『バケモノの子』で描かれている父子像から得られるのは、感動かモヤモヤか笑いか。

それぞれのブログにも感想を書いております。 子育て西遊記 in ケモ街diary <映画『バケモノの子』と中島敦『わが西遊記』> http://highlandview.blog17.fc2.com/blog-entry-237.html 東京都渋谷区「刀乱舞る -とらぶる- ダークネス」事件<映画『バケモノの子』の「父子」と「普通」について> http://highlandview.blog17.fc2.com/blog-entry-238.html 続きを読む
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@sakaitetsu 私のも推測ですし、その前に記憶があやふやになってきましたが、蓮は両親とも好いていたようなので、そうなるとそういう設定になるしかない気がしますね。もともと、実父を生かしたまま孤児にするが、両親をうらまない、みたいな前提条件がしんどいのですよね…。

2015-10-22 19:17:57
坂井哲也 @sakaitetsu

@highland_view バケモノの親だけにして、実父を出さないってわけにはいきませんからね…

2015-10-22 19:24:40
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@sakaitetsu 分かりやすく両親共に交通事故死にして、天涯孤独にするという選択肢はあると思うのですが、多分現実世界側のウェイトが軽くなってしまうので、楓の負担が大きくなるでしょうね。それについては、今夜『バケモノの子』記事をアップ予定なんですが、そこでも多少触ってます。

2015-10-22 19:27:33
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【ブログ更新】東京都渋谷区「刀乱舞る -とらぶる- ダークネス」事件<映画『バケモノの子』の「父子」と「普通」について> highlandview.blog17.fc2.com/blog-entry-238… 我ながらひどいタイトルだけど、内容はもっとひどいよ。というか長いよ。

2015-10-22 22:42:19
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夏休み映画だから仕方ないんだけど『バケモノの子』は、ハロウィンの渋谷でバケモノが子供を拾ったり、白鯨が出現したら良かったかもね。蓮が渋天街へ行く時は何も無かったのに、8年後の渋谷に帰ってくるとバケモノ(仮装)だらけで浦島太郎状態になったり。それなら渋谷と時の流れがより生きたかも。

2015-10-31 19:35:12
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私も含めた周囲での『バケモノの子』語りブームは3ヶ月ぐらい遅い。が仕方ないので続ける(笑)。ラストの熊徹と九太の一体化が、父側、独身男性、そして若い年齢層、いずれでも基本的には受け入れられている印象を受ける。個人的には否定的だが、このラストが求められていることは確かなんだろうな。

2015-11-02 10:15:27
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その事実を受け入れた上で考えると。この映画には実父も登場しますが、彼はラストには一切関与しない。熊徹と九太の関係に理想的な父子を見てもいいけれど、見ている方のほとんどは、熊徹よりはこの実父に近いんだろうと思うんですよね。幻想の昭和親父よりは、どちらかといえば。

2015-11-02 10:22:19
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この映画での実父は久しぶりに会う子供との距離感が上手くつかめず、意思を尊重しているようで、その心に土足で上がりこまない代わりに踏み込まない。そして大事なことは、子の本当のピンチには二度とも駆けつけない。一度目のピンチは母が死んで孤児になる9歳。二度目は渋谷で死にかけるその8年後。

2015-11-02 10:26:00
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その二度のピンチを救ったのは、もちろん養父となった熊徹。私なんかは子目線でも親目線でも熊徹との一体化に反発を憶えますが、実際に見た若い年齢層(子供)からすると、血縁としての父親よりは、実際に手を差し伸べてくれる赤の他人との関係の方がまだ信用できるのかも知れない。

2015-11-02 10:32:11
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九太は熊徹と一体化し、その後は実父と暮らし始める。で物語は終わるわけですが、これ逆に言えば、心の中に熊徹がいないと実父と暮らしていけない、ということでもあると思うんですよね。だって二度とも自分を助けてくれなかった父ですからね。実父と関係のないものが心の中にいて初めて安定している。

2015-11-02 10:40:09
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前述のように、現実の父親は実父に近く、だからこそ幻想(理想)の父親として熊徹が機能している、というのを前提に、ラストの同居を考えてみると(現実の)父親たちを甘やかしてはいないのかも知れない。もちろん、熊徹の方へ感情移入して感動することはできるし、実際そちらへ誘導してはいるけれど。

2015-11-02 10:48:27
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このような構造だからこそ、ラストの渋谷でTVニュースの映像に逃げる蓮を見つけた実父が仕事もそっちのけで自転車を漕いで渋谷に駆けつけるという展開はひとつのパターンとして考えられる。蓮より弱い実父が行っても何にもならないが、それでも駆けつける。そこで致命傷の熊徹と実父が渋谷で出会う。

2015-11-02 10:55:35
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映画では熊徹の自己犠牲は、単に熊徹の独断で行われたが、実父と熊徹が出会うパターンなら、父同士の「誰が父で誰が助ける」という激突の後、父親間の父権のスイッチという形でスムーズに役割分担が行われるかも知れない。その場合、蓮の救出は、2人の父親による共同作業ということになるだろう。

2015-11-02 11:02:11
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これは単にひとつの例だが、九太と熊徹の一体化ではなく、実父(現実)と熊徹(理想・幻想)の一体化に見せることができるかも知れない。現実と理想は、この映画の渋谷と渋天街のように離れているが、最後に2つの世界が少し近づくというような形で。これなら実父とのその後の生活も全く問題は無い。

2015-11-02 11:05:35
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だけど実際の映画では、二度目のピンチに今度こそ駆けつけるという機会すら実父には与えられてはいない。これは尺などの要因もあるだろうけど、そもそもそこで実父を救う映画ではないのだと思う。はっきりいえば、母親は選べないけれど父親は選べる。だから人生の父親は自分で見つければいいという話。

2015-11-02 11:20:49
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『バケモノの子』は、子供に対しての血縁の実父より、自分にとって適切な父親(師)を探せ。それは複数人でも、バケモノですらいい。というメッセージは正しいと思う。私は熊徹と九太の一体化を、親離れ・子離れ観点から疑問視していたけど、実父に視点を置けば最初から親離れを勧めている事が分かる。

2015-11-02 11:29:25
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熊徹は幻想の父親だ。だからこそ今は存在していない古臭い頑固親父のような造形で構わない。ただし、だからこそ見てる男性(父親含む)たちは熊徹に過度に感情移入して一体化して永遠に心の中に生きる展開に感動しすぎない方がいい。この映画には実父がちゃんと出ている。そちらもちゃんと見るべきだ。

2015-11-02 11:32:56
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もちろん、普通に見れば、熊徹と九太親子にスポットが当たっているので、熊徹に感情移入して感動して泣けるんだろうと思う。でも、それは細田監督からしてみたら計算通りみたいなもので、幻想の父だけでなく、きちんと現実での父も登場させている。そのあたりが大人(男性)向け目線かなと思いますね。

2015-11-02 11:36:11
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先ほどの「母は選べないが、父は選べる」話でいけば、『おおかみこどもの雨と雪』でも、母と全く関係ないところで、男の子の雨が父親(師)を見つけて、子離れしようとする。そして母が、子供の選択を承認して、子を手放す。母の映画は、父とは違い、母が子を手放すシーンが必要なのかも知れない。

2015-11-02 11:39:57
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男の子が、親と関係ないところで父親(師)を見つけて独り立ちする、という所は『おおかみこどもの雨と雪』も『バケモノの子』も同じ。そのとき母の場合、子を離さない。で最終的に独立した個人として承認し、自分を不要な存在として子離れしたので、花さんはえらい。父親パターンではどうか。

2015-11-02 11:44:00
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『バケモノの子』だと、最初から実父を頼ってない。多分、父はそういうものと言う認識の元、外部で父(師)を見つけ、父の知らないところで勝手に大人になる。蓮ははっきりいって、もう一人暮らしできる。父と同居するのは、もう蓮側の優しさと心の中の熊徹のおかげといっていい。実父は何も知らない。

2015-11-02 11:46:50
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最初に書いたように、最後の実父との同居は一見めでたしめでたしだけど、かなりシビア。子供側が大人になっている前提での温情で成立している。熊徹と九太という、世の男性が喜びそうなものを与えながらも、細田監督自身は、現実の父(自分)はこの実父程度のもの、と思ってるんでしょうね。多分。

2015-11-02 11:52:18
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ここまで熊徹と九太の一体化を肯定した上で、実父視点から改めて考えてみましたが、これはひねくれた見方であって、映画の中心たる熊徹と九太の関係をある種のファーザーポルノ的なものとして批判はできるとは思います。そんな言い方あるかどうか知らないけど。子供目線では全く問題ないですけどね。

2015-11-02 11:58:01
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ただ「見たいもの」「気持ちいいもの」を提供するという意味では、それで50億円以上稼げるわけですから、まさにバケモノですよ。そして、それでありながら『千と千尋の神隠し』のように、異世界に行きて帰りし物語にするのではなく、2つの渋谷を行ったり来たりする物語である必要があるのか。

2015-11-02 12:00:41
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そこがやはり細田監督の特徴というか、幻想に2時間行きっぱなしの方が快楽度は上かも知れませんが、それはしたくないんでしょうね。実父を省くプロットを作れるこの映画でも、現実の渋谷と実父を見せています。ただ、むしろ幻想側、渋天街とバケモノの設定と魅力がイマイチなのはフォローしませんが。

2015-11-02 12:04:31