【第1話】魔法少女れいるたん【出会いは運命という名の必然】
@koudakei 汝に仇なす者の血を糧とし咲き乱れよ彼岸花!(枕詞として「れいるのおねがいかなえてぷりーず☆」といった言葉をつけることも可能
2011-01-30 20:40:54振りまわしたステッキが風鳴りとともに「観自在菩薩行深般若波羅蜜多時、照見五蘊皆空、度一切苦厄。舎利子。色不異空、空不異色、色即是空、空即是色」と凄まじいBGMを奏でる中、れいるは己の裡からほとばしる言葉を一息に紡いだ。
2011-01-30 20:54:57僕の胸に滾るこの思い……具現して!(ルビ:れいるのお願い叶えてぷりーずっ!) たんたんたららん! ねこねこくろねこねこねこねこにゃっ! れるれる♪れるれる♪れるれるれいる~♪ アセト・アミノ・ロコデイン・リゾチーム! テクノブレイク・ジッョーナ・イッフーク・エーキ!
2011-01-30 20:56:19――我らに仇なす者の血を糧とし咲き乱れよ彼岸花! 天魔覆滅エターナルルルフォースレイルブリザード!☆原子分解キルゼムオール!!!!!!
2011-01-30 20:56:31魔法のステッキが輝きを増し、光の矢が全方位へと飛んだ。風邪薬の属性である《癒し》の矢に射抜かれた子狸たちは地面に落下。頭をふらふらさせながら「たぬぅ?」とか言っているが、もはや目に狂気の光はない。「やれやれ」ステッキの勢いを手首のひねりで殺し脇に構えたれいるは吐息した。
2011-01-30 21:01:52「終わったな」「!」風邪薬は気付いた。「まだ終わってないです!」「たぬぅーっ!」まだ一匹残っていた。「なっ!?」間に合わない。反射的にれいるは目を閉じた――
2011-01-30 21:05:21れいるがおそるおそる目を空けると、地面に倒れ伏した狸の後頭部に馬鹿でかいたんこぶができていた。「……これは、一体」「あぶなかったね。新米魔法少女さん」声が上から降ってきた。ビルの屋上に、大きな杵を肩に担った少女が立っていた。
2011-01-30 21:07:52「……厄介な人がきちゃいましたね」ぽそりと呟いた風邪薬に「るるちゃんご挨拶だね」と杵の少女は言った。「厚意であなたの魔法少女を助けてあげたっていうのに、ね」「ええ、まあ、はい。ありがとです」「おい、風邪薬」「るるです」「……るる、あいつ何者だ?」
2011-01-30 21:09:50「彼女はもちこーぅ。魔法少女もちこーぅ、です」神妙な口調でその名を口にする風邪薬に、れいるは疑問した。「……あいつも、男なのか?」「女の子よっ!」もちこーぅが叫んだ。れいるは悪びれもせずにこう問うた。「なあ、アンタ、そんなカッコして恥ずかしくねえの?」「キミが言わないでよ!」
2011-01-30 21:12:37