不知火に落ち度はない 42(節分編)

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不知火に落ち度はない @otinui_yamoto

「シュート!!」 磯風が振りかぶって思い切り豆をこちらに飛ばし──。 俺は背中に隠したそれを、前に出す。 ズダン、と激しい衝撃が襲ってきて──。 #不知火に落ち度はない

2016-02-04 00:26:29
不知火に落ち度はない @otinui_yamoto

「仕留めたか──」 「いんや」 「な──っ!」 視界の先には驚きにゆがむ磯風の顔。 俺の手元には守衛さんトコにある防弾シールド。 さすが日本製。ショットガン並の威力でもしっかり防いでくれたか。 #不知火に落ち度はない

2016-02-04 00:31:02
不知火に落ち度はない @otinui_yamoto

「さて、お仕置きの時間だぞ磯風」 「な──司令、それは」 そして俺の手元からにゅっと現れたのは。 そう、ガス圧で豆を飛ばす例のライフルである。 「鬼から豆のプレゼントだ」 「く──」 即座に物陰に逃げようとしたな。 残念賞。 #不知火に落ち度はない

2016-02-04 00:33:14
不知火に落ち度はない @otinui_yamoto

ばす、と遠慮無く太ももの内側に一発。 「つっ!?」 磯風はダメージに強いが、痛覚がないわけじゃない。 こと、太ももの内側だと、相当痛い。 スピードの落ちたところでもう一発。 今度は耳。 鍛えられないところにぶち当たる豆。 #不知火に落ち度はない

2016-02-04 00:35:38
不知火に落ち度はない @otinui_yamoto

思わず耳を押さえたところで、次は胸。 男ならさしてダメージにゃならないが、残念ながら磯風のそこは脂肪だ。 次。 再びガードが開いたから耳。 でもって瞼。太もも。手の甲。 距離をつめながら遠慮無く痛覚に訴える。 ぎゃ、とか声が上がりだしたが無視無視。 #不知火に落ち度はない

2016-02-04 00:40:57
不知火に落ち度はない @otinui_yamoto

連射性能はさほどでもないが、やや改造気味のガス銃だ。 痛覚に訴えるだけなら、ピンポイントで防御薄いトコ狙えるしね。 連続で同じ位置を狙うと痛みが薄れるが、予想してないところに来ると案外人間脆いんです。 #不知火に落ち度はない

2016-02-04 00:43:22
不知火に落ち度はない @otinui_yamoto

「つーわけでチェックメイト。今回は鬼の勝ちにしとこうぜ磯風」 「……っ。卑怯だぞ司令。あと、すっごい痛い」 涙目で俺を見上げてくる磯風。 そりゃそうです。だって痛いように狙ったわけですし。 「で、降参する?」 「しないといったら?」 #不知火に落ち度はない

2016-02-04 00:45:21
不知火に落ち度はない @otinui_yamoto

「鼻の穴に突っ込んで撃つ」 「!!!?」 想像してしまったのか、思わず磯風が鼻を押さえる。 「司令。よくもまあ、そんなえげつない事を考えるな!」 「散弾銃みたいな豆投げてくる奴が言うなっつの」 当たったら大怪我ですよあれ。 #不知火に落ち度はない

2016-02-04 00:47:16
不知火に落ち度はない @otinui_yamoto

「というか……司令、素手がメインじゃなかったのか。ずるいぞ」 「俺どっちかっていうと、武器持ってる方が強い派なんだっつの」 状況的に素手が多いだけです。 下手に怪我させるとまずい相手ばっかですもん、周囲。 その辺磯風は多少のダメージなら治るしな。 #不知火に落ち度はない

2016-02-04 00:50:38
不知火に落ち度はない @otinui_yamoto

「なるほど。次は銃は持たせないようにしないとな」 「次はっつーことは、降参でいい?」 「ああ。降参──」 ふっと、磯風が笑う。 よっしゃ、破壊兵器鎮圧に成功── 「した方が良いのは司令だな」 かち、と、俺の頭に冷たい感触が当たる。 #不知火に落ち度はない

2016-02-04 00:55:44
不知火に落ち度はない @otinui_yamoto

え。ちょいまち。 今──『俺の後ろから声が聞こえた』よな。 「油断したな兵頭提督。さて、鬼退治の時間をもう少し続けようか」 「……。なあ、長門」 #不知火に落ち度はない

2016-02-04 00:57:13
不知火に落ち度はない @otinui_yamoto

きっと俺の後ろで、すっごいいい笑顔してるんだろうなあ、あのメスゴリラ。 「俺、別に今日はなんも悪いことしてないよな?」 「とのことだが、磯風。お前の意見は?」 「耳と目と乳首を撃たれた」 おまー!!!? 「特に最後は千切れるかと思った」 #不知火に落ち度はない

2016-02-04 00:58:25
不知火に落ち度はない @otinui_yamoto

「さらに無骨な銃口を鼻に突っ込んで撃つと脅した。以上だ、長門姉様」 「なるほどなるほど。つまり、状況的に鬼退治の必要が出たわけだ」 有無を言わせぬ口調。 もしかして、長門さん。お前怒ってたりします? 「あのさ。降参していい?」 #不知火に落ち度はない

2016-02-04 01:00:55
不知火に落ち度はない @otinui_yamoto

「いいぞ。ただし、捕虜にするとは言ってない」 「ちょっと待ってくだち。撃つ気ですか」 「もちろん❤」 やだー!!! こいつ撃ちたくてワクワクしてたんだ-!! 「さーて、この状況からどうやって逃げるか楽しみだなぁ❤」 #不知火に落ち度はない

2016-02-04 01:04:39
不知火に落ち度はない @otinui_yamoto

「長門姉様。私も続行していいか」 「いいだろう。ほら、お前の分の銃だ」 俺の持ってた銃はあっさり奪われ、投げられたそれを装備する磯風。 たんのしそうですね君。 「そんなわけで司令」 「おう」 「さすがの私も乳首撃たれたのは相当ムカッ腹立ってるぞ」 #不知火に落ち度はない

2016-02-04 01:11:10
不知火に落ち度はない @otinui_yamoto

うん。知ってる。 お前男勝りだけど、別に男じゃないもんなー。 はっはっはー。 「長門姉様、どこを狙ったら良いと思う?」 「男の急所と言えば、一つしか無い」 「──。うむ!!」 うむじゃない!! うむじゃないよ!!! #不知火に落ち度はない

2016-02-04 01:12:09
不知火に落ち度はない @otinui_yamoto

「さて。変な動きを見せたらもちろん私も撃つのでよろしく」 「黙って撃たれろとかどんだけ地獄なんだよこれ」 「私だってたまには、節分を楽しみたいからな❤」 「お願いだからそれ普通にやってくだち!!?」 そんなわけで。 俺は。 #不知火に落ち度はない

2016-02-04 01:16:22
不知火に落ち度はない @otinui_yamoto

こんな絶望的な状況から、無事生還する手を考える羽目になったわけで。 あと、5秒ぐらいで思いつかないと、マイサンが地獄行きになるわけで。 あのさ。 神様さ。 どんだけ俺のこと嫌いなんですかと問いたいわけでして。はい。 #不知火に落ち度はない

2016-02-04 01:17:52
不知火に落ち度はない @otinui_yamoto

さて、このあとどうなったか。 それを教えてやりたいが、悪いな。 さすがにえげつない手を使いすぎたんで、よいこのみんなにゃ教えられねえ。 一つ言えることは、俺のタマはどっちも無事だったってことだけだ。 じゃ、今日はこのへんで。 また、暇な時にでもな。 #不知火に落ち度はない

2016-02-04 01:21:47

あとがき&おまけ

不知火に落ち度はない @otinui_yamoto

はい。そんなわけでおしまい。 本当は恵方巻蘊蓄コーナーイン浜風ルームとかだったはずが、なんでか銃撃戦からの爆撃戦になっちゃったぞい。 (だいたい陽炎と磯風のせい) 楽しんでいただければ幸い。 #落ちぬい

2016-02-04 01:35:05

不知火の事後処理

実のところ単純作業は得意なのです、不知火。

不知火に落ち度はない @otinui_yamoto

「不知火。なにやってんの?」 「見ての通りです陽炎。裁縫ですが」 「その趣味の悪いアロハって……」 「司令のですね。不知火の作戦の結果、破損しましたので」 #不知火に落ち度はない #おまけ

2016-02-04 01:23:39
不知火に落ち度はない @otinui_yamoto

「あー。えっと、それ、私がやろっか?」 「陽炎の手を煩わせるまでもありませんので」 「いや。その、私のせいでもあるわけでしょ」 「そうですね。陽炎が『節分の鬼退治よっ!』と細かいことを考えず巻き込んだ結果です」 #不知火に落ち度はない #おまけ

2016-02-04 01:26:46
不知火に落ち度はない @otinui_yamoto

「うぐ。そうだけど──でもじゃあ、私がやる理由に……」 「陽炎、お断りします」 「え。マジ顔?」 「これは不知火の仕事ですから」 「あー了解了解。余計なことしません。横で見てるわよ」 「……。陽炎?」 #不知火に落ち度はない #おまけ

2016-02-04 01:31:23
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