アンエクスペクテッド・ゲスト #7

ネオサイタマ電脳IRC空間 http://ninjaheads.hatenablog.jp/ 書籍版公式サイト http://ninjaslayer.jp/ ニンジャスレイヤー「はじめての皆さんへ」 http://togetter.com/li/73867
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ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「なんて暑さだ!喉が渇くな!」デッドエンドはレザージャケットを脱ぎ捨て、上半身はスポーツブラとレザーグローブしか身につけていない。凄まじい汗だ。防護服無しでこのクラスの火炎放射器を振り回せるのはニンジャだけだろう。闇雲に振り回される触手を回避しながら、焼く!焼く!焼き払う! 21

2016-01-18 23:30:09
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ナカジマ!カンゼンタイを発見したぞ!揺籠作ってオネンネしてやがる!永遠に目を覚ませねえようにしてやろうぜ!」タフガイが通信機にがなる!「ナカジマァ!ビール持ってこい!バーベキュー大会の始まりだ!」デッドエンドも猛烈な炎で繭を攻撃し、叫ぶ!その時、怒りに燃えるコーゾが動いた。22

2016-01-18 23:35:21
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「「「アイエエエエ!」」」炎とNRSにより自殺レミングスめいて取り乱した囚人が、デッカーニンジャのいる細い足場を突っ切って逃げようとする。「クソが!邪魔するな!焼き殺すぞ!」デッドエンドが獣を追い払うように炎で威圧する。その隙をつき、忍び寄っていたコーゾが、引き金を引いた。 23

2016-01-18 23:42:11
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

デッドエンドの体が斜めに傾いた。(死ね、下等な暴力デッカーめが……)光学迷彩で身を隠したコーゾは、憤怒の形相を作り、彼女が倒れるのを見ていた。荒い息が彼の呼吸装置から漏れ、ニードルガンを握る手が震えていた。「おい、何……」全身の筋肉が硬直し、彼女は火炎放射器を取り落とした。 24

2016-01-18 23:48:20
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ア……ア……」デッドエンドの喉が狭窄し、まともに息もできぬ。だが未だ心停止していない!(ならばもう一発!)コーゾが撃たんとした瞬間、闇雲なマッポガン連射が反対側の足場から飛ぶ!BLAMBLAM!「グワーッ!?」Zzzzzt!一発がコーゾの腹部プロテクターに命中!火花散る! 25

2016-01-18 23:55:25
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「何かいやがるな!クソッタレ!おい、デッドエンド!デッドエンド!くたばるんじゃねえぞ!デッドエンド!」タフガイはステルス状態の敵へマッポガン連射!BLAMBLAM !「グワーッ!」再命中!火花散り、光学迷彩剥がれ、闇に特徴的シルエットと紋章!「ヨロシサンの重役か!?クソが!」26

2016-01-19 00:01:53
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「YYYYYRRR!」炎の勢いが落ち、ニンジャの繭が勢いを取り戻す!目覚めようというのか?繭表面に奇怪な粘液が吹き出し、炎を洗い流す!触手が明確な意志をもってデッカーたちに襲いかかる!「ファック!」タフガイは撃ち尽くしたマッポガンを捨て、再び火炎放射器を振り回し触手に対抗! 27

2016-01-19 00:07:25
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「明日を!ヨロシサン!」銃弾の衝撃で倒れていたコーゾは狂信的チャントを唱えながら、死にもの狂いで立ち上がった。ステルスは剥がれたが、未だ戦える。ニードルガンでタフガイを狙う。射出!迫る毒針弾!「ちくしょうめ!」タフガイはニンジャ反射神経で紙一重回避!このままでは埒があかぬ! 28

2016-01-19 00:14:21
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「アイエエエエエ!」ヤマヒロを握った触手はフレイルめいた勢いで振り回され、タフガイへ襲いかかる!このまま激突すれば、ヤマヒロの頭はトマトめいて砕ける!ナムサン!「イヤーッ!」BLAM!間一髪、散弾が命中し触手が千切れる!「センパイ!」スポイラーの介入だ!「ナカジマ!遅えぞ!」29

2016-01-19 00:20:36
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「アイエエエエ!」ヤマヒロを掴む触手は真ん中付近でちぎれ飛び、彼は奇怪な体液を頭から浴びながら、吹き抜け部に放り出された。火炎放射の火がすぐ横をよぎった後、彼は頭から真っ逆さまに落下!「アイエエエエ!」それをさらに別の触手が掴む!「アイエーエエエエエエエ!助けてくれーッ!」 30

2016-01-19 00:24:59
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

触手に片足を掴まれ、上下左右の区別も無し。殺人ジェットコースターめいて振り回されながら、ヤマヒロは死を覚悟した。泣き喚き、助けを請うた。脳内薬物が瞬時に湧き出し、周囲がスローに見えた。精神はゼンめいて醒めた。(泣いて助けを求める?ヤクザが?誰にだよ。ケッ、みっともねえ…) 31

2016-01-19 00:30:23
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

頭のネジが音を立て、ひとつもふたつも飛んでしまった気分だった。視界の端にピンク色の光が見えた。誰かが独房の中にいた。(誰だ?)「何をグズグズしておるか、このたわけめ」ピンク色の光に包まれた、翼つき兜の、厳しい髭の老人。(オーディン神だ)ヤマヒロは直感した。「彼を呼べ」(彼?)32

2016-01-19 00:35:13
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

急加速。振り回され、ヤマヒロは宙を舞う。再びスローモーション。新たなピンク色の光がビームめいて頭上の暗黒から降り注ぎ、別な独房の中で人影を形作った。神々が彼に語りかける。「ヤクザは答えを知っている」(ジーザス……?)「彼を呼ばねば、全てが手遅れになりますよ」(ブッダ……?) 33

2016-01-19 00:42:01
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

狂気だ。ヤマヒロは恐れた。(やめてくれ、俺はそっち側に行きたくねえ)「たわけめ!とっとと彼を呼べ!電話番号を知っているはずだ!」「やめろ!俺の頭から出て行きやがれ!狂気め!」「電話ならここにあるぞ!」オーディンは赤漆塗りの電話ボックスを叩いた。幻影の。「嫌だ!アイエエエエ!」34

2016-01-19 00:48:00
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

永遠の狂気に飲まれかけた、その時!「ヤマヒロ=サン!」タロの声!「ハッ!」ピンク色の光が消滅!BRATATATA!ヤブのガトリング斉射!触手切断!ハッカーが高速タイプで命じ、タロが叫ぶ!「跳べ!」と!「イヤーッ」ヤブが跳躍!「ウオーッ!」ヤマヒロ手を伸ばす!空中キャッチ成功!35

2016-01-19 00:57:58
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!イヤーッ!」スポイラーはコーゾに馬乗りになり、強化警棒で敵のガスマスクヘルムを繰り返し殴りつける。「おい!半殺しでやめろ!逮捕しろ!ヨロシを締め上げるぞ!」タフガイは焼き続ける。デッドエンドは動かない。「イヤーッ!イヤーッ!」スポイラーは憤怒に飲まれ、殴り続ける。36

2016-01-19 01:07:29
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

割れた強化グラス越し、スポイラーの背後に、コーゾは燃え盛る肉の繭を見上げる。(失われる、ヨロシサンの未来が)強化警棒が叩きつけるたび、世界が白く光り、遠ざかる。(人類の未来が)コーゾの背負うジェットパックが、LAN起動、点火した。 37

2016-01-19 01:16:12
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

(我が子よ)コーゾは両腕を広げながら、スポイラーごと飛び立ち、空中を焼く炎の中で狂ったように旋回した。肉の繭の周囲を二度回転し、そして火炎放射器を構えるタフガイの足場に激突した。足場が崩壊し、デッドエンドが落下してゆく。タフガイは踏み止まり、叫び、繭に火炎を浴びせ続けた。 38

2016-01-19 01:18:59
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

炎、巨大な絶叫、そして重機械音の轟きが地下牢獄に満ちる。(育て、世界を喰らえ)コーゾもまた、闇へと真っ逆さまに墜落していった。 39

2016-01-19 01:22:34
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「YEEEART!」ジェイクはマッポの後頭部に、カラテチョップを叩き込んだ。ネオロッポンギのカラテ・ドージョーでの鍛錬が、また役に立った。不意をつかれたマッポは気絶した。無理もない、ジェイクはマッポに偽装していた。転がっていたマッポ死体から剥いだ制服に着替えていたのだから。 41

2016-01-19 01:28:30
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「君はまるで黙示録の蛇だな。私をどこまで堕落に付き合わせるのか」物陰から現れたカブセは、額の汗を拭いながら言った。彼の手引きと職員コードで、ジェイクはここまで難なく進むことができたのだ。「ちょいと失礼」ジェイクは気絶マッポをワイヤ拘束し、サングラスを奪い、電算機室に入った。 42

2016-01-19 01:34:42
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ジェイクはサングラスを新しいものに掛け直し、UNIXモニタの暗い画面を鏡代わりに、掛け心地やクールさを確かめた。ようやくしっくりきたようで、にっこり微笑むと、「そう、こうでなくっちゃね」片手でZBR煙草を催促した。「恐ろしい男だな、君は」カブセは首を振り、違法薬物を渡した。 43

2016-01-19 01:41:17
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「フウーッ……」UNIX電源を入れ、煙をふかす。囚人棟側の喧騒に比べ、アドミン棟はゴーストタウンじみた静けさである。マッポが決定的に不足しているのだ。電算機室の基幹LANケーブルは交換され、接続は回復されたが、ここを守るスポイラーは地下の加勢のために入れ違いで出払っていた。 44

2016-01-19 01:48:12
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「さて、犯罪履歴を消せば、俺もいよいよカネを手にし祖国に帰れる、か…思えば色々あったな」「日本に心残りは?」カブセが尋ねるとジェイクは肩をすくめた。「サイバネ医師とモメて、ヤクザの賞金首になって、オイランともネンゴロになった。もう十分さ」起動音。画面に『マッポネット』の文字。45

2016-01-19 01:55:51