議事妨害文献メモ

様々な議会における議事妨害についての話のメモ。
67
前へ 1 ・・ 4 5

☆エミール・ブラモン『フランスの議会技術』白水社(文庫クセジュ)、1982年

猫の泉 @nekonoizumi

久々の議事妨害関連文献。エミール・ブラモン『フランスの議会技術』白水社(文庫クセジュ)、1982年。原著は1958年という第四共和政最後の年の刊行のため、そこまでの事例のみ。「議事妨害」という項がある。「議会技術」の本なので、それ以外のところにも言及はある。続)

2015-12-15 00:38:32
猫の泉 @nekonoizumi

続)著者は1943年から1971年までの非常に変転の激しい期間中ずっとフランス国会の事務総長をつとめた人物。議事妨害の方法そのものについては今まで読んだ文献以上のことはなかったけど、いくつも採り上げられている実例の話が面白い。続

2015-12-15 00:38:59
猫の泉 @nekonoizumi

続)事例:独軍占領下で新聞を発行していたかどで新聞社に損害賠償を認める法律の審議時、反対する少数派は投票毎に定足数確認を求め、定足数に達しなければ、その都度解散しなければならなかった。次の本会議を始めるためには前回の会議録の承認が必要だが、その議決自体に定足数が必要だった。続

2015-12-15 00:39:11
猫の泉 @nekonoizumi

続)そのため、中断を繰り返し、当初7時間半ほどで終わるはずだったこの法案の審議は1951年1月4日から2月2日までかかり、結局多数派の審議放棄で議事妨害の成功で幕を閉じた、という。当然その後、定足数確認に関する議院規則は改正され、この方法はほぼ使えなくなった、という。続

2015-12-15 00:39:23
猫の泉 @nekonoizumi

続)ほか、7時間演説した1人を含め、少数派が長時間演説で75時間を1つの法案に費やさせた1950年の事例、フランスの伝統的議事妨害である修正案連発についての事例、手続き確認連発で長時間審議と化し法案審議の途中で議院規則の改正を行うはめになった1947年の事例など。続

2015-12-15 00:39:30
猫の泉 @nekonoizumi

続)またほかにも、予算審議の困難など色々書かれて入るし、議会事務総長として大変だったこともいろいろあったようだけど、著者自身は「議事妨害は「人権宣言」に記されている神聖な反乱権に対応するもので、抵抗の一方法」と書いている。

2015-12-15 00:39:38
前へ 1 ・・ 4 5