロキャビンの戦艦バトルアクションゲーム『鋼鉄の咆哮』シリーズの布教&新作祈願を兼ねています。

2015-09-02 20:39:49
碌星らせん(ろくせい・らせん) @dddrill

◆超兵器とは?◆ 『鋼鉄の咆哮』シリーズに登場するボスキャラクター的巨大兵器であり、とてもつよい。本作では鋼鉄の咆哮ウォーシップガンナー2をベースに複数シリーズの設定をアレンジしています。超兵器艦娘化については、一部Twitter関連の設定を許可を得て使わせて頂いております。

2015-09-02 20:43:29
碌星らせん(ろくせい・らせん) @dddrill

◆とにかく◆ 気になったら、PSPまたはPS vitaでプレイ可能な『鋼鉄の咆哮 ウォーシップガンナー2ポータブル』を買ってみてください。宜しくお願いします。jp.playstation.com/software/title…

2015-09-02 20:46:37
碌星らせん(ろくせい・らせん) @dddrill

◆艦これ✕鋼鉄の咆哮 最終章『限り無き蜃気楼』◆

2015-09-02 20:48:27
碌星らせん(ろくせい・らせん) @dddrill

……私達の、最後の話をしよう。 思い返せば、始まりはただの雑談だった。『ヴィルベルヴィント』を捕獲し、『キョウフノダイオウイカ』を撃退した後。何だかんだあって入院した提督を、お見舞いに行った時のことだ。 1

2015-09-02 20:51:39
碌星らせん(ろくせい・らせん) @dddrill

病室には、見舞いの品が山積みになっていた。司令部から、同期らしき軍人から、外国からの物まであった。「面会は、大抵断っているんだがな」そう言って、提督は笑った。「老いぼれがくたばりそうなのが嬉しいと見える」「私達は、提督の復帰を待っていますよ」2

2015-09-02 20:57:30
碌星らせん(ろくせい・らせん) @dddrill

艦娘が鎮守府の外に出るには、特別な許可が要る。だから、今日のお見舞いは私一人だけ。その許可も、今の……『代理』の提督に、無理を言って頼んだものだ。「……鎮守府の様子はどうだ」「いつもと変わりありませんよ」「彼は、上手くやっているか」「ええ」「あいつは、同期でも一等優秀だからな」3

2015-09-02 21:01:04
碌星らせん(ろくせい・らせん) @dddrill

「……提督が一番だと思ってました」代理の提督は、提督の同期の方だそうだ。事実、優秀な人だった。第二次SN作戦も拡張作戦を含めて完遂し、今は余剰期間を消化している。「提督の居ない間にも、新しい娘が増えたんですよ」「それは楽しみだ」4

2015-09-02 21:06:09
碌星らせん(ろくせい・らせん) @dddrill

「……」「……」会話が途切れる。私は、病院の個室をぐるりと見渡した。ベッドの周りには冷蔵庫、テレビ、花瓶、よくわからない絵。横の台の上に、見舞い品の山。「……花瓶の花、交換しましょうか?」「いや、大丈夫だ」一瞬、提督の目が泳ぐ。「毎日、病院の方で交換してくれているのでな」5

2015-09-02 21:11:06
碌星らせん(ろくせい・らせん) @dddrill

「でも、折角ですから」「……まぁ、そこまで言うなら頼もうか」「他に出来ること、ありませんか?」「……そうだな。なら、見舞い品を幾つか持って帰ってくれ。そこのメロンの箱と、向こうの菓子の包みだ」「わかりました。それじゃあ、ちょっと行ってきますね」6

2015-09-02 21:14:46
碌星らせん(ろくせい・らせん) @dddrill

私は言われた見舞い品と花瓶を持って、トイレの流しへ向かう。……その洗面台の上で。私はわざと、花瓶を取り落とした。割れる花瓶。その破片の中から、黒い素子のようなものが見つかる。……盗聴器だ。 続いて、見舞い品の箱からメロンを取り出し、箱を分解する。緩衝材の間にシート状の集積回路。7

2015-09-02 21:21:45
碌星らせん(ろくせい・らせん) @dddrill

「……無茶苦茶手が込んでる……」最後に、菓子箱。中身のゼリーの一つの中に、カプセル型の怪しい機械。肉眼では分からないが、持ってきた測定器で調べると、電波を出している。 纏めて壊して病院のゴミ箱へポイし、戻り際に花瓶を割ってしまったことを謝罪する。これで終了。8

2015-09-02 21:26:34
碌星らせん(ろくせい・らせん) @dddrill

「……何ですか、あのスパイ大作戦」「まぁ、色々あるんでな。兎に角、これでもう大丈夫だ」「病院、移ったほうがいいんじゃ……」「病院自体は綺麗なものだ。ここだからこの程度で済んでいる」「それで、あの『3人』の話ですか?」「そうだ」「大人しくしてますよ」9

2015-09-02 21:31:34
碌星らせん(ろくせい・らせん) @dddrill

横須賀鎮守府が保護する3人の超兵器。『大いなる冬』、播磨、ヴィルベルヴィント。存在自体は、既に軍と政府の一部が知る所となっている。だが……その実態については特級の機密だ。「最近は外出できないので、やや不満が溜まっているみたいですが」「無理もない、か……」10

2015-09-02 21:41:53
碌星らせん(ろくせい・らせん) @dddrill

『超兵器は、深海棲艦との戦いには投入しない』というのが基本方針だ。そして、存在自体が機密の塊である以上。新たな超兵器が目覚めない限り、彼女達が海原に解き放たれることはない。 そして、問題の超兵器については……未だ残る各地の『遺骸』は、不気味なまでに沈黙を守っている。11

2015-09-02 21:45:36
碌星らせん(ろくせい・らせん) @dddrill

「……どうして、超兵器は船の形をしているんでしょうね?」幾つか、連絡事項を伝えた後。気付けば、そんな疑問が話題に上っていた。摩天楼。大いなる冬。播磨。ヴィルベルヴィント。烏賊……は、まぁ例外としても。今まで出会った超兵器は、船舶型だった。「昔のSFにな、こんな話があった」12

2015-09-02 21:49:34
碌星らせん(ろくせい・らせん) @dddrill

少しして、提督は口を開いた。「慌て者の宇宙人が、地球の支配種族が自動車だと勘違いする話だ」「……あの、提督。私をからかってます?」まさか、超兵器が宇宙から来た、とでも言う気なのだろうか?ある意味頷ける話だが、それとこれとにどんな関係があるのだろうか。13

2015-09-02 21:52:59
碌星らせん(ろくせい・らせん) @dddrill

「そこで、私は思った。地球の七割は、海に覆われている。なら……そこを支配しているものを、『彼女ら』は何だと思うだろうか、とね」「あ………!」「彼女達が何であれ、その星で、一番強い生物(もの)を模倣しようとしたなら。それが兵器……とりわけ軍艦であることに、何ら不思議は無い」14

2015-09-02 21:54:24
碌星らせん(ろくせい・らせん) @dddrill

「その間違いに気付いた彼女達は、それを今、訂正しようとしているのかもしれない」「だから、人の姿になった……?」「違う」提督は、何故か強い口調で否定した。「違う?」思わず、鸚鵡返しに問い返す。「選ばれたのは、『艦娘』だった」そう。超兵器達が模倣したのは、明らかに艦娘の姿。 15

2015-09-02 22:01:41
碌星らせん(ろくせい・らせん) @dddrill

でも、提督の言いようはまるで。「提督は……提督は、艦娘が人類とは違う存在だ、と?」「……わからない」その時の提督は、ずっと遠くを見ていた。私達には見えない程、遠くを。「だが……その答えはきっと、超兵器という存在の行く末を見届けた先にあると思えるのだ」16

2015-09-02 22:06:30
碌星らせん(ろくせい・らせん) @dddrill

人間。艦娘。深海棲艦。そして、超兵器。それらが果たして、どのような存在であるのか。「分かるのはは、遠い……遠い先の話だろう」提督はきっと、一人でその景色を見つめている。「それに……まだ、恐らく頑固者が残っている。誤ちを認めたがらない者は、何処の世界にだって居るものだ」17

2015-09-02 22:10:40
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