GC大戦EX・ライオネル襲撃２－⑨

猫憑ノコ @okurisuzume

＃ライオネル襲撃 「……どこまでもそうなんだな、お前は」 その表情を見て、虎の細い瞳に浮かんだのは不快感か、同情か。 虎は暫くの無言の後に、互いの軍勢に目をやった。 「いつの間にかお前のもとにはこれだけの軍が出来上がっていた。今、やつらの下にもあれだけの軍勢がいる」（続）

猫憑ノコ @okurisuzume

＃ライオネル襲撃 「これじゃあまるで戦争だ。大戦はとっくに終わったものだと思っていたぞ」 虎の牙の隙間から、不満げなうなり声が漏れる。 「さて理不尽な雇い主よ、改めて依頼を確認しようか？ アタイの契約内容はひとつ、『ザックスとメイベルを消せ』。そうだったな？」 ⇒GM

中西詠介/Lord_Phantasm @lord_phantasm

#ライオネル襲撃 「その依頼内容で、戦争にならないとでも思ったのかね？　それは想像力不足というものだよ」 淡々と、彼はそう応えた。 「だが、依頼内容に変更は加えられない。確かに、君との契約はその内容で相違ない」 なんなら契約書を持ってこようかと。冗談めかして言った。(続)

猫憑ノコ @okurisuzume

＃ライオネル襲撃 「ああ、そうかい。そりゃあよかった、アタイは『やりたいことだけすりゃあ』いいわけだ」 相手が自分の意思を分かっているのか、いないのか。ライオネル卿の言葉に対し、虎はいつものようにぶっきらぼうな返事を返した。（続）

猫憑ノコ @okurisuzume

＃ライオネル襲撃 （……『やりたいことだけ』やらせるから、こいつは下衆なんだよな） 声には出さずとも、虎は心の中で呟く。 （手のひらで踊らされているようで気に食わないが……やるしかない。アタイ自身が決めたことだ。守るなら堂々と守れ、ってやつにも言われちまったしな）（続）

猫憑ノコ @okurisuzume

＃ライオネル襲撃 両軍の使者が、互いに背を向けた。使者が帰ってくる。いよいよだ。 虎の背がすっと伸びる。 「……下衆よ、勝とうじゃないか。互いのために。自分自身のためにな」 虎は最後にそう言い残すと、群集の中へと消えて行った。 ⇒GM

中西詠介/Lord_Phantasm @lord_phantasm

#ライオネル襲撃 踵を返していく虎の背中を見送って、ライオネルははぁと息を吐く。 「よろしいので、彼女がいなければ、戦力は……」 「メイベルかザックスにぶつければ、それだけで十二分な戦力だろうよ。それに」 「それに」 「世の中は結局、お互いを気持ちよく利用出来るかだろう？」