【忍殺二次創作】ザ・エクスプロージョン・オブ・トゥウェルヴ・ニンジャ・ヘッズ#4【本編のみ】

とんぼがえり @lilivid

空中に跳んだダッドボムにとって、防御への移行は実質不可能。砕けんばかりに歯を食いしばる！(((チクショウ！だが、まだ分からんぞニンジャスレイヤー＝サン！俺がキサマの首を跳ね飛ばすのと、どちらがハヤイかの勝負だ！)))爪先が死神に迫る。メンポまで僅かタタミ1枚分！48 #tmbnj

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スリケンの気配は未だ後方。「これがキサマのコウボウ・エラーズよ！キサマの首を持ってイモチ・ヤクザクランは復興し、君臨する！死ね！ニンジャスレイヤー＝サン！死ねーッ！」トビゲリはもはや死神の眼前。「忍」「殺」の文字が彫られた禍々しきメンポを打ち砕かんとする！49 #tmbnj

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だが、その爪先がニンジャスレイヤーの首を刎ねる事はなかった。「イヤーッ！」死神は片膝立ちの姿勢のまま、変形のブリッジ回避！トビゲリ進行に合わせ、とその首が遠ざかっていく！「バカなーッ！」キンボシが遠ざかる。スリケンの気配は……今や1080度全周！「グワーッ！」50 #tmbnj

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見据える先には、ブレイクタイム。現在この場において、カラテでニンジャスレイヤーに立ち向かえるのは彼だけだ。サイバネ左腕に突き刺さったスリケンを払い、ブレイクタイムは吠える。「狂人め！殺した先に何が有る！」死神の腰に吊るされた戦友の生首は何も言わず空を見ている。52 #tmbnj

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ニンジャスレイヤーのカラテは揺らがない。「ならばオヌシが殺し、奪った命の先に何があった？高潔なシステムか？それも残骸に過ぎぬ。これは私のイクサだ。ニンジャ、殺すべし」「狂人め！やってみろよなーッ！イヤーッ！」ブレイクタイムが一気に踏み込む。短期決戦を狙う。 53 #tmbnj

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ブレイクタイムは左腕の確かな軋みを感じ取っていた。銃弾とスリケンのダメージ累積により、既にサイバネの稼働限界が近い。(((仕方ねえよな、急拵えの雑な手術だ。ならば、覚悟の一撃に賭けるのみ！)))「イヤーッ！」「イヤーッ！」ブレイクタイムの右フックを死神が防ぐ！54 #tmbnj

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@RiverInWestern グワーッ！　ケジメ！

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トビゲリ姿勢では防御も出来ず、ダッドボムはバンプアップめいた姿となり。吹き飛び、地に落ちた。死を避けられたのはスリケン威力の反射による低減と、類まれなるニンジャ耐久力が故であった。だが、カラテは失われた。ニンジャスレイヤーは立ち上がり、ジュー・ジツを構える。51 #tmbnj

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「イヤーッ！」更に右フック！「イヤーッ！」死神は紙一重回避！「イヤーッ！」「イヤーッ！」「グワーッ！」三度目の右フックは逸らされ、ケリ・キックによるカウンター！思わずたたらを踏む！(((クソが！対応がハヤイすぎる！だが！)))ブレイクタイムは再び距離を詰める！55 #tmbnj

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「イヤーッ！」「イヤーッ！」「グワーッ！」4度目の右フックにもカウンターが決まる。だが今度は退がらぬ。更に踏み込み、右フックを……！「イヤーッ！」「グワーッ！」撃てない！遂にニンジャスレイヤーはブレイクタイムのフックを見切り、その始動より早く拳を叩き込んだのだ！56 #tmbnj

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更にニンジャスレイヤーの右がブレイクタイムを打つ！「イヤーッ！」「グワーッ！」ニンジャスレイヤーの左が打つ！「イヤーッ！」「グワーッ！」右！「イヤーッ！」「グワーッ！」左！「イヤーッ！」「グワーッ！」「イヤーッ！」「グワーッ！」「イヤーッ！」「グワーッ！」57 #tmbnj

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ブレイクタイムは揺らぐ視界の中、ほんの一瞬の隙を探す。このイクサを圧倒的優勢の中で進めてきたニンジャスレイヤーだが、その身体は決して無傷ではない事を見抜いていた。死神が殺した8人のニンジャは、エクスプローラーは！エニウェイは！間違いなく彼に手傷を与えているのだ！58 #tmbnj

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死神が踏み込む。微かなカラテのブレを、そこに見た。瞬間、ブレイクタイムは最後の力を振り絞り、奥歯のスイッチを押す！内蔵ニトロが燃え、ジェット噴射によるブーステッド・パンチが起動。だが、半壊したサイバネ左眼が死神の赤い瞳を覗き、全てを察した。(((読まれてる)))59 #tmbnj

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ニンジャスレイヤーは渾身のブーステッド・パンチを紙一重回避し、それから断頭チョップでブレイクタイムの首を刎ねるだろう。いみじくもその高いカラテ技量が、ブレイクタイムに全てを悟らせた……はずだった。「ヌゥーッ！」赤黒の死神が唸る！おお、見よ、死神の背を掴んだ男を！60 #tmbnj

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「アアーッ！」満身創痍のミルクトースト！下顎はちぎれ飛び、もはや喋る事もままならぬ男が、カヂバヂカラで死神を押さえつけ、その目で語っていた。「俺ごと殺れ」と。死神は肩越しに目潰しをミルクトーストに放つ！「イヤーッ！」「アアーッ！」眼球摘出！掌握破壊！だが離さぬ！61 #tmbnj

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これ以上の勝機無し！「イイイイヤアアーッ！」ブレイクタイムの超質量サイバネ左腕がニンジャスレイヤーに迫る。ニンジャスレイヤーはジュー・ジツの構えを崩さぬ。退けぬならば進むのみ。やや中腰、ポン・パンチの構え。まさか……ブーステッド・パンチを迎え撃とうというのか！？62 #tmbnj

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「イイイイヤアアーッ！」ニンジャスレイヤーのポン・パンチが唸りを上げる！サイバネ左腕による超質量ブーステッド・パンチと正面衝突だ！KRAAAAASSH！衝撃波が密室を走る！63 #tmbnj

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倒れ伏すダッドボムは、身体に刺さったスリケンの痛みに血反吐を吐きながらそれを見ていた。2つの拳は、まるで時を止めたかのように空中でぶつかりあい、静止した。だがそれも僅かな時間の事だ。ニトロ噴射による加速と質量はポン・パンチを上回る、かに見えた。鈍い金属音。64 #tmbnj

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「運がねえ」カラテ衝撃が吹きすさぶ中、ブレイクタイムは確かにそう呟いた。サイバネ左腕の燃料供給システムの限界であった。スピードを失ったサイバネ左腕を、ニンジャスレイヤーのポン・パンチは破壊。そのままブレイクタイムの鎖骨を粉砕し、肩から上を吹き飛ばした。65 #tmbnj

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千切れ飛ぶブレイクタイム。視界の端に、花籠を捉える。そしてソーマト・リコール記憶逆流現象。湾岸警備隊時代の記憶が濁流めいて流れこむ。「イヤーッ！」アザハナが薬指をケジメする。ニンジャとなったブレイクタイムはアザハナを嘲笑った。己より大事なものを知らなかった。66 #tmbnj

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記憶はソウカイヤ、そしてアクシス時代へと。エクスプローラーとのイクサの中、命を賭けるべき物がある事を知った。だが、遅すぎた。最後の記憶はアマクダリ基地のケジメ場。総帥ラオモト・チバの眼前で、彼は左腕と左眼を自らケジメした。髑髏めいた月がインガオホーと笑っていた。67 #tmbnj

とんぼがえり @lilivid

時間が戻る。ブレイクタイムの生首は花籠に当たり、血で汚し、散らした。「サヨナラ！」ブレイクタイムは爆発四散！続けて死神はミルクトーストへと断頭チョップ。不可避の一撃。「サヨナラ！」ミルクトーストは爆発四散！合わせて11の生首がニンジャスレイヤーの腰に吊るされる。66 #tmbnj

とんぼがえり @lilivid

死神は最後に残った瀕死のダッドボムに歩み寄り、素首を掴んで持ち上げた。その赤い瞳の奥底の感情は窺い知れぬ。「オヌシで最後だ。ダッドボム＝サン。ハイクを詠め」ジゴクめいた声。避け得ぬ死はすぐそこに。ダッドボムは呆けたように口を開く。「オレは……何処から間違った？」67 #tmbnj

とんぼがえり @lilivid

「全てだ。オヌシの浅薄な企みはとうの昔に露見していた。下っ端どものIRC通信はダミーだ。カザグルマの一人娘も救助済み。そしてオヌシは殺す」ニンジャスレイヤーの死刑宣告を、その殺意に満ちた瞳を、ダッドボムは畏れた。だが……イモチ・ノノノメは。68 #tmbnj

とんぼがえり @lilivid

イモチ・ノノノメにはヤクザクランのオヤブンとしての最後の矜持があった。ヤクザこそが、ヤクザだけが闇社会の頂点。食物連鎖の王。アマクダリによりシステム化されたネオサイタマでは余りに稚気めいた果て無き夢。しかし、イモチには他に何も無かった。処刑を待つヤクザは叫ぶ！69 #tmbnj