《友達の恋》つづき

しんごのやつのつづきです
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hikari♡∞妄想♡ @love_kamome

《友達の恋》side-B 189 「立ってよ」 信ちゃんはおとなしく立ち上がった。 「私が...浮気とかダメなタイプだって知ってるよね?」 「...はい」 「前にさ、元カレに浮気されたとき、俺んとこに来いって言ったよね?」 「.........」

2015-11-18 23:18:03
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《友達の恋》side-B 190 「なに同じことしてくれちゃってんの?ばっかじゃないの」 「.........」 「だいたいさ、ごはん食べてるかって気にするとこ違くない?」 立て続けに言ったら、少し...すっきりした。 「そらお前...メシ食わな動かれへんやんけ」

2015-11-18 23:18:31
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《友達の恋》side-B 191 信ちゃんが突然、とんちんかんなこと言う。 「お前.........男とうまくいかんようになったら毎回ガリガリなるやん。だから...」 なにそれ。 そんなどうでもいいこと覚えてるくせに...。

2015-11-18 23:18:40
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《友達の恋》side-B 192 気づいたら、手が勝手に動いて...。 パンって小気味いい音がして、ひっぱたいてた。 「痛っ...」 「アホか俺の方が痛いわ...」 ふたりで床にうずくまる。 .........。 え、あれ、私今...。

2015-11-18 23:18:49
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《友達の恋》side-B 193 「ごめん、大丈夫!?顔...赤くなってる、うわ...」 左の頬が赤く熱を持ってて、手首が当たった顎の上の方はこれから青くなりそうな...。 「大丈夫やって、ちょ...落ち着け」 「見てないからだって!ちょっと氷持ってくるから!」

2015-11-18 23:18:58
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《友達の恋》side-B 194 立ち上がった私の手をぐいって引っ張った。 「大丈夫やから...ちょっと...ここおって...?」 そのまま、抱きしめられた。 「ダメだって...明日も仕事でしょ?」 「なんとでもなるわこんなん」 赤くなった頬をなぞってみる。

2015-11-18 23:19:10
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《友達の恋》side-B 195 「やっぱダメだ。信ちゃん、こんなんじゃ仕事なくなっちゃうよ」 そう言うと、信ちゃんは私を抱きしめたまま、仰け反って笑った。 「はぁ...お前はほんま...ええ女やなぁ...」 痛いくらいに抱きしめられた。

2015-11-18 23:19:22
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《友達の恋》side-B 196 ねえ...ずるい。 だって私...。 まだ...許したわけじゃないんだから......ね...?

2015-11-18 23:19:30
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《友達の恋》side-A 217 「おぉ、飲んでくだろ?」 店はすっかり営業が終わったようで。 お父さんは俺の腫れた頬には目もくれず、そう言った。 「すんません、今日車で来てもーて...」

2015-11-19 22:13:44
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《友達の恋》side-A 218 なんだよ、気ぃきかねえオトコだなおい。 楽しそうにぶつくさ言ってるお父さんを遮って、あいつが言う。 「あ、もしかしてトリッパ?」 あいつは厨房にずかずか入ってって、鍋を覗き込む。 「もらってっていい?」 「お前、俺の酒のアテ...」

2015-11-19 22:13:58
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《友達の恋》side-A 219 いいじゃん、信ちゃんも食べたいって。 あいつはそんなこと言いながら魔法瓶みたいなのに鍋の中のもんを勝手に詰めて。 「じゃあね、ありがと」 「ちっ、信ちゃんよ、なんとかしてくれこのバカ娘」 いやいや...バカは俺やし。

2015-11-19 22:14:09
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《友達の恋》side-A 220 でも...お父さんの大事な娘、俺も同じくらい大事にさしてもらいますんで。 「おぅ、ついでに外の電気消しとけ、バカ娘!」 厨房から大声でお父さんに見送られて、駐車場まで歩く。 「今度さ、飲みに来てあげて?」

2015-11-19 22:14:26
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《友達の恋》side-A 221 「せやなぁ、4人で飲むか。お母さんも一緒に」 「ちっがうよ、お父さんは信ちゃんと飲みたいの」 鈍いなぁ、もう。 あいつはいつものように、歌うように言う。 安心すんねんなぁ...やっぱ。 こいつが隣におらな、俺やない気がすんねん、もう。

2015-11-19 22:14:41
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《友達の恋》side-A 222 「もう...全部言うた?言いたいこと」 「えぇ?」 車のロック解除したら、あいつが助手席のドアを開ける。 何度も繰り返したふたりのリズム。 「二度目はねぇぞ」 凄んだ表情で、お父さんそっくりの口調でそう言って、車に引っ込んだ。

2015-11-19 22:14:58
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《友達の恋》side-A 223 もちろん...分かってますとも。 「...分かんないようにしてよ」 「え」 「女の子と遊ぶなら。分かんなかったら別に...いいから」 まっすぐ前を向いたまま、シートベルト締めた。 惚れた女にこんなん言わすって、サイアクやな、俺...。

2015-11-19 22:15:14
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《友達の恋》side-A 224 「そんなんせーへんって」 「言っとくけど、今ぜんっぜん信用ないからね」 そらそうか。 こっから一個一個、また取り返していかなあかんなぁ。 「後は?」 「そうだなぁ...あ、言ってないこと、一個あった」 なんかニヤニヤして外見てる。

2015-11-19 22:15:25
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《友達の恋》side-A 225 「知りたい?」 なんやねん、それ。 「好きだったんだよね、信ちゃんのこと」 は? なにその過去形? めっさ怖いんですけど...。 「あ、違うよ、今じゃなくって、昔。すっごい前の話」 「うそやん、知らんで、そんなん」

2015-11-19 22:15:40
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《友達の恋》side-A 226 「言ってないもーん」 車の窓から、ネオンが賑やかな街を見上げて嬉しそうに言う。 「しかもあのとき、信ちゃん女子大生に夢中だったしね」 「おま、それめっちゃ昔やん」 もう...10年くらい前...?

2015-11-19 22:15:54
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《友達の恋》side-A 227 「私結構アピってたつもりだったんだけどな、信ちゃん全然気づかないんだもん、最低」 「そら、お前やって変な売れてないバンドのギタリストと付き合うてたやんけ」 「ギタリストじゃないですベーシストですー」 ナビを無視してハンドルを切る。

2015-11-19 22:16:11
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《友達の恋》side-A 228 「ちょっと、道違わない?」 「向こうのスーパーまだ開いてるやろ」 「えぇ?」 「ワインでも買うてやな。お父さんにつまみもろたし」 その話、詳しく聞かしてもらわな眠れんし。 あいつはそれ以上何も言わんかった。

2015-11-19 22:16:37
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《友達の恋》side-A 229 何から何まで...。 こいつにはやっぱり敵わんなぁ...。 「何にやけてんの?気持ち悪い」 10年越しの告白、しっかり受け止めました。 10年先も、50年先も、ずっと一緒に飲んで食って笑って...。 って言うのは、家着いてからにしよ。

2015-11-19 22:17:05
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