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JK鈴谷と援助交際

鈴谷を抱きに。
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洲央 @laurassuoh

鈴谷は至近距離で笑顔を見せてくれる。おっぱいを押し付けて倒れ込んだ鈴谷を抱きながら「もう少しこのままでいていい?」と聞けば「……うん」と短い答えが返ってきた。精液が渇いてしまう前にシャワーを浴びてお金を渡してお別れする、いつものやりとり。そんな「普通」を僅かな間だけでも忘れていた

2015-10-07 14:31:08
洲央 @laurassuoh

い。恋人同士のようにくっついていたかった。「えいっ♪」「んぁ……何すんだ」「かぁわいい♥」鈴谷の息が首筋にかかる。「んっ……ちゅ」鈴谷は首筋を唇で啄みながらにやけているようだった。生のセックスが予想以上に気持ちよかったのだろう。 10分ほどくっついていたが、やがてどちらからともな

2015-10-07 14:34:09
洲央 @laurassuoh

く離れ、シャワーを浴びた。 「鈴谷ちゃん、今日の分」 封筒に入れたお金を着替え中の鈴谷に渡す。 「ありがと……うわっ、こんなに?」「必要経費」「あっ、そうだったね……生で中出ししちゃったもんね」鈴谷は下腹部の子宮がある辺りに手を置いた。「まだ精液ここに残ってるの分かるよ」そんな風

2015-10-07 14:36:33
洲央 @laurassuoh

に言う鈴谷の声は、これまでに聞いたことのないほど深い所に響くものだった。一歩と半分、今すぐ鈴谷の肩を抱き締めて安心させてやりたいと思った。孕んだことを誰かに言えるはずがなく、初めての妊娠と初めての堕胎を孤独にこなさなければならない少女。悲しみでも恐れでもない、孤独に苛まれる運命が

2015-10-07 14:39:01
洲央 @laurassuoh

鮮明に見える。「鈴谷っ」「なに?」下着を着けた鈴谷が背中越し、こちらを振り向く。傷一つない背中、だがこの少女の奥底に一生消えない傷を自分は確かに刻んだのだと思うと、足は動かず、言いたいことは喉を通らなかった。「……鈴谷は、彼氏とかって」「いない」だから、最悪の質問をしてしまった。

2015-10-07 14:42:52
洲央 @laurassuoh

鈴谷は即答してシャツを羽織ると、ボタンをはめる手元を見つめながら淡々とした口調で言う。「彼氏なんていないよ。鈴谷はこんなに汚れてるし、お金は自分のために使ってる。心配してくれたの? 彼氏に貢いでいるんじゃないかって。それとも自分が彼氏になりたいとでも思ったの? 散々鈴谷を抱いてき

2015-10-07 14:45:01
洲央 @laurassuoh

たくせに。お兄さんに鈴谷の何が分かるの。何も分からないよ。一番最初の援交相手はお兄さんだった。だからお兄さんにだけ話してあげる。鈴谷ね、初めてはレイプだった。お義父さんに無理矢理された。一度されたら、もういいかなって思っちゃって、お金がもらえて気持ち良くなれるんだから、最高の仕事

2015-10-07 14:47:58
洲央 @laurassuoh

でしょ? 男の人はみんな同じ。鈴谷を見て欲情して、鈴谷にたくさんお金を出して、鈴谷に何もかも出して消える。何人と寝たのかもう数えてないけど、お兄さんが一番好きだったよ。最初の頃は、もしかしたら恋してたのかも。だけどもう手遅れ。何もかも終わってる。鈴谷はお義父さんに犯されたあの日か

2015-10-07 14:51:10
洲央 @laurassuoh

ら恋とか愛とか信じるのはやめたんだ。鈴谷の友達はみんな恋人がいるよ。寝てる子だって何人かいる。あの子たちは信じているんだ。世界の綺麗な部分しか知らないから。だけど鈴谷は咎めない。お兄さんにも文句は言わない。だって鈴谷はみんなにとって綺麗な世界の一部だから。自分の意志で誰とでも寝る

2015-10-07 14:54:21
洲央 @laurassuoh

、お金さえもらえれば幸せな女子高生だから。お兄さん、鈴谷のことは心配しないで。このホテルの、見せかけだけ豪華な部屋で腰を振る、可愛くてエッチな鈴谷だけを覚えていて。鈴谷にとって、誰かから与えられた希望は絶望と変わらないから」鈴谷はそう、一気に喋ってから「喉渇いた」と浴室へ行き、水

2015-10-07 14:57:51
洲央 @laurassuoh

道水をコップで飲んだ。どうすればいいのか、そう考えるが、どうしようもないのだ。鈴谷はきっと援交をやめられない。お金を渡せば誰とだって寝るだろう。途方もない金額を渡せば、ウェディングドレスで寝かせてくれる。将来、誰かが鈴谷に騙されて籍を入れることになる。それは自分ではないと確信する

2015-10-07 15:01:26
洲央 @laurassuoh

と共に、今この瞬間に失恋したのだと悟った。鈴谷が好きだった。身体で繋がっていたから胸の想いにずっと気が付かなかった。どれだけ深く愛しても、繋がれなかったのは心だったのだ。「鈴谷」「なに?」浴室から戻って来た鈴谷は、誰でもない誰もが知るいつもの鈴谷だった。天井のライトに照らされた綺

2015-10-07 15:05:02
洲央 @laurassuoh

麗な鈴谷だった。「来週の土曜日って空いてる?」ズボンを穿いてシャツを着る。「午前中なら空いてるよ」スケジュール帳を開いて、鈴谷は答えた。「じゃあ10時に今日のところで」「おっけ♪」鈴谷は何やら書き込むと、手帳を閉じスカートを穿いた。「お金、足りなかったら教えて」ネクタイを締める。

2015-10-07 15:07:56
洲央 @laurassuoh

「りょーかい」ブレザーに袖を通す。「それじゃあ、お先に」鞄を持って部屋を出ると、エレベーターに向かって歩く。「お疲れぃ」鏡に向かって化粧をしながら、ひらひらと振られた鈴谷の手が閉まる扉の向こうに消えた。時刻は午後5時半。もうすぐ日が沈み、街は夜の輝きを見せるだろう。きっとそこで、

2015-10-07 15:11:01
洲央 @laurassuoh

鈴谷は華麗に踊るはずだ。友達と、あるいはどこかの男と。鈴谷に昼の顔も夜の顔もなかった。プライベートなどなかった。あったのは何かドス黒い感情とそれを隠す綺麗な面の皮だけ。鈴谷は、暗闇の街灯、夜空の月明かりのように、暗くなるほど綺麗に輝くのだろう。同情してはいけない。憐みは侮蔑だ。

2015-10-07 15:16:50
洲央 @laurassuoh

ただ無関心に鈴谷の上辺だけを愛でることが、最低限できる慰めだった。 「……ラーメンでも食うか」 ホテルを出て、木枯らしの道を駅の方向へと歩きながら呟いた。繁華街の人ごみに紛れて早く鈴谷から離れたかった。都会の孤独は心地よく、夜勤明けに運動をしたせいですっかり腹が減っている。

2015-10-07 15:20:07
洲央 @laurassuoh

背中を丸めて餃子も頼んで濃いとんこつラーメンを啜ろう。家に帰ってビールを飲んで、今夜の仕事は休むとメールして眠ろう。返却日の過ぎた映画を流しながら、安物のポルノ雑誌で自慰をする。コンビニ弁当を温めて、カップヌードルにお湯を注ぐ、いつもの日々に返っていく。もう鈴谷に会いたくない。

2015-10-07 15:24:59
洲央 @laurassuoh

あの声を、手触りを、重さを、心地よさを忘れたい。連絡先を削除して、来週会いに行かなければいい。鈴谷との繋がりを断ち切るのは簡単だ。この都会ですれ違っても鈴谷は気付かないに違いない。そうすべきだ。それが一番いい方法だ。 だけど来週も、自分はあのホテルへ向かうだろう。 鈴谷を抱きに。

2015-10-07 15:27:59