【第2話】魔法少女れいるたん【敵か味方かもちもちもちこーぅ】
【はじめに】このツイノベはフィクションです。TL上に存在する実在のフォロワーさんとは一切関係ありません――という体です。
2011-01-31 19:46:54「げほっ」ひどい咳を連発しながら、れいるは登校していた。鼻をずずっとすする。セーター、コート、手袋にマフラー。完全装備だが体はがたがたぶるぶる震えている。「大丈夫ですかあ?」マフラーの内側にくるまった小さな箱に「全然」と短く答える唇は紫色に近い。
2011-01-31 19:50:34番屋、通報 RT @koudakei: 「気分を明るくして、TLに近づきすぎないようにして読んでね! 魔法少女れいるたん! はっじっまっるよ~♪」
2011-01-31 19:51:18「日ごろの体調管理がなってないから風邪なんかひくんですよ」「昨日あんなスースーするカッコで町中走り回らされたせいだっつの」「すーすーって? 具体的にどこがどんな感じにすーすーしたんです?」「……オマエ、わかっていってんだろ」「え? なんのことだかさっぱり」「このドSが」
2011-01-31 19:52:41「風邪薬、飲みますか?」「飲んだら変身するだろーが」「あ、バレた」「…………」「怒ってます?」「……なあ、オマエ、俺を魔法少女なんかにして、何をしたいんだ?」「え」
2011-01-31 19:54:28しばしの沈黙。ややあって「ええとですねえ」と話し始めた風邪薬をれいるは制した。「ちょっと黙ってろ」れいるの言葉とほぼ同時、「おはよー」という声が後ろから駆けてきた。「ああ、おはよう佐藤」「うん」長い髪を後ろで束ねた美少女――のような少年が笑んでいた。
2011-01-31 19:59:02「無理せずに休んだ方が良かったんじゃない?」「学生の本分は勉強だからな。試験前に休んだらヤマも張れんし」「矛盾してるなあ」苦笑する佐藤にれいるは「風邪が伝染るからあんまり近くに寄るなよ」と言った。佐藤は笑みを大きくして「優しいなあ」としみじみ頷く。「……勘違いすんなよ」
2011-01-31 20:02:11「ところで、転校生が来るってさ」校門をくぐり昇降口に辿りついた時、佐藤がそんな話題を振ってきた。「へえ」さして興味もなさそうにれいるは相槌を打った。「しかもウチのクラスに! 女の子だよ女の子! 可愛い子だといいよね!」オマエより可愛いのはなかなかいねえよ、と思ったが言えなかった。
2011-01-31 20:05:33マジでか……。れいるは声にならない声でうめき、机に突っ伏した。担任が「あー、席はそうだな、そこ、一番後ろが空いてるな」などと自分の隣を指しているのを半ば諦めの境地で聞いていた。席に着いた持田餅子はにっこりと、魅力的な笑顔で「よろしくね、れいる“ちゃん”」と言った。
2011-01-31 20:09:20