一方、数学者からロジックへの歩み寄りは無いわけでもないです。o-minimalの手法を用いてディオファントス幾何の未解決問題を部分的に解決したJonathan Pilaは、元々は純粋なディオファントス幾何の研究者でした。
2015-12-18 00:51:42ところで余談ですが、Pila-Wilkieの論文においては、そこまでヘビーなモデル理論は必要としていません。論法としては十分な飽和性を持った基本拡大をとってごにょごにょする、といういつものアレです。なので、ロジックの使用が本質的かどうかはいささか疑問であることを付言しておきます。
2015-12-18 01:36:14また、(話は戻りますが、)ロジックから数学への歩み寄りの例として先ほど挙げた中の「+α」の部分ですが、Olivia Caramelloは圏論的論理学とトポス理論の手法を用いた代数幾何の研究をしています。
2015-12-18 00:57:592016/04/07追加
「数学ってまだ研究することあるの?」って訊かれたら、という文脈で
数理論理学的な興味に基づく問題というのは結構あるけど、一方で基礎論と数理論理学がほぼイコールだった時代に比べればいわゆる「基礎論的」な問題意識はそこまで多くはなくなってきている。とはいえ、ホモトピー型理論はじめ、今でも続いてはいる。
2016-04-07 06:02:04集合論でも、唯一の "the Universe" 観を採るのか、それとも "multiverse" 観を採るのか、というのはでも広い意味で基礎的な問題意識といえるか。どちらの問題意識に基づいた数学的研究課題もあり、どちらの意識に基づいても、なくても、どちらも数学として研究はできる
2016-04-07 06:08:40ぼくは "the" Foundation とか "the" logic みたいなのではなくて、もっと考察対象や応用範囲に応じて基礎として使う理論と論理を使い分けてもいいと思うんだよなー。今回環は可換で整域としますとか空間はHausdorffとしますみたいに。
2016-04-07 06:13:41今日は選択公理認めませんとか排中律否定しますとかカジュアルにあっていい。しかし、カジュアルにそれをやると話をするときにお約束を確認するのが大変になるとか、混乱してごっちゃになりやすいという問題があり、標準的な枠組みは決まってたほうが楽なので、ZFC+圏論少しでやるのが業界標準。
2016-04-07 06:16:11しかし、では極限に基づく古典論理上の ε-δ 解析と、冪零無限小に基づく直観主義論理上のなめらか無限小解析どっちが何に向いてるのか、あるいはZFCの下で古典的な測度論や関数解析をやるのと決定性公理の下でやるのとどっちがいいのか、となるとわからんな……
2016-04-07 06:20:43Π_2-文に苦しむ余りε-δを理解できないなら、直観主義論理上の冪零無限小解析を教えればいいのでは!!!と思ったけどその考えを実践して他学科の解析の授業を冪零無限小でやってる先生、本学にいらっしゃいますね……
2016-04-07 06:26:31明確な移行原理がある分、超準解析のほうが良い気がするが、「自乗すると消える」という無限小さは漠然と無限小である超準解析より明快な感じはするし証明は簡単になる傾向はある(ただし排中律は使えない)
2016-04-07 06:30:30※SIA=Smooth Infinitesimal Analysis
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