【800】丸島和洋氏専門書出版不況と図書館の状況を説明する【400】

○自治体図書館の場合、「読者の少ない」専門書は「税金の無駄」だとして購入を控えさせようとする動きが上から出ていまして、「営業努力が足らない」という段階じゃない ○これはもう、学界全体で取り組まなければいけない状況にきてまして、一出版社の営業努力でどうにかなる段階じゃなくなってるんです。なので、みなさんの御力をお借りしたい、というのが昨晩からのツイートの趣旨です。
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丸島和洋 @kazumaru_cf

専門書を市町村クラスの公共図書館が揃える必要があるかは重要な論点。ただ都道府県立や政令指定都市クラスではどうでしょうか、ということがまず1点。大学関係者や国会図書館に行ける人でないと、専門書に手が届かない、というのは地域間格差を生む土壌たりえます。

2016-03-20 23:04:20
丸島和洋 @kazumaru_cf

もう1点。比喩的に1万円と書きましたが、これは売れ行きが落ちて発行部数を削った結果、上昇した価格の1例であって(2万近くなった出版社も6000円でとどめているところもあるし)、安定した売れ行きの増加が見込めれば、ちゃんとしたところは初刷りを増やして値下げを検討するでしょう。

2016-03-20 23:06:28
丸島和洋 @kazumaru_cf

大学図書館もいろいろややこしくて。戦国大名論をやっていると、どうしても特定大名を事例とした立論になりがちです。ようするに、地域研究に近くなる。それで、なかなか各地の研究者の議論が共有されない現実がある。

2016-03-20 23:10:40
丸島和洋 @kazumaru_cf

それで、ふとカーリルなりで検索してみたら、関係地域の本しか買っていない大学が結構ある。教員なら自分で揃えるでしょうが、学生さんの手の届くところに遠方の地域を題材にした専門書がなかったりする。あくまで題材ですから、議論そのものは戦国大名論に普遍化させているのに、なかなか読めない。

2016-03-20 23:13:31
丸島和洋 @kazumaru_cf

そうすると、議論がすれちがう危険を招くだけでなく、国会図書館にいける東京近郊の大学が、有利になっちゃう。国会図書館なら、納本義務で(基本的に)網羅されているから。これも、よろしくない。

2016-03-20 23:15:07
丸島和洋 @kazumaru_cf

ようするに、東京の一極集中を招きかねないんですよ。東京の人間が有能だからでは全くない。本にアクセスしやすいから、という理由で。国会図書館のコピーサービスは充実していますが、複数人が書いた論文集だとひとつの論文全体をコピーできない(著作権法上、1論文の半分まで)という制約がある。

2016-03-20 23:19:29
丸島和洋 @kazumaru_cf

ということを、いろいろ考えちゃうんですよねぇ。

2016-03-20 23:19:46
SHiNji @shinji_rgm79

@kazumaru_cf 新書を読んで、参考文献に興味が出て調べたら、1冊何万円もする時とかウワーッってなるんですが、図書館に申請だしたら大丈夫!みたいな感じでしょうか?

2016-03-20 23:36:24
丸島和洋 @kazumaru_cf

@takoyaki_ogre ケースバイケースですね。いま、予算がかなり削られており、選書の基準が厳しいんです。大きな自治体の図書館ならよいのですが。

2016-03-21 00:14:28