うがやさん@hirougayaの語る、『カレンダー式報道とその弊害』

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永山薫マンガ論争編集長 @Kaworu911

@hirougaya ペンネームですが、主にこの名前で仕事をしております。私が「事実を知らない」とおっしゃいますが、「事実」を教えていただければ幸いです。

2011-01-13 14:28:23
烏賀陽 弘道 @hirougaya

@Kaworu911 拙言お気に触りましたらご海容ください。(1)「広報」とは自己の組織の公的/対外的な認識の向上のために、その組織の所属員がその作業に従事することをいいます。また「マン」と語尾につけるのは、その職業を専門職として誇りとする、あるいは一生従事する者を指します。

2011-01-13 17:54:17
烏賀陽 弘道 @hirougaya

@Kaworu911 が、残念ながら、記者クラブ所属の記者たちが官庁や私企業に「移籍」してその組織の広報を専業として従事したことはありません。また報道の内容が「広報」と呼ばれるものは、例外はあるものの、ほとんどありません。なぜそう言えるかというと「政府公報」「企業広報」(続く)

2011-01-13 17:56:02
烏賀陽 弘道 @hirougaya

@Kaworu911 というものが存在し、その内容や文面を見れば、それは新聞やテレビの内容からは著しくかけ離れていています。よって新聞やテレビも「広報」と呼ぶには根拠が足りない。

2011-01-13 17:57:06
烏賀陽 弘道 @hirougaya

@Kaworu911 となれば、広報マンと永山氏が記述するのは、おそらく「比喩」だろうと、好意的に理解するのが妥当です。つまりこれは「事実Pの性質を述べるために、類似の他の事実Qを外形的に描写」しているのだろうと解釈してさしあげるのが妥当と存じます。

2011-01-13 17:59:07
烏賀陽 弘道 @hirougaya

@Kaworu911 しかし、このPとQの間の関連性は主観的な判断にすぎません。つまり比喩は事実ではなく感想、印象を記述した範囲なのです。

2011-01-13 18:00:12
烏賀陽 弘道 @hirougaya

@Kaworu911よって「記者クラブ制度に寄りかかって、広報マンと化している記者たち」という記述は事実を示しているのではなく「記者クラブにいる記者たちはまるでその組織の広報社員のようだ」という比喩を使った印象、感想に記述ということになります。

2011-01-13 18:05:33
烏賀陽 弘道 @hirougaya

@Kaworu911 また、その理解を超えるほどの何か重大な事実の指摘があるのかと思ってツイートを遡っても、その形跡がありません。

2011-01-13 18:06:03
烏賀陽 弘道 @hirougaya

@Kaworu911 (2) 「海外の取材事情との比較で論じても無意味」は海外の取材事情と比べることがなぜ無意味なのか」が不明です。また「意味がゼロ、まったくない」と断じるのも、威勢は良いが、論理的には不可能でありましょう。

2011-01-13 18:08:12
烏賀陽 弘道 @hirougaya

@Kaworu911 また東京都青少年条例育成改正の話は論点でもありません。記者クラブの動きは全然知りません。ほかの記事と同じように、報道の内容が拙劣であることは知っていますが、その問題点はあまりに多岐にわたる。

2011-01-13 18:12:14
烏賀陽 弘道 @hirougaya

@Kaworu911 私が思うことは「読者以外に出版物が読むに値するかどうかを判断するべき主体はない」「よって法律で規正するのは間違い」「愚かな出版物なら読者が見て淘汰すればよい」ことです。

2011-01-13 18:12:32
烏賀陽 弘道 @hirougaya

@Kaworu911 私は今回の条例改正に反対している人たちとの連絡や個人的関係はありませんが、彼らが守ろうとしている表現文化や、表現/出版の自由、いかなる「悪書」であろうと読者が読んで判断する権利は全力で擁護し、守ろうと思います。そんなところでしょうか。ありがとうございます。

2011-01-13 18:14:34
烏賀陽 弘道 @hirougaya

最大限好意的に解釈しましたので、誤解があるかと思います。その場合はご容赦ください。

2011-01-13 18:15:53
烏賀陽 弘道 @hirougaya

私も比喩として、記者クラブのメンタリティを知らない人にわかりやすく説明するためには「記者クラブの記者ってのは、あれはその官庁や企業への出向社員ですよ」と冗談半分でいいます。しかしそれは(毒を含んだ)比喩、冗談、ジョークのたぐいであって、事実の記述とは言えません。

2011-01-13 18:17:46
烏賀陽 弘道 @hirougaya

印象だろうと感想だろうと、ご自由に発言されればいい。受け取る方は「感想ですな、それは」「それはあなたの印象であって事実や論とは無関係ですね」と聞き分ける必要がある。これは先に言いました。

2011-01-13 18:21:50
烏賀陽 弘道 @hirougaya

話は変わって。きょう1/13日付朝日新聞朝刊はひどい。「カレンダー式報道」=「あれから〜周年」「〜まであと何日」が三つもバッティングしている。「阪神大震災から16年」「ハイチ地震から1年」「スカイツリー開業まで×日」だ。

2011-01-13 18:23:44
烏賀陽 弘道 @hirougaya

詳しくは拙著「朝日ともあろうものが。」を読んでいただきたいのですが、「〜から×年」式に毎年回顧記事を囲み、ワッペンつきで掲載する記事様式を私は「カレンダー式報道」といいます。私が勝手につけた名前ですが。

2011-01-13 18:25:11
島田聡 SHIMADA Satoshi @shimada_satoshi

それなら今度は「新聞滅亡まであと何日」が良いかも(笑)RT @hirougaya 話は変わって。きょう1/13日付朝日新聞朝刊はひどい。「カレンダー式報道」=「あれから〜周年」「〜まであと何日」が三つもバッティングしている。「阪神大震災から16年」「ハイチ地震から1年」...

2011-01-13 18:26:34
烏賀陽 弘道 @hirougaya

これはたとえではなく「〜から×年」の記念日には、社会部のデスク席の横にあるカレンダーにでかでかと赤い丸がつけてあったからそう命名しました。

2011-01-13 18:26:59
烏賀陽 弘道 @hirougaya

こうした「記念日」には、あらかじめ取材した記事が出稿されるため、紙面が埋ってデスクは作業がラクなのです。

2011-01-13 18:27:44
烏賀陽 弘道 @hirougaya

「終戦記念日」「ヒロシマ・ナガサキ」がカレンダー式報道の代表ですが、だんだんこの手法は無原則に拡大し、「日航機墜落から×年」「尼崎脱線事故から×年」とどんどん増えました。当たり前ですが、年月を経るごとに「大事故/大事件記念日」は増えるからです。

2011-01-13 18:29:23
烏賀陽 弘道 @hirougaya

こうしたカレンダー式報道は「事件を風化させないため」という美しい理由づけがされますが、現場にいた記者である私は「こうして準備しておくと当日の紙面作りがラクだから」という表立っては言えない裏の理由があることも知っています。

2011-01-13 18:30:43
烏賀陽 弘道 @hirougaya

あらかじめできあがった「缶詰」のような原稿を載せるですから、その日に起きた発生ものニュースより臨場感や鮮度はありません。しかし「その日に載せるべきもの」であるという条件は満たします。

2011-01-13 18:31:54
烏賀陽 弘道 @hirougaya

もうひとつの理由は、日々の紙面の確保競争で「〜から×周年ものを出稿します」といえば、その過去の事件のニュース価値がそのまま敷衍され、他部や他クラブとの競争に勝てます。そうした新聞社内の官僚制度、セクショナリズムの力関係から産み落とされるのが、こうしたカレンダー式報道なのです。

2011-01-13 18:34:30
烏賀陽 弘道 @hirougaya

しかし落とし穴もあります。事件から年数が経つと、「過去にやってないネタ」がなくなるのです。最近ではヒロシマナガサキ企画を担当する記者(核問題取材班、などと言います)はネタがなく、呻吟するそうです。

2011-01-13 18:35:53
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