『もんじゅの廃炉は日本の原子力開発史の中でも最大級の転換点となる。が、これでサイクル政策が破綻するというのは甘い。』コロラドさん解説(2015.11.5作成)

Hiroshi Makita Ph.D. 誰が日本のコロナ禍を悪化させたのか？扶桑社8/18発売中 @BB45_Colorado

文殊の廃炉は日本の原子力開発史の中でも最大級の転換点となるだろうが、これでサイクル政策が破綻するというのは甘い。 高速増殖炉実証炉は、大間ATRの事例をみれば、引き受ける民間事業体はあり得ない。かりに文殊が三度可動にこぎ着けたとして、原子力船むつと同じ運命をFBRもたどる。

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なにより、六ケ所村核燃サイクルコンビナートは、軽水炉専用であって、高速増殖炉燃料を再処理できない。故に、既存のプルサーマル自体に文殊の事業中止は何ら影響しない。 既に経産・エネ官僚は文殊計画中止後のプルサーマルのみでの六ケ所村事業継続の理屈を作り終えていると考えるべきだろう。

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プルサーマルは、利得が1.1で、ウラン資源を90年から100年へと1割だけ延命するだけの効果に対して、六ヶ所MOXは二酸化ウラン燃料の数十倍の価格となるため、経済的にもエネルギー量論的にも全く無意味、無価値であり、電力コストを激増させ、巨大な核拡散リスクを抱え込むだけである。

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訂正 プルサーマルは、利得が0.1で、ウラン資源を90年から100年へと1割だけ延命するだけの効果に対して、六ヶ所MOXは二酸化ウラン燃料の数十倍の価格となるため、経済的にもエネルギー量論的にも全く無意味、無価値であり、電力コストを激増させ、巨大な核拡散リスクを抱え込むだけ。

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しかし、電力会社にとっては日本原燃への巨額の出資が紙くずになる事は、株主に対する責任問題となるので、なんとしても避けたい。 また、六ヶ所サイクル施設が止まれば、使用済み核燃料が溢れ返り、ほぼ全ての原子力発電所が停止する事となる。 青森県から返品される使用済み核燃料も膨大だ。

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日本人は、軽水炉プルが核拡散耐性を持つという自国内向けのプロパガンダで自己催眠に陥っているため、余剰プルが50トン近く積み上がってる事を甘く見ている。また、欧州依託MOXですら、燃料費5倍、六ヶ所プルでは数十倍になる事を知らない。これも自己欺瞞の積み重ねによるもの。

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普賢(ATR)は、極めて優秀なプルトニウム焼却炉であったが、経済的理由から大間ATRを事業中止し、結果として余剰プルを減らす事は不可能になっている。既存炉でのプルサーマルを行っても、再処理する限りプルは増え続ける。大間ABWRがフルMOXになるまで何十年もかかる。

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そもそも、大間ABWRがフルMOX稼働しても、六ケ所村再処理が稼働すると、余剰プルの完全処理には50年以上かかる。1/3MOX期間を勘案すると、60年の炉寿命では間に合わない。 なお大間が燃やすのは、価格数十倍の六ヶ所プルが多くを占めるため、大間の発電原価は太陽光より高くなる。

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ここで忘れてはならないのは、使用済みMOXは、マイナーアクチニド(MA)の蓄積によって再処理が出来ない事。例え無理に再処理しても、出来た燃料は、MAの核毒効果で軽水炉では安定した核反応をしない。 FBRか黒鉛炉でないと燃やせないのだ。 更に現時点でドライキャスク収納できない。

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要するに、仮に高速増殖炉計画が中止になったとして、プルサーマルでサイクルをまわしても、順調に行っても20年程度で使用済みMOXで全サイトは飽和してしまうという事。 結局、数十トンから百トンの余剰プルを残して日本の商用原子力利用はTHE END。

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高速増殖炉と新型転換炉を排除しては、日本の原子力利用はあと四半世紀程度で完全に破綻するのは自明。そして、両者ともに破綻している。 しかしその25年間、責任を回避し続ければ墓の中か年金生活に逃げ込めるのでその間の時間稼ぎだけをしたいという保身が官庁と電力、原子力産業に蔓延っている

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まさにインパールの牟田口そのものだが、こういう連中が政府、業界に犇めいており、例え文殊を事業中止してもトカゲのしっぽきりでしかないだろう。

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プルトニウムは、極めて高価格で、核燃料になり得ない。 この事は、70年代末には合衆国が結論づけ、英国のサイクル破綻でも実証されている。 核燃料サイクルは無意味。 プルトニウムの使い道は核兵器しかないといって良い。そして抽出プルのNPT耐性は著しく低い。

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@jiroshiba 文殊どころか、常陽の維持すら出来ない日本人に、ナトリウム炉は手に負えないでしょう。 プルを潰すなら重水炉で十分と思います。深刻な核疑惑対象になりますが。

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ASTRID jimin.jp/policy/policy_… フランスのスーパーフェニックスの後継だが、スーパーフェニックスの出力不安定などの重大問題を自民党は知らずに、またぞろ文殊で大失敗した一連の計画の焼き直しにしがみついている。全部失敗して、今世紀中どころか来世紀でも無理。

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1GWeのフルMOX軽水炉は、およそ10tの再処理プルを要する。これで3年運転。 さて、六ヶ所再処理工場は、40年寿命で40兆円の生涯費用。稼働率最大で1年に8tのプルを産み出す。要するに、プルは1tあたり1250億円となる。要するに、3年分のプルの費用だけで1兆2500億円。

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要するに、プルトニウムの値段だけで1年あたり4200億円/GWe。燃料加工費などは一切含めない。核燃料の費用は100~200億円/GWe程度なので、プル再処理費用で燃料費が20~40倍。 1GWeの原子炉を1年運転すると、二千億円程度の売り上げなので、売り上げでプル代すら出ない。

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大間ABWRが電発の経営を崩壊させると言うのはこれが理由。 フルMOX運転で、恐らく、年間三千〜5千億円の赤字を垂れ流す。

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実は、サイクル工場のデコミッション費用は40兆円と言う試算もあって、この場合、サイクル工場の生涯費用は、最低でも50兆円。こうなると、更にプルの価格は跳ね上がる。更に、サイクル施設の稼働率が半分になれば、総費用は変わらないが、生産量が半減するので、価格は倍になる。

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FBRとATRは、増殖率（転換比）を極小にする運用をすると、優れたプルトニウム焼却炉。 但し、極めて高価に付く。

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プルサーマルは、電力会社を破滅に追い込む地獄超特急なのだが、電発にそれを押し付けたのはあざとい。 原電にしなかったのは、原電では一撃で倒産して、電力で分担している持ち株が蒸発するからだろう。 電発なら、石炭火力と水力の利益で大間の巨大赤字を多少は埋め合わせてゾンビとして残る。

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電事連が、大間ATRの引き受けを拒否したのは極めて正しい。 当時、東電を筆頭に核燃料サイクル中止の意向が強かった。 通産省に押し切られた形。 それが今の地獄のような状況。 あほたい。

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大間ATRのプル消費量は、フルMOX運転で4.5t/y程度。簡単のため5tとする。 現状で日本の余剰プル保有量は50tあり、大間運開の2025年頃には60tに増大しているだろう。 六ヶ所プルがそれまでに40t生産されているとして100t。六ヶ所プルがフル生産で8t/年。

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仮に10基の原子炉が1/3MOX運転しているとしてもその多くは2035にほぼ全て廃炉。要するに、プルサーマルサイクルを継続する限り、プルは殆ど減らない。