承前)そうすると、ウイルス粒子が抗体と一緒くたになった大きな「塊」が出来る。こういうのを「抗原抗体複合体」と呼ぶのだけど、こうなると菌やウイルスは身動きしづらくなり感染しにくくなる。水に溶けにくい大きな塊になると、マクロファージなんかの食細胞が食べて排除したりもする(続
2015-12-08 22:22:50@Butayama3 そういうことです。でも、じつは抗体の仲間にはこの「捕獲能力」がもっと凄いヤツが。ヒトの抗体はFc領域の違いから、IgG、IgM、IgA、IgD、IgEの5タイプに分けられ、それぞれ機能に違いがあるのだけど(続
2015-12-08 22:26:03@Butayama3 このうちIgMは、基本ユニット5つの力を一つに合わせて、叫べ勝利の雄叫びを秘密戦隊ゴレンジャ…もとい、基本ユニット5つが一つにくっ付いてるので、抗原結合部位は何と一分子に10個。
2015-12-08 22:29:34@Butayama3 それな。それがIgM。あと、そこまでではないけどIgAも、粘液中に分泌されるものには、基本ユニット2つがくっついて、合計4つの抗原結合部位を持つものがある。これが「分泌型IgA」つって、粘膜での感染防御で大活躍するタイプ。
2015-12-08 22:33:01@Butayama3 ちなみに、IgMや分泌型IgAは、抗体の中では、感染後の割と早い段階から増えてくるタイプなので、こうした「凝集作用」は、割と感染初期(自然免疫から獲得免疫に入ったくらいの段階)の防御手段として有効だと考えられてる。
2015-12-08 22:36:54児島ちゃんがんばって。
抗体がほかのタンパク質と違う働きをする理由もわかっていない。というか、タンパク質におしごとの種類がいろいろある、というのもいま理解したところ(どんなおしごとかはわかっていない
2015-12-08 22:41:34@cozytheremin @Butayama3 分泌型IgAが活躍するのは、どっちかというと気道粘膜とか、その辺ですね。だから気道に感染するタイプの病原菌には、このIgAに対抗するための武器(IgAプロテアーゼというタンパク分解酵素など)を持ってるヤツがしばしばいます。
2015-12-08 22:41:42そうそう。タンパク質は美味しいだけじゃない。
@cozytheremin @Butayama3 抗体を「飛び道具」つったのは、そこです。抗体は形質細胞(B細胞がレベルアップ?したもの)が、細胞の中でどんどん作って、外に分泌しまくってます。出したら出しっ放し、再生はされませんが、壊されるよりたくさん作ってたら打ち勝てる(続
2015-12-08 22:45:55@cozytheremin @Butayama3 承前)でもまぁ、そういう武器を持ってる菌には、また別の方法で攻撃する方が効率がいいので、そのために抗体にもIgA以外に何種類もあり、抗体以外にもいろんな手段があるのが、免疫という「多段構えの防衛システム」なのです。
2015-12-08 22:48:13@y_tambe @Butayama3 何種類も、というのは先ほどのツイートで挙げられていたののことですか?それはどういう条件で分かれるのでしょうか…
2015-12-08 22:55:32@cozytheremin @Butayama3 はい。つっても、基本的には感染防御で働くのは、IgG、IgM、IgAの3つ。IgDは、じつは体内で作られる量は少なく、機能はよくわかってません。IgEは元々、寄生虫防御に働いてたと考えられてますが、今は花粉症で悪さするのが有名に。
2015-12-08 23:03:29@cozytheremin @Butayama3 代表的なのは「食べてやっつける」食細胞(マクロファージや好中球)とか、癌細胞やウイルス感染細胞を見分けて攻撃するキラー細胞(キラーT細胞、ナチュラルキラー細胞)。他にもこの後話す「補体」や、こないだ少しでたToll様受容体…と色々
2015-12-08 23:06:49