- hundred_smile
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夕方ぐらいにTLの一部で声の話が流れていたので、そんな話を。 ・通る声ってどんな声なのか ・通る声ってどうやって練習したらいいのか ・声の使い分けってどういうことか ・声はどう使い分ければいいのか などということについて書いていこうと思います。
2016-01-27 20:58:52話題自体は教育関連垢の皆さまが挙げていたのですが、授業での声の使い方という話になってしまうと、「教え方の先生」をされている某せんせいの専門になってしまうので(笑)、数年学劇やってて集めた知識とちょっとの経験から、役者の立場からの発信を。
2016-01-27 21:00:36とはいえ、これから書くことは、ほとんどすべて2冊の本を下敷きにしたことです。僕が下手に再編集するより原典にあたってくれ、というのが本音です。たぶん、そのほうが逆に手っ取り早いし。ひとまず、その2冊を紹介しておきます。
2016-01-27 21:03:071冊目。鴻上尚史『発声と身体のレッスン』。役者に向けた本ですが、それ以外の、人前で話す仕事をするすべての人が読む価値のある本です。 amazon.co.jp/dp/4480430024/…
2016-01-27 21:06:462冊目。永井一郎『朗読のススメ』。長年にわたりサザエさんの波平の声をあててらっしゃった、故・永井一郎氏が声や演技、朗読について書いた1冊。言葉を声にする際のヒント満載の書。 amazon.co.jp/dp/4101384517/…
2016-01-27 21:09:17さて、「通る声」とはいったい何か。ここでは、 ①相手に届く大きさである ②喉でがなったり、頭の上から抜けたりしていない の2点を満たす声ということにしておきましょう。さらに「不適切となることが多い声」として、 A.四方に発散してしまっている B.必要以上に大きい 声があります。
2016-01-27 21:13:03これは、実際に聞いていただいた方が早かろう。 伝わる「声」とは?4つの聞き比べ youtu.be/CJsD7y5bH24 @YouTubeさんから
2016-01-27 21:14:40(声はともかく抑揚や緩急のつけ方がいまひとつに聞こえるのはさておき) 「頭から抜けてしまう声」「喉越え」の”耳障りさ”はお分かりでしょうか。 なお、ちゃんと練習せずに大きな声を出そうとすると、女性は前者、男性は後者を使ってしまいがちなように思います。
2016-01-27 21:20:42この動画で言う「磨かれた声」とは、「腹式呼吸で支えた、適切な声量の声」と言い換えることができるでしょう。 腹式呼吸。発声という話になると、よく聞く言葉です。まずはこの辺から行きたいのですが、「声」について見聞きしたり練習したりするときに、ひとつ心にとめておくといいことが。
2016-01-27 21:24:19それは、「声は音であり、音は物理現象である」ということです。 身体の状態が同じなら、同じ声が出る。出したい音を出すには、それが可能な身体的状況を作ってやる必要がある、ということ。
2016-01-27 21:25:55声のレッスンというと、自分が出している音を耳で聞くことばかりに集中してしまう人がいますが、それと同じぐらい、あるいはそれ以上に、その声を出しているときに、自分の身体はどのような状態になっているのかということに意識を向けることが大切です。
2016-01-27 21:27:29そうでなければ、うまくいったときにしろいかなかったときにしろ、自覚的に再現したり、避けたりすることができません。 たまたまうまくいったけど、どうしてうまくいったのかわからない、という事態はよろしくありません。(これ、たとえば外国語の発音練習の際にも言えることだけれど)
2016-01-27 21:29:26声を出すメカニズムについては、詳しくはたとえばこちらを参照いただければ。 『発声の仕組み①』 ⇒ ameblo.jp/slxge/entry-11…
2016-01-27 21:34:41通る声を出すために、どうしてもたったひとつだけ気にしなければいけないことがあるならば、それは「余計な力を入れない」ことにつきます。 息を送るのは横隔膜です。腹筋で横隔膜の動きをコントロールして、時間当たり喉に送る息の量を増やせば、原理的には、大きな声は出る。
2016-01-27 21:37:42ただし、共鳴している身体がこわばっていては、声が増幅されません。叩いている音叉を手で握れば音の響きが止まってしまうのに似ています。
2016-01-27 21:39:04喉に力が入ってしまうのもよくない。喉を傷める原因になりますし、先の「喉越え」になってしまう。 音を「作って」いるのは喉にある声帯でも、息を送っているのは横隔膜です。笛を吹くとき、笛は息のコントロールなんかしていません。同様に、喉は息の量=声の大きさをコントロールする部位ではない。
2016-01-27 21:42:17ここでは、『発声と身体のレッスン』(以下、「レッスン」)より、喉を開いて声を出す練習と、お腹で支えた声を出す練習を紹介しておきます。
2016-01-27 22:20:49ひとつ目。喉を開く練習。 やり方は単純で、「Ah---」と声を出しながら、首を上下に動かします。すると、どこかで一か所、喉を通る息の量が急に増えて、かつ喉が楽になる場所があるはず。声に注意すると、実際に音が変わっているのがわかるはずです。
2016-01-27 22:22:56(自分で見つからない場合は、音を聞き分けられる人に頼んで指摘してもらいましょう) (余談ですが、声を出すことに慣れてくると、他人の声を聞けばだいたいどうやって発声しているのかはわかるようになります)
2016-01-27 22:26:05”その場所”が見つかったら、喉を開いた状態をキープしたままでまっすぐ前を向きます。慣れてくれば、はじめから前を向いて同じ声が出せるようになるでしょう。 (小中学校の音楽の授業で「顎を引いて声を出す」ように教わった人もいるかもしれませんが、はじめから喉が開ける人向けの言葉かも)
2016-01-27 22:31:25ちょっと寄り道。たとえばスターダストレビューの根本要さんは、一般にはあまりよくないとされる「顎を突き出した状態」で歌いますが、それが自分の喉にとってベストポジションだと知っているのでしょう。 スターダストレビュー 「木蘭の涙」 youtu.be/mlUpILj1gC4
2016-01-27 22:33:47戻って、ふたつ目。お腹で支えた声を出す練習。 壁に向かって立った状態で声を出します。さっきと同じ、「Ah---」というロングトーン。で、「パチンコのジェスチャー」のように、おへその前に聞き手を構えてください。その手で壁をグッと押してみる。そのときに腹筋にも力が入ります。
2016-01-27 22:37:03自分の意思で壁を押すと緊張して余分に力んでしまう人がいるので、そういう場合、できれば誰かと向き合って、相手のタイミングで手を押してもらうともう少し簡単です。体が押されてしまわないように耐えるときに、声を支える腹筋に力が入り、声が変わるはず。
2016-01-27 22:41:22声の変化と、腹筋の使い方が意識できたら、壁を使わなくても同じように腹筋を使って声を出す練習を。 このときにグッと力がこもる(力む、というのとはちょっと違うのだが、説明が難しい)部分が、いわゆる「丹田」と呼ばれる箇所です。
2016-01-27 22:42:59