- shiroboshi2
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ミコノはテンタクルスをジッと見つめた。見た目は普通の少女と何ら変わりない。だが、ニンジャなのだ。「君のような女の子のニンジャもいるんだな……あれ。君、どこかで会ったかい?」「会ったとも!」少女が食い入るようにして声をあげた。「ついさっきだ!カネをくれた!」31 #S57Ninja
2016-02-11 23:45:58「ついさっき……ああ、ああ!パチンコ・カジノ前でぶつかった……すまなかった、注意不足で」「そんなことはもういいのだ、オッサン。さあカネを寄越せ。私はお前を守ったぞ。今なら追加料金でヨージンボーだ!」「……ハァーッ」ミコノは首の後ろに手を当て、溜息を吐いた。32 #S57Ninja
2016-02-11 23:50:34「やれやれ、面倒なことになった……君。カネが欲しいのかい」「ウン!」即答!「そうかい、そうかい。それなら真っ当に働こうな。カワイイなんだから、どこかきっと雇ってくれるところがあるよ」「働く?断固拒否する!私はニンジャだぞ!」テンタクルスは声を荒げた。33 #S57Ninja
2016-02-11 23:54:43「ヨージンボーとして私を雇うんだな。雇え。さもなくば危害を加えるぞ」「脅迫か、感心しないな。だが君をヨージンボーとして雇うことはできないんだ」「ナンデ?」首を傾げるテンタクルス。ミコノは目を細めた。「信用に足らない。君、明らかに経験不足だ」34 #S57Ninja
2016-02-11 23:58:19#S57NINJA 金ヅルに容赦なく絡んでいくテンタクルスちゃん 関係ないがキュロットスカートがバラ花弁モチーフのフリフリだったりするんだ俺詳
2016-02-11 23:59:55「経験不足?ゲヒヒッ、だが私のこれまでの対ニンジャ勝率は100%だぞ!」「……本当かい?」「本当だ!」テンタクルスは胸を張って言った。そのバストは平坦であった。「……まあ、それだけじゃない。君はカネが貰えればそれでいいんだろう」「ウン!」即答!35 #S57Ninja
2016-02-12 00:02:39「じゃあね、もし仮に……仮にだよ?僕が君をヨージンボーとして雇ったとする」「ようやく雇う気になったか」「……それで、僕が報酬額を提示したとしよう」「いくらだ!?」「その後、君を面倒だと感じた追っ手側が、君を買収しようとした場合。僕の報酬額より高い額で、だ」36 #S57Ninja
2016-02-12 00:07:34「……それは……困るな」テンタクルスは腕を組み、目を閉じた。ミコノは肩を竦め、口を開く。「うん、そうだろうと思った。だからこの話は無し……アッ」そして何かに気づき、また大きな溜息を吐いた。「ム?どうしたのだ」片目を開け、ミコノを見上げるテンタクルス。37 #S57Ninja
2016-02-12 00:15:12「いや、まあその……うん。君、あのニンジャ……グレーフール=サンを撃退したよね」「ああ!見事なワザマエだったろう」テンタクルスは鋭利な歯を覗かせながら笑う。ミコノはその様子を見て、落胆した。「殺してくれていたらまだ、なぁ……君も目をつけられたろうからなぁ」38 #S57Ninja
2016-02-12 00:19:48彼はこの無軌道な少女ニンジャを見やった。先程のイクサにおいて、ミコノの援護がなければ彼女はまず間違いなく死んでいた。非ニンジャの援護で生き延びられた。そんな彼女が、アマクダリ・セクトに目を付けられたとなれば。テンタクルスに待ち受ける運命は……。39 #S57Ninja
2016-02-12 00:25:57「……うん、まぁ、助けてもらったのは事実だし……死なれてしまって心持ちが良くないし……」「なんだオッサン、ブツブツと。それより早くカネを寄越せ!私には夢があるんだ!そのためにはカネが必須!」「アー、ハイ、ハイ」ミコノは万札を数枚、彼女に手渡した。40 #S57Ninja
2016-02-12 00:29:20「ゲヒッ!」少女はそれをひったくるようにして手に収め、懐にねじ込んだ。ミコノは頭を掻きながら、絞り出すようにして声をかける。「アー、まあ、その……取りあえず、君をヨージンボーとして雇おうと思う」「当然だ。よし、まずは契」ミコノは万札を数枚、彼女に手渡した。41 #S57Ninja
2016-02-12 00:32:33