1.アニメのケイオスドラゴンの作劇の話になって、自分は断片的にしか見ていないからなんとも言えないけども、TRPGやアナログゲームのプレイ体験から「ゲーマーにとって自分で悲劇を管理できることは非常に楽しい」という説を話した。特に勝ち負けを求めない(とされる)TRPGの場合、
2015-10-06 06:44:462.率先して迷惑なことをしたり死にに行くような行動を取ることでも楽しめるという性質がある。極端に言えば「死にフラグを立てる」のも楽しい遊び方に挙げられる。管理された悲劇は現実には辛くないので楽しめるわけだが、人間は「悲劇を演じること」が本能的に好きなのだ、というのがぼくの考え方。
2015-10-06 06:46:083.ところが自分で管理できない悲劇。例えば対戦ゲーム(対CPU含む)での敗北や、客として眺める物語のキャラの不幸などは自分で管理しようのない「理不尽」なので単純に辛く苦しい。辛さを乗り越えて悲劇に共感するためにはよほどの一体感がより必要だとも言える。一方、作り手の中にはたまに、
2015-10-06 06:47:234.「悲劇を描きたいがストレスを嫌がる客が多い」とこぼす人がいて、だが実際は、自分の演じる悲劇が作者にはRPG的に楽しいだけ、というケースと区別がついてないこともあるので注意が必要だ。言えるのは、キャラクターに没入できる演じ手の方が自分を辛い目に追い込んで楽しみやすいという点で、
2015-10-06 06:48:375.ストレスフリーな作劇というは、作り手側が受け手目線を持っていないと(つまりキャラを一旦「辛い目に遭わせるとなんか悪いことしてるみたいだな」と突き放せる距離感がないと)逆に難しいんじゃないか、それは評論家がよく言う自己投影や自己愛という理屈とは逆じゃね?という見方もできるわけだ
2015-10-06 06:50:436.もちろん「他人事だからこそ悲劇を楽しめる」側面もあるが、実はそれも「これは作り話(orギャグ作品)なのでオチがある」とか「こうなってしまう気持ちや理由はよくわかる…」といった構造的な理解が不可欠で、実は物語への参加度は高いとも言えるのだ(ケイオス〜の話ではなくなって終わり)
2015-10-06 06:52:37私自身はすごく悲劇が好きなんだけど、それは「上質な悲劇」に限ることで、具体的には太宰治が好きなんだけども。
2015-10-07 17:10:30悲劇について語り始めると、蒲腐博士みたいな顔しながら喋り始めるから割愛するけど、正直悲劇は楽しい。我がことのように悲劇を嘆き悲しむ自分がいる一方で、どっかに哄笑している自分がいる感覚はあるね。
2015-10-07 17:16:09@tukuyomi4731 レッドドラゴンのプレイを見ている限りでは、作家プレイヤーは「なんでもしていいよ」と言われると「1、自分から悲劇を設定する」「2、ほかのプレイヤーに物語全体の責任を押し付ける」、という傾向はありますね…。
2015-10-07 17:14:39@miyamasin うーん、それは「上質な悲劇」を提供してくれるっていう信頼があるからかもしれませんねぇ。例えば自分も悲劇を設定していく傾向ありますけど、他の人の悲劇を信頼できないときは、自分から撒いていきますし。
2015-10-07 17:18:02まあ太宰は悲劇というよりも「悲劇的」や「諦観」といった面が強いんだけどもね。どうしょうもならない現状に対して、どのような対処療法を行って、死んでいくかみたいなところあるね。
2015-10-07 17:19:45両親が太宰を卒業した太宰スキーで、家に太宰関連書籍が一冊も無いのに勝手に太宰に傾倒していった私です。
2015-10-07 17:21:04しかし、やはりエンターテイメントとしての悲劇は、かなり難しいんだと思う。実際、ただ胸くそが悪いだけの物語で、楽しいと思うことはあんまりないし。
2015-10-07 17:24:49ロミオとジュリエットの話をしましょう。ロミオとジュリエットは、敵対する家に生まれた二人で、決して結ばれぬと分かっていながら恋に落ちます。
2015-10-07 17:26:13「ロミオよロミオ、ああ、どうしてあなたはロミオなの」という有名なセリフは、この後に、あなたが家を捨てるなら、私も家を捨てましょう、と続きます。
2015-10-07 17:28:31許されぬ恋に身を焦がす二人の姿に、観客は輝かしい未来を信じたいと思いつつも、悲劇の予感を感じ取ります。こうした丁寧な描写や、下敷きになる背景によって、どんどん悲劇の予感は強まっていくのです。
2015-10-07 17:32:15上質な悲劇というのは、こういう悲劇への心理的な誘導が巧みな作品だと思うのです。これが下手くそだと、なんかのれないなーで終わってしまう。
2015-10-07 17:36:57「愛する二人がすれ違いの末死ぬ」というこれだけの文言に、人は心を打たれることはないのです。悲劇には、入念な下準備と、説得力と、美しいと感じさせる描写が必要だと思うのです。
2015-10-07 17:40:10ここまで下ごしらえをして、ようやく悲劇を楽しめるのです。なんかラストシーンでみんな死にました、みたいな安っぽい死は、ノーセンキュー。
2015-10-07 17:41:24ハッキリ言って、悲劇は難しいと思う。映画で、小説で、ドラマで、どれだけ下手くそな悲劇に付き合わされたか。特に最近の日本の映画。
2015-10-07 17:44:05なんか悲劇にしたいから戦闘とか交渉とかの手を抜いて悲劇にしますみたいなのは傍で見てて萎えるんだよな。悲劇にしたいならプレイヤーとマスターの間でそのPCだけ絶対に悲劇を逃れられない状況を示し合わせておいて欲しい。それなら俺は全力で悲劇を回避しようと試みて失敗して盛り上げるよ。
2015-10-07 17:47:47